荒井聰の発言 (本会議)
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○荒井聰君 民主党の荒井聰でございます。
民主党・無所属クラブを代表して、日本郵政公社法案、民間事業者による信書の送達に関する法律案並びに関連する諸法案に対し、総理大臣及び関係大臣に質問をいたします。(拍手)
まず、総理にお尋ねいたします。
公共事業にかかわり特定の業者の便宜を図り、その業者から政治資金を得るといういわゆる口きき、秘書給与の流用などなど、政治と金にまつわる政治不信は極に達しているとの感があります。政治家に信なくば、重要法案、中でも国民の痛みを伴う法案など、理解を得ることは不可能でありましょう。
そこで、我が党は、公共事業受注者からの政治献金の禁止を骨格とする法案を提案しております。総理も、いっとき、この考えと同じ考えをお持ちだったと伝えられておりますが、現在の総理の考え方はいかがでありましょうか。
また、政官業の癒着構造が政治不信の根幹にあると思いますが、人事院は、高級官僚の関係民間業界への天下りを制限しておりますが、しかしながら、一方では、関係業界を背景とした国政への立候補については、何ら制限を加えておりません。郵政事業関係では、近畿郵政局長であった高祖氏が立候補し、大量の選挙違反者を出したことは、記憶に新しいことであります。
そこで、高級官僚の国政、なかんずく参議院の比例区への立候補を、せめて民間業界への再就職と同程度並みに規制すべきと考えますが、総理のお考えをお聞かせください。
さて、今回の法案についてですが、異例ずくめであります。もともと、これら法案の目的は、民間企業と競争し、効率的で質の高い郵政事業を国民に提供することであったはずであります。しかるに、この法案が閣議決定された四月二十六日、まさに同じ日に、唯一参入の可能性があり、その期待をされていたヤマト運輸は、民間企業が斬新かつ柔軟な発想に基づいて公正な競争を展開することは望み得ないとして、現状では信書便事業に参入しないとの方向を打ち出しております。内閣の中には、民間が参入できなければこの法案は意味がないとの見解を持っておられる方もいるようでございます。
民間企業の参入許可、事業計画認可について、郵政公社を抱える総務省が行うことになっておりますが、本当にこれで公平で公正な判断ができるとお考えでしょうか。ヤマト運輸は、本法案を、民間企業の一挙手一投足すべてを総務省が許認可する、いわば民間官業化法案と断じております。
民間が参入できないとされていることからして、この法案に意義があるのかどうか、総理はどのように考えておられるのか、見解をお示しください。
また、年来の総理の主張である、巨大化した郵便貯金、簡易保険が我が国金融市場をゆがめており、また、その資金を原資とする財政投融資制度が特殊法人改革をおくらせているとの認識は、私も同様の見解を持っていますが、今回の法案では、預入限度額の引き下げなど、郵貯、簡保を適正規模にしようとの改善の方向が見当たりません。この点に関しても本法案の意義を疑うものでありますが、あわせて総理の見解をお示しください。
ところで、今回の法案については、与党の賛成を得られないまま提出されるという、前代未聞の事態となりました。自民党総務部会長が、政府として恥ずかしい法案の出し方との批判をしたとも報じられております。我が国国民をまとめていかれる職責を担われている総理が、自分の足元の自民党をもまとめられなかった責任は大変重いものがあると考えますが、この点に関し、どう受けとめられているのか、見解をお聞かせください。
それでは、ここから法案の具体的な中身に入らせていただきます。
第一に、総理は、これまで、民間とのイコールフッティングを主張されてきましたが、市町村納付金は固定資産税相当の実質二分の一とするなど、大変有利な条件が用意されております。これでは公平とは言えないのではないかと考えますが、見解をお聞かせください。また、法人税、預金保険料に相当する国庫納付について、具体的な記述がございません。公租公課が明記されていなければ本公社の経営計画を立てることはできないのではないかと考えますが、いかがでありましょうか。この件に関しましては、財務大臣はどのような見解をお持ちなのか、あわせてお伺いいたします。
第二に、特定郵便局のあり方について、どういう改革を考えられているのか、特に特定郵便局長の世襲問題を含め、見解をお聞かせください。
第三に、総理が重ねて主張してきた、中央省庁等改革基本法第三十三条第一項第六号の「民営化等の見直しは行わないものとする」という条項が削除されておりませんが、断念したという理解でよろしいのでありましょうか。
次に、信書便法案についてお伺いいたします。
今回の法案の中には、民間事業者が参入するに当たり特に重要と思われる、具体的なポストの設置要件が書かれておりません。コンビニ内の簡易ポストなどでも可能なのか、何万本のポストが必要なのか、集配人が直接とりに行くなどの方法でも参入可能なのか、具体的にお答えください。
また、信書の定義について、今回の法案により、現在、民間が扱っている輸送物の取り扱いが不利になるようなことは本当にないのでしょうか。ダイレクトメールやクレジットカードは信書に該当するのかしないのかという点も含めて、見解をお示しください。
以上、私が指摘したことは、本法案には、民間企業を積極的に参入させようとの意志や、ゆがめられた金融市場を是正しようという意向が見当たらないこと、経営計画を確定するのに大切な事項や民間参入に必要なことは政省令事項として総務省にゆだねられているなど、本法案は、極めて生煮えの、中途半端の法案と断ぜざるを得ません。
しかし、その法案にしても、自民党内部では、日本郵政公社法案のみ成立させ、信書便法案については成立させない、あるいは修正させるとの案を持っている方々が大勢いると聞いております。何をするかを決めずに、そのための組織と称して公社法を先行させるのは、本末転倒であります。
総理は、自民党が小泉内閣をつぶすか、小泉内閣が自民党をつぶすかという発言をこれまでも繰り返してきました。しかし、総理は、これまで、改革、改革と唱えながら、一方で、抵抗勢力と妥協に妥協を繰り返してきたではありませんか。このため、国民の期待を失ってきたのではありませんか。今回もまた、抵抗勢力と妥協を繰り返すのでしょうか。
最後に、総理の真意をはっきりとお伺いし、私の質問を終わらせていただきます。(拍手)
〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇〕