仙谷由人の発言 (憲法調査会)
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○仙谷委員 団長にかわり、派遣委員を代表いたしまして、その概要を御報告申し上げます。
派遣委員は、中山太郎会長を団長といたしまして、幹事葉梨信行君、幹事保岡興治君、幹事大出彰君、委員江田康幸君、委員武山百合子君、委員春名直章君、委員金子哲夫君、それに私、仙谷由人を加えた九名であります。
なお、現地におきまして、小沢和秋議員が参加されました。
地方公聴会は、十二月九日午後、福岡市のホテルニューオータニ博多の会議室におきまして、二十一世紀の日本と憲法をテーマとして開催し、まず、中山団長から今回の地方公聴会開会の趣旨及び本調査会におけるこれまでの議論の概要の説明、派遣委員及び意見陳述者の紹介並びに議事運営の順序を含めてあいさつを行った後、地方公務員日下部恭久君、弁護士後藤好成君、会社員西座聖樹君、元九州産業大学教授林力君、主婦宮崎優子さん及び福岡大学名誉教授・元長崎県立大学学長石村善治君の六名から意見を聴取いたしました。
その意見内容につきまして、簡単に申し上げますと、
日下部君からは、自治体職員としての経験を踏まえ、生存権や労働権等の人権規定を有する憲法を暮らしの中で生かすべきであり、また、九条の理念を宝として大切にしたいとの意見、
後藤君からは、国民の裁判を受ける権利を実現するために、裁判官の大幅な増員による裁判の迅速化や裁判費用の法律扶助制度の大幅な拡充が必要であるとの意見、
西座君からは、国民の生命財産を守るために、自衛隊を国を守る防衛軍に改めること、道徳性等の人間性をはぐくむために、地域の歴史、文化に合った独自の教育を行うこと、さらに、九州全体として町づくりへ取り組むことが必要であるとの意見、
林君からは、平和が人権保障の前提であることから、九条改正には反対であり、また、現憲法下で起きた部落差別やハンセン病患者への差別といった事実を踏まえ、人権保障に対する国や国民の努力が十分でなかったことに対する国民的な論議を期待したいとの意見、
宮崎さんからは、憲法調査会の中間報告は、何が議論されているのかがわかるのでぜひ読んでほしいが、国民がより理解しやすい内容とすべきではなかったか、また、地方公聴会という国民の声を直接聞く機会を生かし、一般の人々の思いに寄り添った政治を行うべきであるとの意見、
及び
石村君からは、平和主義の理念を掲げる前文及び九条は改正すべきでない、また、十三条の個人の尊重は、その対象として国民と規定するが、これを、「すべて人は、」と改正すべきであり、知る権利を憲法上明文化し、さらに、第一章を国民主権とすべきであるとの意見
がそれぞれ開陳されました。
意見の陳述が行われた後、各委員から、我が国の安全保障や国際協力のあり方、核兵器廃絶に対する政府の姿勢、ハンセン病患者への差別などの人権侵害を繰り返さないための方策、違憲審査権行使のあり方、地方分権改革の方向性、米国の対イラク戦争への我が国の支援と憲法との関係、新しい人権を憲法上の権利として規定することの是非などについて質疑がありました。
派遣委員の質疑が終了した後、中山団長が傍聴者の発言を求めましたところ、傍聴者から、北朝鮮による拉致問題にかんがみた前文及び九条改正の必要性、憲法の平和理念の重要性、憲法を現実に合わせるような改正への危惧等についての発言がありました。
なお、会議の内容を速記により記録いたしましたので、詳細はそれによって御承知願いたいと思います。また、速記録ができ上がりましたならば、本調査会議録に参考として掲載されますよう、お取り計らいをお願いいたします。
以上で報告を終わりますが、今回の会議の開催につきましては、関係者多数の御協力により、円滑に行うことができました。
ここに深く感謝の意を表する次第であります。
以上、御報告申し上げます。