植田至紀の発言 (財務金融委員会)

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○植田委員 私は、社会民主党・市民連合を代表して、銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案に反対の討論を行います。
 そもそも私どもは、本法案が制定される際に、この機構を設立するに当たって、株式資本主義と市場経済の理念も有効性も欠いていると厳しく批判をした上で、いわば合法的な飛ばし行為に近い手法であり、金融システムの安定化に名をかりたPKOと言わざるを得ないと断じてきたところであります。
 以下、主な反対理由を述べます。
 第一に、そもそも私どもは、本法案の制定時の審議の中で、銀行等保有株式取得機構について、同機構による株の買い取りのために借り入れる資金には政府保証がつけられるという、精算時点で銀行からの拠出金で損を埋めなければ政府が穴埋めをする公的資金が投入されるというスキーム自体に、何らの責任もない国民に負担を強いるものであると強く反対してまいりました。また、売買に伴う損失を政府が負担をするということは、市場原理から見ても疑問があり、株の値下がりまで税金で補償することは筋違いな措置であると厳しく批判をしてきたところであります。
 しかし、実際の機構の買い取り状況を見ると、一般勘定と特別勘定の二つのスキームのうち、一般勘定はほとんど活用されず、政府保証がつけられる、すなわち国民の税金が注ぎ込まれることが前提の特別勘定による買い取りが中心というのが実態であることが既に明白であります。
 第二に、株式持ち合いの解消は確実に進んでおり、自由な株取引で適正な株価を決めるという市場の大切な機能を損ないかねない、改正案のようなスキームが必要であるというような立法事由が存在するとは考えられません。
 第三に、そもそも銀行等保有株取得機構は、その制度の複雑さや利点も少なく、同機構の発足以来の買い取り実績も当初期待値よりもはるかに少額であります。機構のスキームを論議する過程の中で、一般事業法人の保有する銀行株を同機構の買い取り対象に加えるというスキームは、株価維持策と見られかねないという理由で一たん否定されたものであります。それがゾンビのように復活するというのはまことに不可解であります。
 機構の置かれている現状を解消することなく、機構本来の設立目的も有効に果たしていないまま買い取り対象を一般事業法人の保有する銀行株に拡大しても、肝心の一般事業法人がどのくらい機構を活用するのかも不透明なままであります。それどころか、本機構の設立時も問題とされたように、機能を広げ過ぎると海外の市場関係者等から株価維持策と見られることは必定でありましょう。
 第四に、生損保が機関投資家として多くの銀行株を保有していることは周知の事実であり、一方、銀行も基金と劣後ローン、劣後債の形で生損保へ拠出しております。銀行と生損保の危険な持ち合い構造は、金融危機の連鎖構造に連動するものです。生損保は大手銀行にとって超大口融資先であり、破綻となればあっという間に金融危機につながる可能性があり、提案者の言うように非対称性を解消し、株式持ち合い解消の動きに対応するためというのであれば、一般事業法人の保有する銀行株に着目するより、まず、生損保保有の銀行株こそ問題にすべきであります。
 第五に、我が国市場の株式の持ち合い構造を根本的に解消するというのであれば、取得機構の買い取り対象の範囲を広げるというつけ焼き刃的な、小出し的な施策ではなく、いかにして効果的な株式市場の活性化が実現できるのかという視点からの抜本的な施策にこそ知恵が出されてしかるべきではないでしょうか。
 以上の理由により、本法案には反対するものであります。(拍手)

発言情報

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発言者: 植田至紀

speaker_id: 22441

日付: 2002-07-19

院: 衆議院

会議名: 財務金融委員会