中川正春の発言 (憲法調査会)
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○中川(正)委員 ちょうど、連休明けから本格的な有事法制の議論が始まってまいります。そのタイミングで沖縄に出かけていって公聴会をやっていただいたということ、これは非常に時宜を得たことでありますし、これからの議論にこの今私たちが取り組んでいる問題というのが大いに生かされていくということ、このことが大切なんじゃないかというふうに思っております。
その上に立って沖縄を考えてみますと、やはりこの憲法の矛盾といいますか、我々が抱えている憲法の理想と、それから現実というものの、いわゆるリアルポリティークというものの矛盾がこの沖縄にすべて集中された形で今あるということ、このことだというふうに思っております。
先ほどから指摘されておりますように、特に憲法の前文の理想、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意した。」これはもっと具体的に言えば、歴史の流れの中で、国連による平和構築、国連軍の創設等々も前提にした中で平和構築をしていくという世界の流れ、そしてそれぞれの国については不戦、戦うことをしないというはっきりとした理想があったんだろうというふうに思います。
それが、具体的な朝鮮戦争の中で、その理想が現実のものになっていかない。しかし、現実対応として日本が独自の安全保障を考えていくとすれば、それはアメリカというものの存在の中で、安全保障条約を結びながら、そのシステムの中に日本が入り込んでいくということ、そんな決断をしたということ。そして、それが米軍基地ということで沖縄に集中されて今あるということ。このようなことが、恐らく沖縄の住民の皆さんにとっても、逆にこの憲法九条にこだわり、そしてこの憲法の平和主義という理想にこだわり、それを求めていくべきだというその気持ちがそれぞれの公述人の中から述べられてきたんだろうというふうに思っております。
そうして考えていくと、実は有事法制というのは、その肝心のところの議論が、このままでいくとすぽっと抜け落ちていくんじゃないかというふうに思うんです。それはどう考えていっても、このアメリカのシステム、極東に対する戦略というもの、これを頭に置いて、日本がその中でどういう役割を果たしていくのかということ、これはアメリカにとっては当然前提としてあることだというふうに思っております。その中で、日米ガイドラインが定められて、周辺事態法あるいはテロ特措法という外枠が日本にとって固められてきて、いよいよ中の議論をしていこうかということなんですが、私は、日本は、国家として、この際もう一度立ちどまって、この基本を考えていくときだというふうに思うんです。
特に日米ガイドラインなんというのは、アメリカ軍の指揮権と自衛隊の指揮権が、これは共同でやりましょうということで、あいまいな形になっておりまして、その協定そのものが、議論はあったんでしょうけれども、国会が決めていくということじゃなくて、それこそ手続的にといいますか、ガイドラインという形で定められていくというプロセス、これが問題なんだというふうに思うんです。
そうした議論を含めて、この有事法制というのは私たちはしていきたいというふうに思いますし、最終的には、その上に立って考えていけば、先ほど話が出ていましたように、集団的自衛権を解釈でやるんじゃなくて、真っ向からここで取り上げて、憲法の中に明記をしていく、あるいは明記をすべきかどうかということも含めて真っ向から議論をするということ、このことが今この有事法制の中でも問われているんだというふうに思います。私は、解釈じゃなくて、明記をすべきだというスタンスに立って今話を進めていきたいというふうに思っております。
以上です。