2002-02-14
衆議院
中山正暉
憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会
中山正暉の発言 (憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会)
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○中山(正)小委員 現憲法は、アメリカが日本に押しつけた憲法なんですが、アメリカが日本にこの憲法を押しつけたときには参議院はなかったと聞いています。昔の貴族院を懐かしむ人たちが、何とか参議院をつくってくれということで申し入れ、不思議なことに、マッカーサーはこれだけは言うことを聞いて、参議院をつくってしまった。今、与野党が、参議院の場合は薄氷を踏むような状態でして、何か参議院の参というと、降参の参という字に私なんか見えるんですが。
先生、私、実は十一日に虎ノ門ホールで行われた建国記念日に、私が開会の辞をやったものですから、小泉総理大臣の前で、今月十八日に米国大統領ブッシュさんが来るのならば、ブッシュさんに、どうだろうか、日本がもう経済も力がなくなってきた、これは、企業が悪いことをする、それから官僚が悪いことをする、税務署をやめた人が脱税する、その根源は、私は、愛国心や国に対する誇りみたいなものがなくなったからじゃないかしら。
一九一〇年に発効した陸戦ノ法規慣例ニ関スル条約、ハーグ条約には、相手の国で陸上戦闘を行って占領をしても、その国の法律や条例を変えちゃいけないという、いわゆる陸戦法規慣例条約という条約があるのに、日本にこの憲法を押しつけた。
だから、どうだろうか、長年、憲法を押しつけたことを黙秘し続けた米国のブッシュさんが来たら、一番先に、情報公開法で、ほとんどの情報は二十五年たつと全部公開するわけですから、永久秘密になっている真相を公開してはどうかと要求するべきだと言いました。
この憲法の問題というのは、大変、何かにつけて、不審船が来ても、何かわけのわからないことを言っています。そういうことからすると、日本の安全の問題は原点の解明にあると思います。今までいろいろな御質問がありましたが、私は安全の問題で、先生、どういうふうに考えておられるかお伺いしたいと思います。
日本最初の首相伊藤博文は、グナイストというドイツの学者のところへ憲法を習いに行って、明治維新後の日本はどうして治めたらいいだろうかと聞いています。グナイストが、おまえたちの村にはみんな氏神様があるじゃないか、その氏神様の頂点が天皇様だと言って、天皇制を中心にして日本を統治したらどうかということをドイツの学者に教えられた。それで、帰ってきてから、明治憲法第三条に「天皇ハ神聖ニシテ侵スヘカラス」。総理大臣の名前がないんですね。総理大臣、首相という言葉は条文の中に一つもありません。
だから、統帥権干犯の問題も、大臣は天皇の臣だということで、それを条文にない総理大臣が勝手に軍縮協定を結んだとして、統帥権干犯だと陸海軍人が反発しました。そして、自由主義者たちの努力で、いわゆる日露戦争の戦費は十八億かかっていますが、そのうち、クーン・ロエブとかシフとか、英国の財団から借りたものが六億だった。その六億を借りてきた高橋是清とか、いわゆるアメリカや英国と親しい政治家たちが二・二六事件で全部殺されてしまいました。軍隊に文句を言えなくなった政治家の哀れな姿があったと思います。
それを考えると、今のこの日本国憲法には、先生、改正反対だとおっしゃいましたが、これはどうでしょうか。
「国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。」と言っていますが、最近、中国の二人の空軍大佐、喬良という人と王湘穂という人が「超限戦」、限界を超えた戦争という本を出しています。これは共同通信さんが出していますが、これを読みますと、戦争の形は、何か戦争の民営化みたいな話でして、どことでもどこででもやるぞと。東京の地下鉄サリン事件などに触れて、実に注目に値するなんてことが書いてあるわけですね。
中国の憲法なんか見てみると、中国憲法は、五十五条に、祖国を防衛し、侵略に抵抗することは、中華人民共和国のすべての公民の神聖なる責務である、法律に従って兵役に服し、民兵組織に参加することは、中華人民共和国公民の光栄ある義務である、こう書いてございます。
それから二十九条には、武装力の帰属・任務及びその強化、中華人民共和国の武装力は、人民に属する、その任務は、国防を強固にし、侵略に抵抗し、祖国を防衛し、人民の平和な労働を守り、国家建設の事業に参加し、人民への奉仕に努力することである、国家は、武装力の革命化、現代化及び正規化の建設を強化して、国防力を増強する、こう書いてあります。三百十万の軍隊と二十四発の原子爆弾と五十四回の実験をやっていますね。
イタリア憲法はどうかというと、イタリア憲法も、日本とドイツとイタリアは一緒に戦争に負けたわけでございますが、アメリカは、日本にはポツダム・デクラレーション、宣言、同じく負けたドイツにはポツダム・プロトコール、議定書というふうに別の扱いをしています。ですから、防衛関係も、アメリカ軍が日本にいたから心配ないと押しつけた憲法は発想が違うのでしょう。
イタリア憲法にも、十一条に、戦争の否認、主権の制限と書いてございますが、五十二条には、祖国の防衛、それから兵役の義務なんて書いてあります。ところが、日本は何もないんですね。特にイタリアは、おもしろいのは、十八条に秘密結社禁止条項というのがあります。イタリアの秘密結社禁止条項というのは、イタリアはマフィアがいますからね。第二項、秘密結社及び軍事的性格の組織により、直接間接に政治目的を追求する結社は禁止される、こう書いてあります。
日本は、破壊活動防止法で、オウム真理教を解散団体に指定できないんですね。それが、今度「超限戦」、限界を超えた戦争の時代は何でもありというか、どこで何が起こるかわからぬぞと指摘しています。我々がこうしているときに、窓の外でぴかっと光ったら核攻撃であった、そんなことが起こるかもしれません。今、旧ソ連のアタッシェケースに入るような原爆が、百四十何箱のうち四十数個が行方不明だとアメリカは気にしています。そんなときに、先生、このままの憲法で一体どう考えればいいんでしょうか。
先生は、憲法を改正する必要はない、それはのんきに、国民投票で内閣をつくったり何かするのも結構でございますが、何が起こるかわからないときに一番大事なのは、やはり国防と治安と外交と教育の中身、この四本の柱が国家の基本の柱だと私は思いますので、ちょっと形を変えた話で恐縮でございますが、きょうは全く出ていない話でございましたので、どんな新しい方法によっても、内閣ができたときには、日本の安全をどう確保したらいいのか、どう超限戦に備えるのか、国民に問うと今までの平和ぼけがありますから、なかなか難しい問題だと思っているんです。ですから、はっきり政治の世界で、憲法をどう考えればいいかということを基本にして物を考えていかなければならない、それから国民の説得です。
私は、都市出身でございますから、今公明党さんが出している三人、百五十選挙区というのは大賛成でございます。私は、日中条約が国会に提案されたとき、中国は二つあるのに何で一つを否定するんだろうと思って、外務委員会ではたった一人で反対しました。衆議院本会議に出席して反対したのは、中山正暉、浜田幸一、林大幹、参議院で玉置和郎、源田実、このたった五人でございました。二人死んで、二人やめましたから、私一人しか残っていません。私は、これがあのころがもし小選挙区ならば、日中ブームの最中の反対ですから落選していると思いますよ。それから、自民党というのは、生産者米価のときには幾晩も徹夜で決めるんですが、消費者米価のときは一時間で決まってしまうんですね。
そんな中で苦労して生き残ったのは、やはり五人を選ぶ中選挙区で九回やりましたからこそで、私なんか、今では十一回、三十三年間、この国会に連続しておらせてもらったのだと思っています。私は中選挙区論者であることを前提にしながら、この憲法、先生はこのままでいいとおっしゃっていますが、アメリカから押しつけられた憲法でそのままでいいとおっしゃる議論のうちから、防衛というものをどう考えられるかということを一言聞きたいと思います。