井上喜一の発言 (憲法調査会)
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○井上(喜)委員 いろいろな意見が今開陳されたところでありますし、会議録におきましてそれぞれのところが記録されておりますので、それらの点については繰り返す必要はないと思います。私は、どちらかといいますと、議事運営につきまして、私の感じたことを申し上げたいと思います。
まず、地方公聴会、この札幌の地方公聴会なんかを見ておりますと、あそこに出てこられました意見陳述人というのは、広い意味で北海道の人たちの意見を代表しているのかということについて、大いに私は疑念を持つ者でございます。地方で公聴会を開きます以上、その地方の特色が出るということは当然だと思います。それには、地方の平均的な意見といいますか、代表的な意見が開陳されるような、そういう運営、陳述者の選任、選択をぜひともお願いいたしたいと思います。
それから、二番目に感じますことは、私は、憲法は国の基本法であるということは言うまでもないわけでありまして、どういうような国をつくっていくのかという国の目標みたいなものがありまして、そういうのを前提として基本法の中にどういうものを入れていくかというような議論があってしかるべきだと思うんでありますけれども、地方公聴会なんかで聞いておりますと、必ずしもその辺のところがはっきりしていないというような感じを受けるわけであります。字面を読みまして、だからこうだああだというような議論をしている、そういう感じを私は受けたんであります。
したがいまして、議事運営といたしまして、どういう国家を目指すのか、どういう国家をつくるんだというようなことをぜひともはっきりさせてもらって、その上で意見陳述をしていただくような、そういうお取り計らいをいただきたい、こんなふうに思います。
それから、この憲法調査会の審議期間を一応五年といたしますと、その半分が過ぎたわけでありまして、いよいよ取りまとめの段階に入っていくと思うんであります。どういう取りまとめをされるのかはこれから議論されることであろうと思うんでありますけれども、取りまとめる以上、具体的な取りまとめじゃないといけないと思うんですよ。ただ審議をこうしましたということだけでは、この調査会としての責任を果たしたことにはならないと思います。具体的な取りまとめをするというようなことをイメージしながら、これから議事運営をやっていただきたいと思うんです。
これまで学識経験者のいろいろな御意見を聞いて各党それぞれの立場から質問がされております。これはこれで結構でありますけれども、大体それで終わっていると思うんですね。
私は、そこで、その時々の議事に応じまして、会長さんなりあるいは小委員長がテーマを特定しまして、議論を深めるというようなこともあってもいいんじゃないかと思うんです。単なる議事の取りまとめ、進行係をされるだけではなしに、このテーマはここでもう少し議論した方がいいだろうというようなことにつきましては、会長あるいは小委員長の責任においてその議題を取り上げ、さらに議論を深めていく、そういったようなことをぜひお願いいたしたい。そういうことをしなければ、どうも五年のうちにきちんとした憲法についての取りまとめができないんじゃないかということを私は恐れるからでございます。
以上であります。
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