原陽子の発言 (本会議)
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○原陽子君 社会民主党の原陽子です。
私は、社会民主党・市民連合を代表し、特例公債法案及び租税特別措置法案に対し、塩川財務大臣並びに柳澤金融大臣にお尋ねをいたします。(拍手)
まず、柳澤大臣にお聞きいたします。
小泉総理は、十四日、大臣に、金融システム安定化策を指示されました。ペイオフ解禁の四月までに、過剰債務を抱える企業への銀行の貸し出し状況についての特別検査を一層厳格化するように、また、その検査結果を公表するように指示したと伝えられております。大臣は、国民の判断材料となるような、わかりやすい公表の仕方を、いつまでに、どのように確立するおつもりでしょうか、お答えください。
政府が情報を抱え込んだままでは、国民からは、全く議論が見えず、また、各閣僚が何をどう判断し、意見が分かれているのか、理解ができません。検査結果を公表することは、ペイオフの解禁に直面する国民の財産を守る上で、金融行政が果たさなければならない最低限の責任ではないかと思います。御見解をお聞かせください。
続けて、金融機関への公的資金注入について、柳澤大臣にお尋ねいたします。
ペイオフを前提とした情報公開は、公的資金注入についても必要不可欠な、金融行政の責任ではないでしょうか。監督官庁の不作為はもちろん、銀行側の経営責任が問われる事態であることは、だれの目にも明らかです。しかし、それらがだれの責任なのか、全く明らかになっておらず、だれも責任をとっておりません。
公的資金は、九八年三月に二十一行、九九年三月に十五行、投入されています。後者は、柳澤大臣が金融再生委員会の初代委員長をお務めになっていたときで、投入額は七兆円を超えました。二十一行の責任、十五行の責任、そして、当時の大蔵省及び金融庁の責任はどうとられたのか、お答えください。このことが総括できずに公的資金が再び投入されては、国民は納得がいきません。柳澤大臣の明確な総括を求めます。
今後、新たに公的資金が投入される場合、前回よりさらに厳しく、経営責任及び行政責任が問われることになるのが当然です。柳澤大臣のお考えをお聞かせください。
次に、塩川大臣にお尋ねをいたします。
今後、経済対策や社会保障関係費の増大で、必要な歳出が増加するのは明らかです。三十兆円枠を堅持するのであれば、来年度予算案の組み替えしか道はないと思われますが、その準備はおありでしょうか。
少子高齢化の中、税金の投入が必要とされる分野も、いわゆる箱物の公共事業から、福祉、医療、食の安全、環境などへと変化をしてきています。三十兆円の枠に意味があるのではなく、国民生活の質の向上に向けた使われ方が問題です。
ところが、総理は、三十兆円を強調するばかりで、肝心のビジョンが見えません。一体、今回の特例公債で、小泉内閣は何を目指そうとしているのでしょうか。
高齢者マル優は、来年から段階的に縮小し、二〇〇五年に全廃することが打ち出されています。財務官僚の間でも、お金を持っているのは高齢者であるという認識があるようです。あるところから取るという発想だと思いますが、高齢者がお金を蓄えているのは老人福祉の貧困が原因であるという認識を大臣はお持ちでしょうか。高齢者福祉をどうするかではなく、税収をどう上げるか、だれから搾り取るかという発想がこのような政策に結びついているのではないでしょうか。
高齢者福祉を充実させ、暖かな太陽で高齢者を包み込む前に、マル優廃止のような冷たい北風を吹かせることが、小泉内閣の意図なのでしょうか。マル優廃止が必要であるにしても、所得と資産への公平な課税体系などを議論、精査することが先決ではないでしょうか。
塩川大臣は、一月十一日の会見で、国税に関して、直接税と間接税の比率の是正がこの際考えなければならない大きなテーマの一つだと述べられました。その発言からも、税金を国民からどう搾り取るかという発想しか見えてきません。
ところが、国民が今、注視しているのは、外務省のODA、大使館の渡切費、BSE対策としての牛肉買い上げ制度の甘さからきた悪用、口ききと談合による高値の事業費など、税金の使われ方ではないでしょうか。税金の誤った使い方を是正する前に、税収が足りないと言っても、国民の行政不信、国会不信を招くだけだと思われます。大臣の御見解をお願いいたします。
塩川大臣のこの御発言については、連立与党の野田保守党党首が、こんな虫のいい話はない、悪税、貧乏人いじめの税になってしまうと、一刀両断されています。野田党首の発言をどのように受けとめておられるでしょうか。
最後に、塩川大臣に、緑についてお尋ねをいたします。
私は、日ごろ、環境委員をしておりますので、緑を緑として国の政策として守ってほしいという声が多く寄せられます。例えば、神奈川県横浜市の住民の方からは、田や林から成る素朴な谷戸が墓苑事業で破壊される、埼玉県朝霞市の住民の方からは、美しい森を市が買い取るはずだったのが、油断している間に大手の不動産屋さんに買い取られてしまったなどといった声です。
今、身近な里地、里山は、生物多様性の宝庫として保全されるべき、世界的、国民的な財産です。あらゆる手段で守らなければならないのが自然環境であるとするならば、その社会的な価値を引き継ぐために、相続税や贈与税も検討の対象となるべき時代に来ていると確信しておりますが、大臣の見解をお示しください。
今回の租税特措法では、一定の山林について、相続税の課税価格が五%減額されることになりましたが、今後、減額幅をふやし、対象地もふやしていく必要があるのではないでしょうか。
なぜ、諫早干拓事業がとまらないのか、なぜ、東京と名古屋の間に静岡空港が必要なのか、なぜ、関西空港と伊丹空港がひしめく空港密集地に神戸空港が必要なのか、なぜ、川辺川ダムを初めとし全国各地で数十年も推進されてきたダム事業がその必要性を失ってもなおとまらないのか、国民は、日々考えておりますし、厳しい目で見ております。
私たちが次の世代に残すべきは、豊かな質的な幸福であって、国債という名の多額の借金であってはならないはずです。もし、小泉内閣が特例法で借金を重ねるのであれば、それによって何を実現しようとしているのか、今こそ明らかにされなければ、国民の支持率はさらに落ちていくことは間違いありません。
以上、両大臣からの明確な御答弁を期待して、私の質問を終わりとさせていただきます。(拍手)
〔国務大臣塩川正十郎君登壇〕