中川昭一の発言 (憲法調査会)
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○中川(昭)委員 国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会における調査の経過及びその概要について御報告申し上げます。
小委員会は、これまで五回の会議を開き、それぞれの会について参考人をお呼びしてまいりました。
まず、二月二十八日の第一回の会議では、名古屋大学の松井芳郎君から、PKO、PKFを中心とした国際協力のあり方について御意見を聞きました。
松井君からは、
我が国は、憲法の理念に基づいた国際協力を積極的に行うべきであり、また、紛争の未然防止、紛争の平和的解決、紛争後の社会経済発展の支援こそ積極的な協力が可能かつ必要な分野である等の意見が述べられました。
また、三月二十八日の第二回の会議では、ジェトロ、日本貿易振興会畠山襄君から、FTA、フリー・トレード・アグリーメントを中心とした国際社会における日本のあり方について意見を伺いました。
畠山君からは、
我が国は、FTAによりWTOを補完する重層体制への移行が必要である、また、主体的なFTA交渉を通じて国際的なリーダーシップをとるべきである等の意見を述べられました。
また、五月九日の第三回の会議では、三井物産戦略研究所所長寺島実郎君から、国際社会における日本のあり方全般について意見を伺いました。
寺島君からは、
我が国は、日米安保のあり方を見直すとともに、専守防衛を維持しつつ、東アジア地域において予防外交の理念に基づく多国間フォーラムの形成を図るべきである等の意見が述べられました。
また、六月六日の第四回の会議では、杏林大学の田久保忠衛君から、日本の安全保障のあり方について意見を伺いました。
田久保君からは、
我が国の安全保障のあり方について、国際環境の変化に対応してきたドイツを見習い、普通の民主主義国家へ脱皮すべき、また、日米の安全保障関係において、我が国は徐々に片務性から双務性の方向に進むべきである等の意見が述べられました。
さらに、七月十一日の第五回の会議では、東京大学の中村民雄君から、EU憲法の動きと各国憲法について御意見を聴取いたしました。
中村君からは、
EU統合過程における経験を踏まえた上での日本に示唆的な事項として、国境を越えた各国協力が不可欠となっている現状においては、EUのメカニズムが参考になり、また、各国協議を重ねて公序を築いてきたEUの形成過程は、国際協調主義のあり方の参考となる等の意見が述べられました。
これらの参考人の御意見を踏まえて、質疑及び委員間の自由討議が行われ、委員、参考人の間で毎回活発な意見の交換が行われました。
そこにおいて表明された発言を小委員長として総括すれば、我が国の安全保障、国際協力等のあり方については、平和主義を掲げる日本国憲法や国際間の協力による平和の維持を目的とする国連憲章の精神の実現に向けて努力すべきであるとの指摘がなされる一方で、冷戦の終結、グローバル化の進展等急激に変化する国際情勢に日本が主体性を持って対処していくためには、従来の枠組みだけにとらわれることなく、より広範かつ多角的な観点から、憲法改正をも見据えた検討が不可欠であるとする指摘も多く見られたところでございます。
今後も、これらの指摘を踏まえ、国際社会における日本のあり方について、引き続き積極的に議論を深めてまいりたいと思います。
なお、詳細にわたりましては、論点メモ九十七ページ以降をぜひごらんいただきたいと思います。
以上でございます。