八木秀次の発言 (憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会)

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○八木参考人 なかなか難しい御質問でありますけれども、明治憲法は、一応、名目上は天皇の大権にするわけです。しかし、実質の部分は大臣があるいはほかの輔弼者が担当しているわけです。先ほどヘルマン・シュルツェの理論を出しましたけれども、これは、名目として、主権の体は天皇が握るとしているわけです。しかし、主権の用、これは実質の部分なんですが、これはその輔弼者が担当する。
 現行憲法も実は名目と実質と分けてはいるんです。国事行為は、これは名目なんですね。しかし、例えば内閣総理大臣は国会で指名をされますが、天皇の認証を受けなければ内閣総理大臣になれません。国会の指名が実質行為なんですけれども、名目的な行為として、憲法上は天皇の任命を必要とするわけです。
 このように、現行憲法においても、現行憲法は明治憲法と比べると大権事項ははるかに少ないんですけれども、しかし、それでも名目として、天皇の現行憲法で言う国事行為、これは残しているということですね。これを使い分けているというところが立憲君主制の妙といいますか、その部分だと思うんですね。
 それと、最後は、これが一番難しい問題でありまして、むしろ日本国憲法に盛り込まれているものはかなり充実したものがありますので、ただ、例えば安全保障の面だとか、あるいは前文のところだとか、あるいは天皇を果たして象徴というふうに表現するかだとか、そういったところ以外の問題は、内容としてはかなり熟してきているとは思うんですね。
 ほかに政教分離の問題等、解釈が分かれるところがありますので、その辺のところをすっきりさせるとかいろいろとありますけれども、一応、明治憲法と日本国憲法とを置いて、両方を認めた上で、その上で今後の新しい時代に足りないところは書くとか、あるいは、歴史と伝統ということを私は強調しておりますけれども、国柄ということを強調しておりますけれども、その部分を前文あたりで確認する。我が国は、戦後できた国ではなくして長い歴史と伝統を持った国であるということをわかるように書く、そういう作業が必要であろうと思います。

発言情報

speech_id: 115404190X00520020704_023

発言者: 八木秀次

speaker_id: 12834

日付: 2002-07-04

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会政治の基本機構のあり方に関する調査小委員会