大田昌秀の発言 (国際問題に関する調査会)

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○大田昌秀君 意見というよりは、むしろ私は二、三点要望を申し上げたいと思います。
 このイスラム勉強会でいろいろとお話を伺わせていただいて大変参考になりましたけれども、参考人として御出席いただきました板垣雄三先生から、本年の三月に日本外務省とバハレーン王国が主催してイスラム世界と日本の文明間の対話をテーマにした会議が開かれたとの御報告がありました。
 板垣先生によりますと、この会議では、イスラム諸国の日本観が披瀝されたり、パレスチナ問題への日本の対応についての厳しい意見が出るなど、率直な意見交換ができて、日本として試みた第一回の文明間対話の実験としては成功だったというお話がございました。外務省中東アフリカ局担当の奥田官房審議官から、二回目の文明間対話を東京で催したいという趣旨のお話がありまして、是非これは実現させていただきたいと要望したいと思います。
 それから、二番目に、板垣先生のお話で大変興味深かったのは、我が国とイスラム文化とのかかわりについてでございまして、七世紀の聖徳太子の時代にさかのぼって御説明がありました。
 先生は、日本とイスラムは遠く離れているようだが古くからつながりがあり、歴史的に似通った点が多いという御指摘もございましたので、もしできましたら、報告書をお作りになる段階で、時系列的にイスラム世界と我が国との歴史的な関係、あるいは文化的な、あるいは経済的な交流の関係について含めていただくと、より多くの人にイスラム世界を理解させることが可能じゃないかというふうに考えました。
 それから、いま一つは、政府参考人の方から、イスラム諸国はいろいろと、富める国もあれば非常に貧しい国もあって、多様性に富んで複雑な要素を持っているというお話がございましたが、アフガニスタンの復興支援の課題でも、それからイスラム世界に対して我が国ができる支援策の中でも、とりわけ人つくりが大事だということのお話がございましたけれども、この人つくりということの具体的な、人つくりという課題に対して具体的にどういう政策を取り得るかということをもう少し詰めていただくと有り難いと思いました。
 例えば、フルブライトのプログラムがございますけれども、以前はすべてアメリカがその費用を持って諸外国の若者たちをアメリカに招いて勉強させたわけですが、近年は日本が大分その資金を提供してやっておりますので、そういったものを強化していくと人づくりに非常にプラスになるんじゃないかという気がいたします。
 最後に、これは非常に難しい問題でございますが、テロリズムというその定義をどうするかということですね。
 これからイスラム世界のことを、先ほど将来のことについての懸念も表明されましたが、私も最近のアメリカの情勢を見ておりますと非常に懸念を深くしておりますが、アメリカは連邦法でテロリズムというのを明確に定義しているわけなんですね。しかし、そのアメリカの定義が我が国にもそのまま通用するかというと、若干疑問がございます。
 つい二、三日前に、マレーシアのクアラルンプールでASEANのテロ問題特別閣僚会議が開かれておりますが、そこでテロリズムについての定義をしようという、そういう提案がなされましたけれども、これはマレーシアの方から提案がなされたようですが、シンガポールの方では国連ができないものをASEANがするべきではないというふうにしてこれを拒否して、結局はテロリズムの定義ができなかったということが報じられております。
 このように定義それ自体が非常に難しゅうございますので、果たして詰めることができるかというのはなかなか容易ではないと思いますが、ただ、イスラム世界との将来の交流とかあるいは支援策を考える場合に、我が国なりのテロリズムに対する定義というのを明確にしておかないと、ある程度明確にしておかないと、政策を作る上でもいろいろと問題が出てくるんじゃないかという気がしますので、もしできましたらそういう点についてもう少し議論を深めていただけたらと思います。
 以上です。

発言情報

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発言者: 大田昌秀

speaker_id: 1431

日付: 2002-05-22

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会