大江康弘の発言 (本会議)

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○大江康弘君 ただいま議題となりました倉田議長不信任決議案に対し、賛成の立場で討論をさせていただきたいと思います。(拍手)
 百九十二日間という長きにわたった通常国会も、今日一日であります。小泉内閣は、確固たる政治日程の目標も設定できず、これといった政治信念がないせいで、当初の日程では採決に至らず、会期延長を七月末までしたものの、逼迫した国民生活の実態を何一つ反映することのない法案審議に終始し、正に無駄な時間を過ごしてきたのであります。
 戦後、自民党は結党以来、国民生活の向上のため、また日本国の繁栄のため、そのバランスをうまく取ってきた時期がありました。過去形であります。私も、多少なりとも地方政治の経験過程で自民党に身を置き歩いてきた者として、正に政治の原体験は自民党にあったと言っても過言ではなかったと今は思っております。
 しかし、とりわけ昨今の失われた十年と言われた今日までの我が国の歩みや国民生活を振り返ったとき、真に政治が国民の思いや願いをどれほどしっかりとらえ、政策に反映をしてきただろうか。国民が汗を流し、苦しい日々を一日一日と歩いている姿に一体どれほど政治がこたえられてきただろうか。国民にとっては、正にこの失われた十年は不幸な十年であったと言わざるを得ません。
 しかし同時に、私は、この議政壇上から声を大にしてただ一つだけ、この十年間、国民が間違った行動、誤った判断をしてきたことを言わなければなりません。古い権力行動を変えることができず、政官財の癒着体質からも脱却できず、そのぬるま湯につかり、国民に痛みと苦しみしか与えてこれなかった自民党政権を選択してきたことであると、反省を求めて申し上げなければならないのであります。
 しかも、今通常国会は冒頭から最後まで政治と金の問題に終始し、悲しいことに良識の府と言われてきた本参議院の議長が不祥事の責任を取り辞職、辞任されたことであります。
 しかし、天はチャンスを与え、倉田議長、あなたがその後任として重責を託され、就任されたにもかかわらず、ついぞ議長は目線を国民に合わせることなく、本来なら政党会派にとらわれず公正、公平、平等という視点に立ち、その任を果たさなければならない立場にあるにもかかわらず、去る二十五日、厚生労働委員会における議会民主政治を否定した暴挙が行われた後の事後処理、事後対応には全く誠意がなく、統治者能力に欠け、議長としての適格性にも疑問を持たざるを得ない行動は、誠に情けないと言わざるを得ません。
 また、阿部厚生労働委員長の行為も誠に残念であり、その責任は重大であります。民主主義で最も尊重されるべきルール、しかも議会運営において、それぞれの委員会での事前の理事会での合意は最低限守られるべきものであり、与党公明党委員の質疑前に四人の質問者の権利を切り捨て、動議を取り上げた不見識さ、また採決に至った行為は国会議員固有の質疑権を強奪したものであり、当然許されるべきものではありません。今回の強行採決こそ国民に対する裏切りの何物でもないのであります。
 倉田議長、あなたは国民の声が聞こえますか。必死で今日も生きている国民の声が聞こえますか。
 本来、この厳しいデフレ不況や構造不況の中、本当に国民を思いやる気持ちがあれば、二兆円と言われる負担を求める三方一両損というような小ばなしを掲げ、数字上のつじつま合わせのような政策は、どこをたたいても出てこないのであります。
 正に、今回の健保改悪によって求められる国民負担は実質の増税であり、このデフレインパクトは計り知れないものがあります。医療という国民の生命に直結する大事な問題に、抜本的な改革もなしにこのような負担を強いるということは、政治家としての感性や姿勢を疑うものであります。
 このような大事な法案審議を数の力で押し切り、強行採決という結果に対し、本来、議長、あなたのなすべきことは、まず阿部委員長の暴挙に対しての審議のやり直しを指示することであり、しかも阿部委員長の行動は合法や違法という法的判断以前の問題であり、議会政治、政党政治の信頼を損なう行為だということをいさめることこそがあなたの責任だったはずであります。
 しかも、今回の行為に対し、国会改革連絡会ら三野党の代表者の要請にも耳をかさず、厚生労働委員会理事の現場での苦悩の訴えを聞こうともされず、また四野党国対委員長の抗議も退けたあなたの態度にこれからの参議院の円満な運営は全く期待できず、院の権威さえも失墜させる先日の本会議の強行開会、そしてこのような国会運営は当然不信任に値するものであり、もはや倉田議長、あなたには議長としての職務を遂行する資格がないことを申し上げ、賛成の討論といたします。
 ありがとうございました。(拍手)

発言情報

speech_id: 115415254X04320020731_011

発言者: 大江康弘

speaker_id: 9914

日付: 2002-07-31

院: 参議院

会議名: 本会議