阿久津幸彦の発言 (本会議)
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○阿久津幸彦君 民主党の阿久津幸彦でございます。
私は、民主党・無所属クラブを代表し、民主党・無所属クラブ、自由党、日本共産党並びに社会民主党・市民連合共同提案の公職にある者等のあっせん行為による利得等の処罰に関する法律の一部を改正する法律案に賛成し、自由民主党、公明党及び保守党共同提案の同改正案は、その余りに不十分な内容から、反対する討論を行います。(拍手)
そもそも、現行法が審議された一昨年の第百五十回国会において、我々は、私設秘書を処罰対象から外していることを初め、与党案は、抜け道が多く、実効性がないことを厳しく指摘しました。しかし、与党があえて目をふさぎ、耳を閉ざして、世論からも抜け穴だらけのざる法と厳しく批判される法制定を行った結果、その後も政治と金をめぐる事件が後を絶たず、公設、私設を問わず、秘書による公共事業等への口ききの不祥事も相次いで発覚し、三権の長までが議員辞職する事態となりました。図らずも我々の主張の正しさが証明されたわけで、与党各党は、猛省と国民への謝罪を行うべきであります。
委員会質疑においても、与党は、第百五十回国会で繰り返していた、罪刑法定主義に反するので私設秘書は対象にできないとの詭弁を撤回することもなく、今回、みずからの改正案に私設秘書を加えることの自己矛盾、それも国会議員の私設秘書に限定するという不合理、いずれも論理的な説明がなし得ておらず、到底、国民の理解を得られるものではありません。
特に、都道府県や政令指定市などの事業は、大規模で、口きき政治の温床であるとの批判が集中しております。そして、地方分権の進展によって、ますます自治体の権限は高まり、懸念も一層膨らむばかりであり、自治体の長や議員も含め、政治家の秘書全般を対象とすべきことは当然であります。
また、与党改正案は、我々野党が改正案で示している、その他のさまざまな抜け道をふさぐ手だてには一切手をつけておらず、国民の期待を欺く、まやかしにほかなりません。
野党四党が法案をもって強く主張していることは、第一に、処罰の対象に、私設秘書並びに政治家の隠然たる影響力を行使し得る父母、配偶者、子及び兄弟姉妹を加えること。
第二に、与党幹部などいわゆる大物議員の抜け道となり得る「権限に基づく影響力を行使して」という構成要件を削除すること。
第三に、密室で行われ、立証が極めて困難な請託を要件から削除すること。
第四に、公共事業等の箇所づけなどでも、特定の者に利益を得させる目的で行うあっせん行為であれば処罰の対象とするよう、公務員の職務全般を対象とすること。
第五に、政治家は資金管理団体関係や政党支部という抜け道を悪用しやすいことから、第三者に供与させる場合も処罰すること。
第六に、刑法の各種収賄罪と同様、収受のほか、その要求、約束、申し込みも処罰の対象とすること。
第七に、報酬の範囲を財産上の利益に限らず、これをわいろに改め、あっせんの見返りとしての企業ぐるみの労務提供等も処罰の対象とすることであります。
野党案は、抜け道のすべてに対応し、みずからを律し、政治の体質の抜本的改革につながるものであります。野党案にこそ理があること、与党案は余りに不十分な内容であることは、審議を通じても国民の前に明らかになりました。
また、本件は、政治家みずからの倫理確立の問題であり、本来は、与野党の垣根を越え、真摯に議論を重ね、成案を得るべきであります。この視点から、我々は、委員会審議と並行し与党に修正協議を呼びかけましたが、与党はこれを拒否しました。できるだけ抜け道を残しておきたいという与党の相も変わらぬ姿を国民は決して見逃すことはありません。
国民の政治不信は今や極限に達し、まさに、口きき政治と決別することこそが強く求められているのであります。国民の信は我が野党案にあることは、自明の理であります。
このことを最後に申し上げ、野党案に賛成し、余りに不十分な与党案に反対する討論を終わります。(拍手)