大沢辰美の発言 (本会議)

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○大沢辰美君 私は、日本共産党を代表して、財政演説について総理並びに関係大臣に質問をいたします。
 最悪の記録を次々と塗り替え、失業率と倒産は非常に厳しい状態になっています。仕事は相変わらずない、貯金を取り崩して生活をしている、家賃が払えなくなり子供の学資保険を解約して生活費に充てていると、こういう人たち、卒業しても職のない若者たちが今全国各地の職業安定所に押し寄せています。暮らしと経済をどう立て直すのか、政治に課せられた責任は重大であります。
 そこでまず、雇用と失業問題についてであります。
 二次にわたる補正予算の必要性について、総理は、雇用の問題について改革の痛みを和らげるために是非とも必要だと説明しています。これは、構造改革による国民の痛みが既に耐え難いほどになっていることを総理自身認めたということではありませんか。ところが、総理は、何千、何万人の雇用に影響する企業倒産が大きく報じられたとき、構造改革が順調に進んでいることの現れだと発言し、国民の驚きと憤激を買いました。
 総理にお聞きしますが、小泉内閣が発足してから八か月間、失業率が連続して増え続け、過去最悪の五・五%にまで急上昇したこと、そして国民の痛みは既に耐え難いほどになっていることを、あなたは構造改革のもたらした成果だとして自慢しようというのですか。失業、倒産の急増は小泉構造改革の大失政の結果以外の何物でもないではありませんか。答弁を求めます。
 景気が回復しない最大の原因も、月例経済報告が認めるとおり、失業と雇用不安の増大による消費の落ち込みにあります。現に、女性団体の家計簿調査でも、食費や被服費だけでなく、教育費や育児費まで切り詰めている家庭が増えているのです。倒産やリストラで失業に追い込まれれば、生活費の切り詰めだけでしのぐことも困難になります。たとえ就職できても、収入はこれまでの六割とか五割にしかならないというのが今の実態なんです。
 今政府が行うべきは、いかに失業を減らし雇用を確保するか、ここに全力を挙げることです。失業者を増やし続けたのでは、失業の増大、所得の減少、家計消費の落ち込み、そして倒産、失業の更なる増大という悪循環にはまり込むだけです。今、EUでは、雇用などで大企業の社会的責任を求めるということが常識になっています。日本でも、地方議会から、大企業は雇用の社会的責任を果たせという意見が自民党をも含む超党派で上がってきています。大企業のリストラ応援をやめることは当然のこととして、雇用に対する社会的責任を果たさせるため、今こそ政治がその責任を果たすべきときではないのですか。総理の答弁を求めます。
 次に、税制についてただしたいと思います。
 去る十九日、NHKテレビ討論で塩川財務大臣は、財政構造を変えるとなってくるとどうしても消費税を避けて通ることはできないと発言しました。そこで大臣に伺います。あなた方は、一方では高所得、その人たちの所得税は下げよと主張し、また、株取引の活性化のためだと称して株取引課税や譲渡益課税については引き下げてきました。それなのに、なぜ消費税だけは増税なのですか。その訳を説明してください。
 昨年十一月の日銀の生活意識調査でも明らかなように、国民は、消費税の増税ではなく、逆に消費税の引下げを求めています。リストラ、人減らしと賃金切下げが吹き荒れている、暮らしがかつてない危機にさらされています。ますます不況が深刻化しています。そのさなかに消費税の増税論議の口火を切るなどもってのほかです。総理の描く税制の基本的な構想とは一体どのようなものですか。特に、応能負担の原則をどう考えますか。答弁を求めます。
 今、全国各地で信用金庫や信用組合の破綻が相次ぎ、関係する地域の経済は危機に直面しています。信金、信組はなぜ破綻に追い込まれているのでしょうか。それは各地の実態から明らかであります。国際的な活動を行う都市銀行と同じ金融検査マニュアルで地域経済に根差している信金、信組の検査を実施しているからです。画一的な基準で中小業者の借入れを不良債権扱いする小泉内閣の不良債権最終処理こそその元凶であります。
 これ以上の信金、信組つぶしと検査マニュアルの押し付けを直ちに中止し、破綻した信金、信組からの借り手である中小業者と地域経済を守るために政府は万全の措置を取るべきではありませんか。金融担当大臣及び経済産業大臣の答弁を求めます。
 次は公共事業についてです。
 総理は、来年度予算案では公共事業費を一兆円削ったと自慢していますが、同時に決めた本年度の第二次補正予算案で公共事業費などを二兆五千億円増額し、トータルで増やしているではありませんか。一体、公共事業費を増やしたいのですか、それとも減らしたいのですか、どちらなのでしょうか。
 しかも、当補正予算の主な内容は従来型の公共事業の増額であります。一本一億円もすると言われている橋脚を何十本と造る首都圏中央自動車道などの大型幹線道路や中部国際空港などの大型プロジェクト中心の予算です。都市再生などの看板を掲げて、あたかもこれまでの公共事業とは違うように宣伝しています。全く従来どおりではありませんか。
 例えば、東海道・山陽新幹線の「のぞみ」は東京と博多の間に十か所の停車駅を持っていますが、その沿線には既に十か所の空港があるのに、更に静岡、中部、神戸の三つの空港を次々と建設しています。これを予算の無駄遣いとは考えないのですか。
 また、関西新空港と神戸空港は神戸の市街地からどちらも見えるほどの距離に建設されているのです。危機的な自治体財政に深刻な負担をかぶせながら、航空需要も採算性も安全性も無視して工事が進められています。阪神・淡路大震災から八年目を迎えた被災地では、空港建設より生活再建支援を、そして住宅の再建に公的支援をと悲痛な叫びを上げています。公共事業費を見直す、改革するというなら、これらの空港建設などの大型プロジェクトを白紙に戻し、国民生活支援に役立つよう根本から再検討すべきではありませんか。
 公共事業の受注に絡んで、加藤紘一元自民党幹事長の秘書や鹿野道彦元農水大臣の元秘書など、公共事業受注の口利きによる巨額の不当利得とその所得隠しという事件が相次いで明らかになりました。疑惑を掛けられた政治家はもちろん、その所属政党も自ら真相を調査し、国民に明らかにする責任があると思いますが、総理、関係者の証人喚問を含め、事件の腐敗構造を徹底的に解明する意思がありますか。
 また、私たちは、企業・団体献金は全面的に禁止すべきと考え、現に実行していますが、少なくとも税金を原資とする公共事業の受注企業からの献金禁止ぐらいは直ちに実施すべきではないでしょうか。お答えを願います。
 BSE対策も緊急課題です。政府がBSE被害の責任を取って、存亡の危機に追い込まれている畜産農家、酪農家及び食肉関連業者に対して損失補償で実効ある救済策を取ること、このことを第一に要求します。そして、無利子の長期資金融資の実現、出荷停止の今状態に追い込まれている乳用牛の対策として、国による買上げの実施を求めます。
 今日の大被害の大本である肉骨粉の使用について、去る十一日、我が党議員の質問に答えて、農水大臣が法律で禁止すべきだったと答弁して、ようやく農水省の責任を認めました。では、九六年のWHO勧告を実施しないという決定を、専門家の意見を無視して、一体いつ、どこで、だれの責任で決めたのか、総理、はっきりと示してください。また、感染ルートの究明がそれほど大事かなどと公言してはばからない農水大臣は、私はその職にとどまる資格はないと思います。直ちに罷免すべきです。答弁を求めます。
 最後に、医療制度の改悪など、国民生活も経済も破綻させる危険な小泉内閣の構造改革を直ちに中止するとともに、財政を国民の暮らし中心に改め、個人消費を活発にすることで景気の立て直しを図る方向への政策転換を強く求めまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔内閣総理大臣小泉純一郎君登壇、拍手〕

発言情報

speech_id: 115415254X00220020123_020

発言者: 大沢辰美

speaker_id: 2216

日付: 2002-01-23

院: 参議院

会議名: 本会議