2002-06-06
衆議院
高村正彦
憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会
高村正彦の発言 (憲法調査会国際社会における日本のあり方に関する調査小委員会)
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○高村小委員 田久保先生、きょうは、わかりやすくておもしろくてためになるお話をありがとうございました。
私の方から先生に質疑ができて、先生の方から私に質疑ができないというのはちょっとアンフェアだと思いますので、私の憲法九条についての考え方、なかんずく集団自衛権についての考え方を述べさせていただいて、それについて御批判をいただくという形で終わりたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。
二十二年前でありますが、私、初めて衆議院に当選したときに、ある新聞社から、憲法改正についての意見を聞きたい、こう言われて五分ぐらい話したんですが、それについて、その新聞社が非常に簡単に、三行ですが、まとめてくれた言葉が私の考え方そのままだな、こう思ったんです。憲法の平和原理を維持しつつ、自衛隊の存在を明記すべき、機は熟さずと。二十二年前の話であります。今聞かれたら、機は熟しつつある、こういうことを言いたい、こういうふうに思うわけであります。
憲法九条二項のあの文言の中で、自衛隊が合憲であるといって自衛隊をつくってくれた大先輩の勇気に私は大変感謝をしたい、こう思っているんですが、一方で、私、法律を学んだ者として、あの文言で普通の人が、中学生でも高校生でもあるいは普通の日本語を読む人が、自衛隊は陸海空軍に当たらないのという感じを持つことはやむを得ない、そういうじくじたる思いもあるわけであります。
そういう中で、自衛隊合憲、こういうふうにした方たちも、必要最小限の軍事力とか、そしてそこから、個別的自衛権はいいけれども集団的自衛権はだめよ、こういうことを言ってしまったんだ、こういうふうに思うわけでありますが、私は、あの文言からいえば、必要最小限というのはやむを得なかったかなと思います。ただ、その必要最小限という言葉から引き続いて、個別的自衛権はいいけれども集団的自衛権はだめよという言葉は必然的に出てこないだろう。集団的自衛権だって、必要最小限度の範囲で認めるべきだ。
アメリカ本土が攻撃されたのを日本が守るなんということは余りアメリカも期待していないでしょうが、例えば日本の周辺事態みたいな場合に、日米安全保障条約に基づいて米軍が行動しているような場合、第三国が米艦を攻撃した。日本は、守ってあげようと思えば守ってあげられるんだけれども、守らなかった。それで沈没してしまった。アメリカは世論の国だから、どういう反応をするかというのは火を見るより明らかである。
であるから、集団的自衛権、今一国だけで国が守れる時代でなくなってきている、それは日本だけじゃなくて。そういう中で、必要最小限というのは、集団的自衛権の範囲でも必要最小限はあってしかるべきではないか、最初からそういう解釈をすればよかったな、こういうふうに私は思っているわけであります。
ただし、現実の問題として、そういう解釈を政府はとってこなかったわけであります。これは何も内閣法制局がとってこなかったというだけでなくて、歴代の総理大臣も、私も含めて外務大臣も防衛庁長官も、そして内閣そのものが集団的自衛権はだめよということをずっと言ってきたわけであります。
これでは、ちょっと日本の安全保障、守るためにまずいのではないかな、こういうふうに私自身思うわけでありますが、ずっとそういうふうにやってきて、では、困るから、解釈改憲でいきましょうというのか。
国民的議論を巻き起こして憲法を改正する、そっちの方がはるかに大変で、トップがぱっと変えるというのはある程度簡単なんですが、私は普通の国という言葉は余り好きじゃないんですが、当たり前の国と私は言っているんですが、当たり前の国という場合に、安全保障の問題もあるんですが、日本が本当の意味の法治国家にならなければいけない。法に従ってやらなければいけない。法というのは、権力の側も拘束するわけですから。今までずっとそういう解釈をとってきたのに、必要だからぱっと変えてしまうというのは、私はそこにやはり問題があると言わざるを得ない。
本筋からいえば、やはり国民的議論のもとで憲法改正をしていく、集団的自衛権を認めるような形で。これは、自衛隊の存在を明記すれば、何もそんな集団的自衛権はだめよというような無理な解釈しなくてもいいわけでありますから、そういう形で憲法改正をしていくのが本筋だな、私はそういうふうに考えているんですが、先生の御批判をいただいて、それで終わりたい、こういうふうに思います。