2002-05-23
衆議院
中山正暉
憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会
中山正暉の発言 (憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会)
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○中山(正)小委員 私は、昭和四十四年から国会におらせていただいておりますが、その中でちょっと疑問に思ったことをこの際指摘しておきたいと思うんです。憲法九十八条の二項、「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする。」
日中条約のころのことなんですが、日中条約というのは、御承知のように、一九五二年から日本と中華民国との平和条約がありました。これは、一九七二年、廃棄されるときに、大平外相が記者会見で廃棄したんですね。これは永久条約で、期限がなかった。私はそのときに非常に疑問に思って、一秒間の国会審議にもかけずに永久条約を廃棄するとはどういうことかと疑問に思いました。
そういう意味で、私は、そのときの外務委員会で、私たった一人でしたが、日中条約に反対をしました。それから、本会議、衆議院で、出席して反対したのはたった三人でした。それから、参議院では源田実、玉置和郎、衆議院では中山正暉、浜田幸一、林大幹、両院を通じこの五人が出席して反対しました。おかしいではないかと言う理由は、新しい条約は、日本が戦争に負けて四年たった昭和二十四年の十月の一日に建国をした中華人民共和国と、戦争を終わらせる、世界に一つしかない平和友好条約、過去と未来を結ぶ条約を結んでいいのかとの趣旨からです。
総理大臣に、一人十五分、総理官邸の小食堂で、六人でしたが、一人十五分意見を言えというから、私は福田総理にそれを言いました。あなたは、戦争を終わらせる平和条約というのを、戦争が済んで四年もたってできた国と、平和条約という戦争を終わらせる条約を結ぶのはおかしいとは思いませんか、我々は中華民国という蒋介石の政府と戦争をしたはずだと。
その国とは、御承知のように、ビルマというところでハーレーという公使とスティルウェルという将軍がいて、これが蒋介石に、おまえたちは日本と戦っていないから毛沢東と結ぶと言われたときに、蒋介石は、それでは日本と和睦するぞと言ったんですね。それが原因で、蒋介石はヤルタ秘密協定にも参加していませんし、ポツダム会議にも、連合国の中にありながら全く参加させられなかった。
そして、結果的には、新中国の外交戦略が成功して、永久条約が記者会見で破棄されたということです。私は、こんなことが二度とあってはいけないんじゃないかと。私は、二つ中国があるではないか、一つだと言うからおかしいではないですかということで随分議論をしましたが、そのころは、まるで大きな力が働き、犬はほえる、されどキャラバンは進むという形で、私どもはキャンキャンワンワンほえましたけれども、キャラバンは進んでいきました。
その結果が、今の中国との瀋陽事件等で、日本が非常にばかにされる原点だと思います。私は世の中の進歩のぐあいはわかっています。わかっていますが、私は、こういうときにこそ、もう一度、日本国憲法のこういう条項を再認識するべきです。堂々と吉田茂総理大臣が、単独で中華民国との平和条約を結びました。サンフランシスコ平和条約には、御承知のように、英国は中国を出そうとした、アメリカは台湾を出そうとした。その両方がぶつかったために、サンフランシスコ平和条約には両中国は出ていません。
先般、九月の五日から七日まで、土井たか子先生と私と二人でしたが、韓国で、日本におられる崔相龍大使の御推薦で国際フォーラムに参加し、韓国へ行って議論したときに言いました。八月十五日になぜ総理大臣が靖国神社に参るかという話が向こうから出ましたから、あれは戦争に負けた日ですと。
日本は戦争に負けたときに、岡村寧次という支那派遣軍の司令官は、日本の参謀本部に対して、おまえたちはアメリカに負けたのならばアメリカにだけ手を上げろ、おれたちは中国では戦争に勝っているから続けてやると言って、結局、暴に報いるに徳をもってするといった蒋介石の言葉で決断し、中華民国何応欽将軍に、降伏文書にサインして提出したのが上海で九月の十二日だと。だから、あなた方に価値のある日は九月の十二日、アメリカの日本に対する戦勝記念日は九月の二日、ソ連の戦勝記念日は九月の三日。八月の十五日は終戦の日であり、それ以上の意味がない。開戦の日、十二月八日に参ったらお怒りになって結構でございますと言いました。反対はありませんでした。
ですから、その意味で、この憲法解釈という中での条約等の解釈に、そういうときに裁判所がしっかりしていたら、私は、手続も経ず、間違って永久条約を破棄するような結果にはならなかったと思っております。
以上です。