伊藤公介の発言 (憲法調査会地方自治に関する調査小委員会)
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○伊藤(公)小委員 自由民主党の伊藤公介でございます。
大変貴重な御意見をいただきまして、ありがとうございました。いろいろな意味でこれから参考にさせていただきたいと思います。
ところで、私はかつて自治省の政務次官で、当時、三千二百三十二市町村にいろいろな算定をして補助金をつけるという仕事をしたこともございました。その後、国土庁で仕事をさせていただきまして、いわゆる日本全国どこでも平等に、均衡ある国土政策を推進するというような仕事もさせていただきました。
特に国土政策では、かつて列島改造論、田園都市構想、定住圏構想あるいは多極分散型の国土政策などなどございまして、それぞれ歴代の内閣で、そうしたどこにでも公平に皆さんが住めるような国土政策というものを進めてきたと思うんです。
しかし、実際に私、そういう経験の中で全国を歩きましたときに、何か日本という国がみんな画一的になってきてしまったのではないか。北海道から沖縄まで、どこに行っても、デニーズやすかいらーくが悪いわけではありませんけれども、同じようなものがあって、小学校、中学もみんないわゆるマッチ箱を縦にしたか横にしたような、何の変哲もない、そういうようなどこでも同じような光景になってきた。
そういうことを振り返ってみると、中央集権で国が決めた全国画一的ないわゆる補助金制度といいますか、そういう中で、全国、決められた基準で公民館をつくり、学校をつくってきた、そういうことが、日本のそれぞれの地域の魅力、あるいは伝統とか歴史とかそういう個性のある町づくりというものをある意味では失わせてきたのではないかということも思うわけであります。
ところで、先生のいろいろなお話の中にもございましたけれども、町村合併は、さまざまな今日の時代の変化あるいは財政、そうしたことを考えたときに、私もかなり積極的に進めるべきではないかという先生と同じ立場に立っているわけでございますけれども、かつて、一八八八年、明治二十一年には七万もあった自治体が、昭和の大合併によって、二十八年から三十六年に、先ほど先生のお話にありましたけれども、三千四百七十二の市町村になったということは、三分の一に少なくともなったわけであります。ところが、平成十四年の二月の数字を見ますと三千二百二十三ということでありますから、その後の合併は、総論賛成、なかなか具体的には合併が進まなかったという数字だと思います。
なぜなかなか合併が難しいのか。先生のお話にも、また先生のいろいろな著書の中にもございまして、私もいろいろ参考にして読ませていただきましたけれども、私は、一番大きな問題は、税財源あるいは補助金の制度、やはりこういうところに根本的な問題があるんじゃないかというふうに思うわけであります。
私たちはいろいろな地方分権の努力をしてまいりました。地方分権推進一括法によって、御案内のとおり機関委任事務制度が廃止をされました。しかし、そういう方向は示されましたけれども、先ほどお話にもございましたけれども、地域の財源に踏み込まなければ根本的な地方分権というものは進まない、また合併ということもなかなか難しいんじゃないかというふうに思うんです。
各自治体のいろいろなあれを見ますと、私、選挙区は東京なんですけれども、生まれたのは長野県の高遠町という、私の村は今大変な過疎、超過疎の村である。その高遠町の平成十四年度の予算を見ますと、五十三億一千五百五十六万円の一般の予算の中で、町の税金は何と五億七千百九万円なんです。自主財源は一〇・七%でございます。私は東京が選挙区と申し上げましたが、東京のかつての中選挙区の選挙区ですが、檜原村は、今年度二十六億九千二百万円ですが、税収はわずかに二億三千三百九十二万六千円、自主財源は八・六九%でございます。全国いろいろなケースがありますが、きょうの小委員長の保岡先生のふるさとの県でございますが、鹿児島県の三島村、ここは今人口四百人ちょっとでありますが、自主財源は何と一・六六%でございます。
こういうことを考えますと、そういう例えがいいかどうかわかりませんが、ある意味では、私たちの暮らしでいえば生活保護のような市町村がたくさんあるわけですね。それを、国から、県から、都から税金をどのくらい持ってくるかということが評価されていた時代はもう終わりで、むしろ、どうこれを改革していくかという大変大きな局面に来ているのではないかというふうに私は思います。
国は今さまざまな構造改革に大胆に取り組んでおります。百十四万人と言われた国家公務員は十年間で二五%削減をする。しかし、この日本の国の構造改革の大事な点はむしろ地方でありまして、地方の公務員は三百万人弱いるわけですから、そういう意味では、国の三倍もの地方公務員をこれからどうするのかということが大変大事な問題だと思います。
特に、国と地方の借金が多いということは常に言われているわけでありますけれども、今年度中には国の国債残高は五百二十八兆円、地方も百九十五兆円になるというわけですから、我々はもう待ったなしのときに来ているように思うわけであります。この税財源や補助金制度というものを大胆に見直さなければ、私は、町村合併も進まないし、地方分権も進まないのではないかと思いますが、先生の御意見を伺いたいと思います。