阿南一成の発言 (行政監視委員会)

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○阿南一成君 ありがとうございました。
 文部科学省に対する私の質問、この一問だけでございますので、どうぞお引取りください。
 今日は実は、いよいよ本題に入りたいと思います、行政監視委員会の本題でありますが、私の食に対する考えを含めながら、食の安全問題について若干お聞きをしていきたいと思います。
 武部農水大臣には、御就任以来、国民世論、マスメディアの十字砲火の真っただ中に立たれ、気の休まるときもなく、正にサンドバッグになりながら農水行政の立て直しのために孤軍奮闘をされておるということにつきましては心の中でエールを送りながらも、事は国民の生命の安全に関することでございますので、質問は厳しく行わせていただきたいと思います。
 昨年、我が国で初めてのBSEの牛が発見をされ大騒動になりました。その後、雪印食品の牛肉の偽装表示の問題に代表されるように、食全体の安全性といいますか信頼性の確保に問題が発展をしてまいりました。農林水産大臣及び厚生労働大臣が食肉牛の全頭検査を開始した昨年の十月十八日に牛肉の安全宣言を出されたわけでありますが、今日もなお牛肉の消費量が低迷をしておるということは、国民がやはり食に対する不信感から抜け切れないということであろうと思います。
 この問題は、消費者サイドばかりでなく、まじめに生産活動に従事をしておられる畜産農家にとっても大変手痛い打撃となっております。政府は、国民が安心して食品を買い求めるような体制を早急に整備すべきであるというふうに思っております。
 ただ、食の安全といいましてもその範囲が非常に広うございまして、食品衛生の問題、あるいは残留農薬の問題、あるいは食品添加物の問題、そして輸入食品の問題、果ては遺伝子組換え食品の問題、そしてBSEの問題等々、この国民の健康を守るために行政が果たすべき役割というのは大変広範囲であります。
 本日は、時間の関係もありますので、すべての問題を取り上げるわけにはいきませんので、BSEの問題についてお聞きをしてみたいと思います。
 四月二日にBSEに関する調査検討委員会報告というものが公表されました。同報告は、農水省に対し、肉骨粉禁止を行政指導にとどめたのは重大な失政であると指摘をいたしております。また、厚生労働省に対しては、農水省に対してより明確な意見を述べるべきであったということを指摘をいたしております。
 BSE問題にかかわる行政対応の問題点、改善すべき点ということで、報告書は次のように述べています。危機意識の欠如と危機管理体制の欠如。日本はBSEが大量発生した英国から肉骨粉の輸入が極めて少ない上、遠く離れているので安全ではないかという希望的観測もこれあり、行政も危機意識が欠如をしていたと。これまでの農水省担当者でBSEの国内発生を懸念していた者は二〇%にすぎないと。これは私は根拠はよく分からないですが、報告書がそう言っておるわけであります。危機意識の欠如した組織に危機管理体制は取れないと。現に、農水省は、一九九六年にWHOから肉骨粉禁止勧告を受けたにもかかわらず、これを課長通知による行政指導で済ませておると報告書は指摘をしております。
 一方、米国はBSE未発生の清浄国、きれいな国であるということでありますが、一九九〇年からサーベイランスを開始してBSEの発生に備えた。一九九八年には農務省、それから昨年は食品衛生医薬品庁が危機管理マニュアルを作り上げたと、こういうふうに報道されております。
 日本では、二〇〇〇年における欧州でのBSEの急増を受けて、厚生労働省側で日本の発生リスクを想定した対策を実施を始めました。一方、農水省はあくまで日本の清浄性を証明するという立場であったのかと思うのでありますが、両省の危機意識は百八十度異なった方向ではなかったかというふうに思います。
 しかし、過去の対応を議論してもせんないことでありまして、これからどうするかということであろうかと思います。日本も、飼料や食料の輸入自由化が進んでおります。米国の危機管理マニュアルを参考にして、最悪のケースを想定した防疫体制を強化しておく、言わば危機管理の思想の啓発に努めることが必要ではないかと私は思うわけであります。
 BSEの国内発生を防ぐことができなかった事実の反省の上に立って、今後、危機管理に対してどのように対処していくおつもりなのか。また、危機管理マニュアルの作成の必要性も含めまして、武部農水大臣の御所見をお伺いをいたしたいと思います。

発言情報

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発言者: 阿南一成

speaker_id: 27524

日付: 2002-04-08

院: 参議院

会議名: 行政監視委員会