伊吹文明の発言 (特殊法人等改革に関する特別委員会)
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○伊吹委員 そのとおりだと思いますね。
国民の皆さんも、現状の社会主義的資本主義というのか、真の弱者というのはやはり額に汗して納税をしている人ですからね、徒党を組んで弱者を称する人ではないと私は思いますから、改革をしてほしいということは間違いないと思います。
問題は、総理、何を変え、何を残すかということなんですよ。ここでまさに国家の目的は何だということが問われるわけですね。そして、総理の見識が問われる、ここがまさに一番のポイントなんです。そして、効率化と競争ということと国家の目的が必ずしも一致しないということはたくさんあるわけなんですね。これをどういう形で調整していくかということに政府の大きな役割がある。
私は、二つのやり方があると思うんですね。
一つは、日本が従来とってきたように、あるいはリベラリズムという政治思想で表現されるように、ある程度国家が介入をしながら個人の権利あるいは国家目的を守っていくという方法。しかし、残念ながら、これは、民主主義という仕組みとこいつを一緒にくっつけますと、おれたちは弱いんだ、おれたちは国家目的を果たしているんだから、これやってくれ、あれやってくれ、そうすれば票を入れるからということになるんですよ。最終的にあれもこれもやらないといけないから、結局、社会主義に祖先帰りしちゃう。
だから、基本的には、やはり私は、保守主義というのか、よき人間、そして我々が基本的に守ってきた徳目による人間の自己抑制、そのようなものによって、競争社会が弱肉強食、利益優先、成金的、拝金的システムに落ちないようにするということが一番大切だと思います。そういう認識で、何を守り、何を変えていくかということは、しっかりと見きわめていただきたい。
今の全体の小泉改革の流れを見ていますと、大衆というのはやはりそういうものなんだけれども、とうとうとした流れの中で、あらゆるものを民営化しなければならない、あらゆるものを効率化しなければ何か時代おくれになっているというような風潮がなきにしもあらずだ。この点はお互いに心してやっていかねばならないと私は思います。
そこで、総理、国家の秩序、私たちが住んでいるこの社会の秩序というものは、どういうもので守られていると思いますか。法律あるいは警察官、脱税をすれば査察が入る、そういうことで守られている部分と、やはり、祖先が営々として築き上げてきた日本の伝統文化あるいはまたよき慣習、こういうものの中での自己抑制、こういうもので守られている部分は非常に多いと思うんですね。
今、問題は、この後者の力が非常に落ちているということだと思います。小泉改革をなさる上にこの後の方の配慮がありませんと、これは弱肉強食の嫌な社会になります。アメリカと日本とはやはり違うんですね。アメリカはまだ伝統的慣習が成熟するほどの長い歴史を持った国家じゃないんですよ。そのあたりどうですか。