今野東の発言 (憲法調査会)
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○今野委員 民主党の今野東でございます。
私は、かねてから沖縄という地域に強く関心を寄せておりまして、今回の沖縄公聴会もぜひとも参加したいと思っておりましたが、参加することがかないませんでした。
しかし、今回は行けませんでしたけれども、数多く沖縄に行って、そして基地の近くにある安保が見える丘と俗称言われているところにも何度か立ち、基地の様子をかいま見たこともあります。
また、去年の九月十一日アメリカで起きた同時多発テロの影響で沖縄の観光は大きく影響を受けまして、皆さん御存じのように修学旅行が次々とキャンセルになるという事態を憂い、党の調査会の一人として沖縄に行きました。
その際、当然、米軍基地があることによって、危険だからというので修学旅行をキャンセルするという実態があるわけですから、経済界の方々からも、この沖縄の基地を何とかしてくれという意見が出るのであろうと想像して行きましたが、そういう意見は全く出ませんで、補助金を出すように考えてくれとか、そういう要請だけがありました。
後で沖縄のある大学の先生にそういう実態を話しましたところ、基地経済で沖縄の経済が成り立ってしまっている、それからさまざまな振興策あるいは補助金行政というもので、口の中にたくさんのあめ玉をしゃぶらされていて、それが口の中にいっぱい入っているからしゃべられないのだという解説を受けまして、なるほどと思って帰ってきたわけですが、それが沖縄にとってはもちろん幸せな状況だとは思っておりません。
そうしたところから、伺ったところによりますと、大変厳しい意見もこの公聴会の会場の中では出たようでありますけれども、それは当然のことなのだろうと思います。沖縄の方たちが、それ以外の都道府県の方々よりも、憲法あるいは安全保障について強くさまざまな意見を持っているということは納得できるところであります。
さて、日本国憲法は、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有すると確認しております。さらに、基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、国民に保障しています。したがって、これらの権利、基本的人権を侵害するおそれのある有事法制を整備しようとすると、憲法上相当無理な解釈をしなければならなくなります。有事法制については、現行の自衛隊法などの有事法体系の中で、不十分なところは補充、強化すればいいのではないかと私は考えております。
今回の有事法制を見ますと、まずは有事の定義があいまいでありまして、武力攻撃が予測される事態まで含まれていて、周辺事態とも区別がつきにくい、何でも有事にされてしまう。また、シビリアンコントロールの形骸化も懸念される、地方自治が侵害される危険性も大きい、基本的人権が不当に制限されるおそれが強い、どこまで制限されるのかまず見えないということもあります。
それらさまざまありますが、我が国の憲法はいわゆる有事を想定しておりません。この本旨は、平和的手段によって有事を起こさないようにすることにあるわけであります。
しかし一方、日米安保条約は、有事を想定し、その第五条において日米共同対処を定めています。この矛盾と相克の中で、また国際情勢の変転とアメリカ主導のパワーポリティックスの中で、我が国の外交安全保障は揺り動かされてきました。
世界では、我が国を侵そうとする国は見当たりません。もちろん、我が国にはその意図はありません。したがって、我が国固有の理由では有事は起こり得ないだろうと思われます。有事があるとすれば、日米安保条約のもとで在日米軍基地を持ち、世界戦略を推し進めているアメリカの介入によって生ずるかもしれない日本有事であります。日本にとってあり得べき有事は、根本から問い直されるべきであろうと思います。日本有事の未然防止のために必要なのは、自立した平和外交の確立と、日米安保条約の見直しではないかと思います。
九月十一日から有事について大きく議論が巻き起こっておりますが、その議論より以上に大きな、予防外交についての議論を私たちは膨らませていかなければならないのではないかと考えております。