野上浩太郎の発言 (国際問題に関する調査会)

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○野上浩太郎君 イスラム世界と日本の関係を考えるときのその大きな柱の一つとして、先ほどもお話ありましたけれども、資源エネルギー外交、そこの分野はひとつ大きな柱になってくるなと思っております。ちょっと違う側面からも申し上げたいと思うんですが、テロ事件以降、エネルギー安全保障的な考え方というのが再び重要になってきていますし、変えていかなきゃいけない時期じゃないかなというふうに思っています。
 現在、先ほどお話ありましたとおり、中東への石油の依存度は八八%を超えてきたと。このような状況に対して、従来は、日本の対応というのはいわゆる備蓄を行っていく、戦略的備蓄を行っていくということと自主開発、今二十ぐらいあるということでございますが、油田の自主開発を進めていく、あるいは新エネルギーの研究をしていくということで対応してきたわけですが、実は、一方で環境的な変化が起こってきておりまして、一つは中国の存在ですね。非常に中国の需要が増大してきていると。
 第一次世界大戦のころはアジアへの依存というのは一五%ぐらいという話でしたが、二〇二〇年度にはそれはもう倍になってくる、数十年後には世界の原油のほとんどがこの中国に集中してくるんではないかという話もございます。一方で、ロシアですとかカスピ海沿岸、中央アジア等々の、いわゆる産油国としてのプレゼンスが大変上がってきている、埋蔵量も確認をされてきているという状況が変わってきていますので、ここでエネルギー安全保障という面の方向性をもう一度考え直す時期じゃないかなと。
 その方向性としては、やはりアジア全体での需給関係ですとかいわゆる効率化という部分で日本がひとつイニシアチブを取って政策提言をしていく時期じゃないかなと思います。いわゆる日本独自のユーラシア外交ですとかシルクロード外交ということも言われていますが、今までは一対一の二国間の外交であったものを、いわゆる地域協力機構みたいな形で、複眼的なといいますか地域的な形で取り組んでいくというのが必要じゃないかなというふうに思っております。
 そして、その取組を進めていくには当然イスラム世界との連携を強化をしていくということでございますが、ある参考人の意見で、明治の日本人のイスラムに対する理解というのは大変深かったというお話もございました。一方で、残念ながらコーランの破棄事件みたいなものがありまして、実はあれは私の地元の富山県であったものでございますが、イスラムに対する理解が低いということで起こったものであります。
 これを、イスラムに対する理解を深めていくためにはいろいろな分野が必要なんですが、まずは、一つは草の根的な部分で、いわゆる留学生ですとか青少年のレベルでのそういう交流も必要ですし、議員外交から皇室外交まで含めたそういうあらゆるレベルでの連携、交流を図っていくということが大切だと思っています。あるいは、イスラム研究体制の整備を推進していくとか、省庁間の縦割りの部分を超えた外国人政策に取り組んでいくということも重要だと思っております。
 そしてもう一つは、先ほど来お話がございますとおり日本の技術協力ということ、これはもう当然重要な部分でございますが、実は、日本企業のプレゼンス自体はさほど大きな状況になっていないわけなんですね、中東においては。そういう意味じゃ、中小企業の持つそのノウハウをイスラムというのは非常に伝授してほしいという強い期待があるわけでございます。イスラム経済というのはいわゆるパートナーシップの経済ですとかPLSという利子なしの経済というようなことが言われていまして、ある参考人の意見では、イスラム経済自体が後れているというとらえ方をするんではなくて、それは新しい可能性としてとらえていかなければならないというお話もございました。
 こういう視点は大変重要なんですが、一方で、どういうふうにこのグローバル経済に適合させていくかということも必要であると思っておりまして、そういう意味では、市場経済が根付くような基盤整備、いわゆる今まで話があったような教育などの人づくりですとか制度づくり、また通信とか運輸とか、そういう経済的な基礎的なインフラを高めていくと。基本的には、量から質に援助の質を変えていく、あるいは地道であっても目に見える援助をしていくということがそういうことにつながっていくんではないかなと思っております。
 以上です。

発言情報

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発言者: 野上浩太郎

speaker_id: 12091

日付: 2002-05-22

院: 参議院

会議名: 国際問題に関する調査会