宮本一三の発言 (予算委員会)

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○宮本委員 補正予算なしで過ごせれば一番ありがたいと思いますけれども、これは私の感想でございますが、このままでは非常に心配であるということを申し述べます。
 ところで、何としても総需要を刺激していただきたい、こういうふうに思うわけでございますが、一九二九年のアメリカの大恐慌がありまして、あのときにアメリカのGDPが三〇%ほど一挙に減ってしまいました。これは大混乱であります。ルーズベルトはニューディール政策だとかいろいろな形で需要創出努力をやってまいりまして、しかし、相当な努力はいたしましたけれども、あの三〇%のダウンを回復できない。やっと一五%までぐらい回復したのがせいぜいでありまして、結局、大恐慌前のGDPの水準に戻ったのは、一九四一年、第二次大戦が始まってからであります。
 日本のバブル崩壊、これは、資産デフレでいうと一千兆円とも言われております大不況であります。アメリカの大恐慌と比較するのはどうかと思いますけれども、これだけの資産デフレに見舞われた日本経済ですから、当然に大不況に陥る心配がありました。
 最近よく、あれからの十年を失われた十年だというふうなことを言う人がおります。政府のやることは何もかも後手後手になっているじゃないか、また、不良債権だってどうだ、一生懸命やっていると言っているけれども、いまだにけりがついていないじゃないか、まだふえているじゃないか、そんな非難もあります。
 公共事業に至りましては、こんな公共事業幾らやったって効果がなかったじゃないか、そして後に膨大な国債の残高を積み残しただけじゃないか、こんな見方が、非常に強く言われる方があるんですけれども、私は、むしろよくやった十年と言いたいと思うんですね。
 公共事業を悪者扱いするのはいいんですけれども、よく考えてみると、この公共事業をやったればこそマイナス成長にならなかったと言えるんじゃないでしょうか。そして、この十年間、平均してみますと、中にはマイナス成長の年もありましたけれども、平均してみると、何と一%弱の平均成長率を保ってきた、その十年であったわけでございます。
 私は、そういう意味では、本当によくやってきたと思うんです。ただ、残念に思うのは、平成九年のあの財政改革への性急な取り組みであったと思います。
 確かに、消費税も上げる必要がありました。また、特別減税の廃止とか医療費の引き上げ、さらにまた公共事業も思い切ってカットしてしまいました。このことが、私は、残念ながら、政策的にはあのタイミングとしては間違っていたのじゃないかなと。そのために、山一の崩壊、北拓、そしてあの長期信用銀行も外国の資本の傘下に入らざるを得なかった。
 そういったことを考えますと、非常にあの政策について残念に思うわけですけれども、私は、残念ながら、今の小泉政府の総需要政策、何かそのスタンスは、こんな言い方をするとおしかりを受けるかもしれないけれども、平成九年の二の舞にいきはしないか、そんな心配を正直いたしております。
 公共事業は、従来の箱物型中心はよくない。また、談合みたいなこと、あるいは大企業が受注を受けて丸投げする、こんなことは絶対に許すべきじゃないと思います。しかし、公共事業そのものを何としても削らなきゃいけないという、そんな時代ではないと私は思うわけでありまして、時に、日本の公共事業支出費が、GDP比で見ますと欧米諸国に比べまして非常に高いじゃないか、これは抑えた方がいいというような意見もありますけれども、日本の場合、社会資本はまだ後進国並みなんです。公園もありませんし、そしてまた、サラリーマンの住んでいる家はウサギ小屋と言われる程度であります。
 道路にいたしましても、やっと六千九百キロメートル。これは、ほんの十年ぐらい前、中国はゼロから出発いたしまして、今、何と一万九千キロメートルになっている。アメリカには、もちろん想像がつきません、差があります。フランスやドイツも、一万一千から二千というレベルでありますし、道路についてはまだまだやってもらいたいというふうに思うわけであります。
 総理、公共事業、これは、中身は変えますけれども、そして構造改革を実現すべきだと思いますが、需要を引き出せるために、何としても積極財政をここ二、三年やる方向へシフトしていただけないか、このようなことを思うわけですが、いかがでしょうか。

発言情報

speech_id: 115405261X02920020722_008

発言者: 宮本一三

speaker_id: 18184

日付: 2002-07-22

院: 衆議院

会議名: 予算委員会