福島豊の発言 (厚生労働委員会)

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○福島委員 公明党の福島豊でございます。
 今般の健康保険法改正案等につきましては、現在までに五十時間に及ぶ質疑を当委員会では行ってきたわけでございます。また、参考人質疑に加え、昨日は地方公聴会を行い、充実した審議がなされました。その質疑においては、与野党の厚生労働委員会のメンバー、また参考人、公述人の方々からさまざまな御意見をお聞きすることができたわけでございます。
 その意見は、本法案について必ずしも賛成ということではありません。また、私も、医療保険財政の状況が許すのであれば、国民により多くの負担を求めることは避けなければならないと思います。しかしながら、高齢化の進行と長引く経済の低迷により、医療保険財政が危機に瀕している現在、改革すべきは改革することが国民皆保険を維持するためには避けることができない、このように考えます。そして、与野党を問わず、国民共通の価値である皆保険制度の維持のために最終的な判断を下すべきであると考えております。
 同時にまた、委員会の質疑の中で指摘されたさまざまな事項について、見直すべきは見直すことも必要であろうと私どもは考えております。この点については、野党の皆さんから具体的な御提案をこの委員会でちょうだいできなかったことはまことに残念であると思っております。
 本日は、総括的な質疑ですので、こうした諸点についてお尋ねをしたいと思います。
 本委員会の質疑で繰り返し指摘されたことは、抜本改革なしに国民に負担のみを求めることはおかしいという指摘でございました。
 平成九年の医療制度改革において、医療制度の抜本改革として、診療報酬体系の改革、医療提供体制の改革、高齢者医療制度改革、薬価制度改革の四つの改革が示されました。その一つ一つの課題について、今まで何もされていないのではないかという指摘であったかと思います。しかしながら、この点については、議論の正確さを期すという点から、事実とは異なると言わざるを得ないと私は考えております。
 薬価制度改革では、薬価の算定方式を見直すことにより、いわゆる薬価差益というものは確実に解消されつつあります。また、医療提供体制の改革では、平成十二年に第四次医療法の改正が行われ、一般病床と療養病床の区分がなされるなど、改革が進んでいることは事実でございます。また、診療報酬体系の見直しでは、包括化の拡大を初めとする一定の改革がなされ、十四年の改正では、是非はありますけれども、いわゆるDRG・PPSに倣った方式の一部導入など、複合的な取り組みが進められてきたことが指摘をできるわけです。
 高齢者医療制度の改革については、本法案に盛り込まれた対象年齢を七十歳から七十五歳へと段階的に引き上げること、並びに一割定率負担を完全に実施することは、老人保健制度が創設されて以来の大きな改革であるということが指摘をできると思います。このような取り組みの個々の政策判断については是非もありますけれども、何もなされなかったという指摘は決して正しくないと私は思っております。
 また、当委員会において繰り返し抜本改革という言葉は発せられましたけれども、いかなる医療制度の改革、医療保険制度の改革を意味するのかを明示的に示しての発言は、残念ながら少なかったのではないかと私は思います。また、そうした改革が結果として医療保険制度にいかなる影響を及ぼすのかについて示されることも、また残念ながら少なかったと言わざるを得ないと思います。
 ただ、一方では、現在の医療制度が真に理想的かと問われれば、そうではない、まだまだ改革が必要であるということを言わざるを得ないことも事実であります。そしてまた、日本の医療保険制度は、少子高齢化という人口構造の急速な変化と長引く経済の低迷、そして国家財政の危機という、医療制度の外の三つの大きな要因によって挑戦を受けております。そのことが絶え間のない改革の圧力を生み出しており、こうした課題についても対応していかなければなりません。その意味で、本法案の附則に示された諸課題について着実に取り組みを進めていくことが要請されております。
 いずれも大きな課題でございますけれども、まず初めに、新たな高齢者医療制度の創設について申し上げたいと思います。
 現在の医療保険制度の財政が危機に瀕している最も大きな原因は、増大する高齢者の医療費を賄う老人保健拠出金の負担であると指摘ができます。本法案では、先ほど申し上げましたように、老人保健制度の対象年齢を七十五歳へ段階的に引き上げるとともに、公費負担割合を五〇%へと段階的に引き上げる改革が盛り込まれております。
 新たな高齢者医療制度を考えるときに大きな要素は、まず高齢者を一般の医療保険制度の中で若人と区別して位置づけるのか、またそのように位置づけるとすれば、だれがどのようにその医療費の財源を負担するのか、それは税なのか保険料なのか、また自己負担なのか。さらに、若年世代の支援をどの程度求めるのかという点、またさらに、どのような財源負担方式をとるにしても、増大する高齢者医療費の増加を適正な水準に保つことが避けられず、これをどのように行うかという点があります。
 老人保健制度自体は工夫された制度であると思いますけれども、高齢化率が三〇%を超えるような状況まで果たして維持できるのかわかりません。本年度中に示される基本方針は、こうした将来を見通すものであるべきと私は考えております。
 基本方針を定めるに当たって、どのような考え方のもとに作業を進められるのか、厚生労働大臣に答弁を求めます。

発言情報

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発言者: 福島豊

speaker_id: 32718

日付: 2002-06-14

院: 衆議院

会議名: 厚生労働委員会