松沢成文の発言 (憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会)

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○松沢小委員 それでは、現行憲法の条文と先生のおっしゃる国民内閣制で問題となるとすれば、先生は、参議院と議院内閣制の問題を挙げました。私は、あと二つの条文が非常に気になるところがあるので、そこを指摘させていただいて、先生の御見解をいただきたいんです。
 まず、今の憲法の第四十一条であります。国会は国権の最高機関であるという書き方がされているんですね。ただ、それと同時に、日本は民主政治の国であって、権力分立原則、簡単に言えば三権分立、これが憲法には同時にしっかりと書き込まれているんですね。ですから、立法府、それから行政府、司法府の中でさまざま、解散権があったり、あるいは違憲立法審査権があったり、それぞれこの三つの政治の主体が均衡とコントロールのもとに政治を運営していくという大原則があるにもかかわらず、国会が国権の最高機関だという書き方をしている。ここには、私は一つの矛盾があると思うんです。
 ただ、もちろん民主政治においては国民主権、主権在民が大原則でありますから、国民から直接選ばれている機関として国会、その国会に最高の権力があるんだという書き方はあるのかもしれませんが、これは極めて政治的なものであって、法的に憲法を考えるとおかしいんではないかという思いがありますが、その点についていかがお考えかということ。
 もう一点、国民の意思を政治に反映させるために選挙があるわけでありまして、この選挙が公正なものに機能しなければならないわけですね。
 そこで、第四十三条に、両議院は全国民を代表する選挙された議員でこれを構成するというふうにありますけれども、四十四条には、そこで資格を定めておりまして、議員、選挙人の資格は法律で定める、ただし、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産及び収入で差別してはならないと書いてあるんですね。
 ただ、私は、今ここで挙げたような項目での差別は、ほとんど今日本ではなくなっていると思います。一つ重要な差別が抜け落ちている。これは、居住地による差別なんですね。いわゆる一票の格差という問題であります。衆議院の小選挙区は、選ばれた議員が内閣総理大臣も選びますから、立法府での権限と同時に、行政府の権限もこの衆議院の総選挙というのは決めていくわけですね、間接的に。二つのオーガンの権限を決めていく。しかし、その選挙における格差が二倍以上ある。これまで二・五倍あったのが、今度格差是正をしても二倍をまだ超えてしまっている。簡単に言えば、一人の参政権が二人以上になっているわけですね。私は、こういう状況を残していたら、民主政治とは言えないと思います。
 ですから、もし新しく憲法をつくり直すとしたら、この中に、居住地における差別はしてはならない、あるいは選挙区選挙における一票の格差は例えば一・五倍以内にするとか、憲法の中にしっかりとそこまで書き込まない限り、これはあくまでも政治的な、恣意的なもので格差が是正されないで終わっていく。ここが私は日本の民主政治の大きな欠点だと思っていまして、この四十四条をどうとらえるか、一票の格差の是正を憲法にしっかり組み込むということをどうとらえるか、先生の御所見をいただきたいと思います。

発言情報

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発言者: 松沢成文

speaker_id: 17799

日付: 2002-02-14

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会