特殊法人等改革に関する特別委員会

2002-11-11 衆議院 全310発言

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会議録情報#0
平成十四年十一月十一日(月曜日)
    午前九時開議
 出席委員
   委員長 保利 耕輔君
   理事 伊吹 文明君 理事 熊代 昭彦君
   理事 虎島 和夫君 理事 山本 幸三君
   理事 伊藤 忠治君 理事 金子善次郎君
   理事 山名 靖英君 理事 東  祥三君
      伊藤信太郎君    石田 真敏君
      岩倉 博文君    金子 恭之君
      小西  理君    河野 太郎君
      阪上 善秀君    谷本 龍哉君
      西川 京子君    萩野 浩基君
      菱田 嘉明君    福井  照君
      増原 義剛君    松島みどり君
      松野 博一君    宮澤 洋一君
      吉田 幸弘君    井上 和雄君
      岩國 哲人君    上田 清司君
      生方 幸夫君    大谷 信盛君
      鎌田さゆり君    佐藤謙一郎君
      鮫島 宗明君    首藤 信彦君
      田中 慶秋君    筒井 信隆君
      永田 寿康君    松原  仁君
      山井 和則君    山元  勉君
      桝屋 敬悟君    丸谷 佳織君
      都築  譲君    春名 直章君
      矢島 恒夫君    金子 哲夫君
      菅野 哲雄君    日森 文尋君
      井上 喜一君
    …………………………………
   内閣総理大臣       小泉純一郎君
   総務大臣         片山虎之助君
   財務大臣         塩川正十郎君
   文部科学大臣       遠山 敦子君
   厚生労働大臣       坂口  力君
   農林水産大臣       大島 理森君
   経済産業大臣       平沼 赳夫君
   国土交通大臣       扇  千景君
   国務大臣
   (沖縄及び北方対策担当大
   臣)           細田 博之君
   国務大臣
   (経済財政政策担当大臣) 竹中 平蔵君
   国務大臣         石原 伸晃君
   内閣府副大臣       根本  匠君
   外務副大臣        茂木 敏充君
   外務副大臣        矢野 哲朗君
   財務副大臣        谷口 隆義君
   文部科学副大臣      河村 建夫君
   文部科学副大臣      渡海紀三朗君
   厚生労働副大臣      鴨下 一郎君
   厚生労働副大臣      木村 義雄君
   農林水産副大臣      北村 直人君
   政府特別補佐人
   (人事院総裁)      中島 忠能君
   政府参考人
   (特殊法人等改革推進本部
   事務局長
   兼内閣官房行政改革推進事
   務局長)         堀江 正弘君
   政府参考人
   (特殊法人等改革推進本部
   事務局次長)       熊谷  敏君
   政府参考人
   (内閣府国民生活局長)  永谷 安賢君
   政府参考人
   (厚生労働省医政局長)  篠崎 英夫君
   政府参考人
   (厚生労働省医薬局長)  小島比登志君
   政府参考人
   (国土交通省航空局長)  洞   駿君
   衆議院調査局特殊法人等改
   革に関する特別調査室長  遠山 政久君
    —————————————
委員の異動
十一月十一日
 辞任         補欠選任
  西川 京子君     松島みどり君
  吉田 幸弘君     阪上 善秀君
  岩國 哲人君     生方 幸夫君
  佐藤謙一郎君     鎌田さゆり君
  田中 慶秋君     上田 清司君
  山元  勉君     筒井 信隆君
  瀬古由起子君     矢島 恒夫君
  菅野 哲雄君     金子 哲夫君
同日
 辞任         補欠選任
  阪上 善秀君     吉田 幸弘君
  松島みどり君     西川 京子君
  上田 清司君     田中 慶秋君
  生方 幸夫君     井上 和雄君
  鎌田さゆり君     大谷 信盛君
  筒井 信隆君     山元  勉君
  矢島 恒夫君     瀬古由起子君
  金子 哲夫君     菅野 哲雄君
同日
 辞任         補欠選任
  井上 和雄君     松原  仁君
  大谷 信盛君     佐藤謙一郎君
同日
 辞任         補欠選任
  松原  仁君     岩國 哲人君
    —————————————
本日の会議に付した案件
 政府参考人出頭要求に関する件
 独立行政法人国民生活センター法案(内閣提出第一一号)
 独立行政法人北方領土問題対策協会法案(内閣提出第一二号)
 平和祈念事業特別基金等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一三号)
 独立行政法人通信総合研究所法の一部を改正する法律案(内閣提出第一四号)
 地方公務員災害補償法の一部を改正する法律案(内閣提出第一五号)
 独立行政法人国際協力機構法案(内閣提出第一六号)
 独立行政法人国際交流基金法案(内閣提出第一七号)
 電子情報処理組織による税関手続の特例等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第一八号)
 独立行政法人日本万国博覧会記念機構法案(内閣提出第一九号)
 放送大学学園法案(内閣提出第二〇号)
 日本私立学校振興・共済事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第二一号)
 独立行政法人日本スポーツ振興センター法案(内閣提出第二二号)
 独立行政法人日本芸術文化振興会法案(内閣提出第二三号)
 独立行政法人科学技術振興機構法案(内閣提出第二四号)
 独立行政法人日本学術振興会法案(内閣提出第二五号)
 独立行政法人理化学研究所法案(内閣提出第二六号)
 独立行政法人宇宙航空研究開発機構法案(内閣提出第二七号)
 独立行政法人労働者健康福祉機構法案(内閣提出第二八号)
 独立行政法人福祉医療機構法案(内閣提出第二九号)
 独立行政法人労働政策研究・研修機構法案(内閣提出第三〇号)
 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園法案(内閣提出第三一号)
 中小企業退職金共済法の一部を改正する法律案(内閣提出第三二号)
 独立行政法人雇用・能力開発機構法案(内閣提出第三三号)
 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構法案(内閣提出第三四号)
 独立行政法人医薬品医療機器総合機構法案(内閣提出第三五号)
 社会保険診療報酬支払基金法の一部を改正する法律案(内閣提出第三六号)
 独立行政法人農畜産業振興機構法案(内閣提出第三七号)
 独立行政法人農業者年金基金法案(内閣提出第三八号)
 独立行政法人農林漁業信用基金法案(内閣提出第三九号)
 独立行政法人農業技術研究機構法の一部を改正する法律案(内閣提出第四〇号)
 独立行政法人緑資源機構法案(内閣提出第四一号)
 独立行政法人水産総合研究センター法の一部を改正する法律案(内閣提出第四二号)
 独立行政法人日本貿易振興機構法案(内閣提出第四三号)
 情報処理の促進に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第四四号)
 独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構法案(内閣提出第四五号)
 中小企業総合事業団法及び機械類信用保険法の廃止等に関する法律案(内閣提出第四六号)
 独立行政法人中小企業基盤整備機構法案(内閣提出第四七号)
 独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構法案(内閣提出第四八号)
 独立行政法人国際観光振興機構法案(内閣提出第四九号)
 独立行政法人水資源機構法案(内閣提出第五〇号)
 日本下水道事業団法の一部を改正する法律案(内閣提出第五一号)
 日本勤労者住宅協会法の一部を改正する法律案(内閣提出第五二号)
 東京地下鉄株式会社法案(内閣提出第五三号)
 独立行政法人自動車事故対策機構法案(内閣提出第五四号)
 公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五五号)
 海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律の一部を改正する法律案(内閣提出第五六号)

     ————◇—————
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保利耕輔#1
○保利委員長 これより会議を開きます。
 内閣提出、独立行政法人国民生活センター法案等特殊法人等改革関連四十六法律案の各案を一括して議題といたします。
 この際、お諮りいたします。
 各案審査のため、本日、政府参考人として特殊法人等改革推進本部事務局長兼内閣官房行政改革推進事務局長堀江正弘君、特殊法人等改革推進本部事務局次長熊谷敏君、内閣府国民生活局長永谷安賢君、厚生労働省医政局長篠崎英夫君、厚生労働省医薬局長小島比登志君及び国土交通省航空局長洞駿君の出席を求め、説明を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
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保利耕輔#2
○保利委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    —————————————
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保利耕輔#3
○保利委員長 これより質疑に入ります。
 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。伊吹文明君。
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伊吹文明#4
○伊吹委員 おはようございます。
 それでは、四十六本という法律が付託されておる審議を始めるに当たりまして、私の質問時間は二十分でありますから、細かなことは一切伺いません。総理の今日に対する歴史認識、時代認識と総理の見識を伺いたいと思います。
 四十六本の法律は、特殊法人あるいは社団法人を独立行政法人化するものであります。つまり、国の指導とか補助とか役員の任命とか、そして、うまくいかない、最終的には国の援助、これは国は一銭のお金もありませんから、善意の国民の税金ということですが、それで援助してもらうという形態から、自分たちの判断で、自分たちの責任で仕事を行う、そのかわり人事もできるだけ自由、うまくいけばうまくいった範囲内で給料も上がるという経営形態に改めるという法案であります。自分たちの判断で、政府の命令や指揮ではなくてやっていくという一つの義務を負うかわりに、うまくいけばその結果については自分たちで自由にできるという権利を与えるという法律ですから、私はいわゆる小泉改革の一環だろうと思います。
 しかし、商法に言うところの株式会社にするわけではなくて、独立行政法人という法人体系をとっているわけですから、利益を求める株式会社とはおのずから違う、政府本来の役割があると思うんですね。ですから、できるだけ公から民へ、国から地方へという流れの中での小泉改革の一環ではあるけれども、しかし、利益を求めるのではなくて、国家本来の大切な役割を果たす法人であるという位置づけだと思います。
 これは小泉改革の大きな柱の中の一つだと思いますが、私は、実はこれで十九年政治家をやらせていただいていますが、最初に政治を志した二十年前に、ダイヤモンドという出版社から「シナリオ日本再生」という本を出しました。その中で、小泉さんが構造改革という言葉で言っておられることと全く同じことを実は私は二十年前から言っております。
 問題は、国民意識と社会システムの改革を行うという総理の今日的時代認識ですね。私は、戦前の国家総動員体制と、それから総司令部に来たアメリカのニューディーラー、つまり国がいろいろな分野に関与しながら国家や経済を引っ張っていくという戦後の日本の、言うならば社会主義的資本主義というのか国家資本主義というのか、こういうものは、日本人の本来の美徳である勤勉とかあるいは会社に対する忠誠心とか、こういうものと、戦争で需要が非常に抑えられていたという雰囲気の中で、結果的に非常にうまくいったと思います。その果実を使って社会保障を充実し、生活水準を引き上げ、そして世界に冠たる長寿国家をつくり上げたわけですが、ローマの昔から、うまくいくと必ず国民というのはそれになれちゃうんですね。ですから、繁栄した国はありますが、繁栄し続けた国というのは残念ながらないんですよ。
 だから、いま少し市場経済、自由社会、競争原理の方へ国民意識と社会システムを変えながら自助努力と自己責任社会をつくり上げていこう、そういう時代認識を持っておられると思うんですが、そういう理解で構造改革を進めておられるということは間違いないでしょうか。
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小泉純一郎#5
○小泉内閣総理大臣 伊吹議員は、この特殊法人改革の必要性が叫ばれて以来、一貫して、党にあってその推進の責任役として大きな役割を果たしてこられたわけでありますが、基本認識として私はほとんど同じではないかと思っています。
 いみじくも今言われたように、繁栄した国はあっても繁栄し続けた国はない、まさに歴史の必然ですね。そういうことから見ると、この特殊法人あるいは日本の戦後の社会主義的資本主義といいますか、自由市場体制をとりながらもむしろ国家社会主義的な色彩が強かったんじゃないかという御指摘は、私は大変当たっているんではないかと思っております。
 そういうことから、今回、戦後、いわば官主導といいますか、役所主導でむしろ民間を引っ張ってきた、これが、戦後、限られた資源を集中的に必要な分野に官民一体となって導入してきた日本の大きな成功例の一因だと思いますが、ここに来て、この手法が果たしていいかどうかというのが問われているんじゃないかと思います。
 今回の特殊法人改革にいたしましても、役所では本来の効率性あるいは民間の意欲というものが生かされるんだろうか、むしろ役所にある公共性と民間にある効率性を加味した法人も必要ではないか、民間だけじゃできない、そういうことから特殊法人が出てきたわけでありますが、必ずしもそれが目的、趣旨どおりに運営されていない、ここでもう一度見直してみようと。それで、民間でできることは民間、廃止できるものは廃止、そして、必ずしも廃止も民営化も今の時点では無理だなというものは独立行政法人という形で、より特殊法人よりも独立性を持たそうということで今回の改革ができたわけであります。
 そういう点からいきますと、御指摘の趣旨に沿うような改革が今後なされなければならない。独立行政法人も、今までの特殊法人に編成されたときの趣旨が本当に生かされているのかどうかというものをよく点検して改革していかなきゃならないという趣旨で今回の法案提出、御審議をいただいている、基本認識としては私は全く同じ方向であると認識しております。
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伊吹文明#6
○伊吹委員 そのとおりだと思いますね。
 国民の皆さんも、現状の社会主義的資本主義というのか、真の弱者というのはやはり額に汗して納税をしている人ですからね、徒党を組んで弱者を称する人ではないと私は思いますから、改革をしてほしいということは間違いないと思います。
 問題は、総理、何を変え、何を残すかということなんですよ。ここでまさに国家の目的は何だということが問われるわけですね。そして、総理の見識が問われる、ここがまさに一番のポイントなんです。そして、効率化と競争ということと国家の目的が必ずしも一致しないということはたくさんあるわけなんですね。これをどういう形で調整していくかということに政府の大きな役割がある。
 私は、二つのやり方があると思うんですね。
 一つは、日本が従来とってきたように、あるいはリベラリズムという政治思想で表現されるように、ある程度国家が介入をしながら個人の権利あるいは国家目的を守っていくという方法。しかし、残念ながら、これは、民主主義という仕組みとこいつを一緒にくっつけますと、おれたちは弱いんだ、おれたちは国家目的を果たしているんだから、これやってくれ、あれやってくれ、そうすれば票を入れるからということになるんですよ。最終的にあれもこれもやらないといけないから、結局、社会主義に祖先帰りしちゃう。
 だから、基本的には、やはり私は、保守主義というのか、よき人間、そして我々が基本的に守ってきた徳目による人間の自己抑制、そのようなものによって、競争社会が弱肉強食、利益優先、成金的、拝金的システムに落ちないようにするということが一番大切だと思います。そういう認識で、何を守り、何を変えていくかということは、しっかりと見きわめていただきたい。
 今の全体の小泉改革の流れを見ていますと、大衆というのはやはりそういうものなんだけれども、とうとうとした流れの中で、あらゆるものを民営化しなければならない、あらゆるものを効率化しなければ何か時代おくれになっているというような風潮がなきにしもあらずだ。この点はお互いに心してやっていかねばならないと私は思います。
 そこで、総理、国家の秩序、私たちが住んでいるこの社会の秩序というものは、どういうもので守られていると思いますか。法律あるいは警察官、脱税をすれば査察が入る、そういうことで守られている部分と、やはり、祖先が営々として築き上げてきた日本の伝統文化あるいはまたよき慣習、こういうものの中での自己抑制、こういうもので守られている部分は非常に多いと思うんですね。
 今、問題は、この後者の力が非常に落ちているということだと思います。小泉改革をなさる上にこの後の方の配慮がありませんと、これは弱肉強食の嫌な社会になります。アメリカと日本とはやはり違うんですね。アメリカはまだ伝統的慣習が成熟するほどの長い歴史を持った国家じゃないんですよ。そのあたりどうですか。
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小泉純一郎#7
○小泉内閣総理大臣 これは、自由主義、放任主義、それと国家の役割、古くて新しい問題であります。
 例えば、国富論のアダム・スミスの言葉じゃありませんが、見えざる手によって導かれる、これが一番いいんだ、個人の欲望なり個人の嗜好なり、これが、広げていくと必然的に全体で見れば社会のプラスになっていると。しかし、そうなると、まさに弱肉強食、強い者だけが勝って、弱い者は見捨てられていく。それではいけないということで、むしろ、マルクス・レーニンじゃありませんけれども、共産主義、国家が大幅に計画し指導していくんだという両極端。しかし、どっちにも長所と短所がある。
 いわゆる両方のよさを組み合わせていこうというのが、混合社会主義といいますか混合経済の考え方で、これが、よく北欧スタイルの人間の顔を持った社会主義と言われるように、弱者に対して優しい国家の手を差し伸べようということでありまして、私は、どちらも、過ぎたるは及ばざるがごとしという言葉があるように、やはり、どこで国家がその役割を果たすか、どこに個人の創意工夫、自主性を生かすべきか、この中庸、これをうまくかみ合わせていくことが政治として必要ではないかなと思っています。
 しかし、基本的に、どの時代においてもどの国においても最も必要なことは、みずからを助ける精神とみずからを律する精神、これを強く国民が意識したその国というのが一番発展するのではないか。みずからではどうしても助けられない人に対して、国家が、社会がどういう手を差し伸べていくか。みずからを助ける精神、みずからを律する精神、自分でやろう、自分で努力しようという国民が多ければ多いほど、みずからの力ではどうしても助けられない、立ち上がれない人を助ける人がふえるわけですから、これまた国家にとってプラスなんです。
 基本的に法の支配は大事でありますけれども、国民が自分でやる気を持って、みずからの努力で立ち上がろう、そして、いろいろな欲望があるけれども、それはやはりみずからを律していこう、こういうみずからを助ける精神とみずからを律する精神こそ最も必要だということは、古今東西、どの時代を超えても変わらない大事な基本精神だと私は思っております。
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伊吹文明#8
○伊吹委員 これが政府であろうと独立行政法人であろうと、あらゆる仕事は効率的でなければならない、これは当たり前のことなんですよ。国民の税金を使っていますから、最小限の税金で最大限の行政効果を上げてもらう。しかし、行政効果と利益は違うんですね。ここのところは間違っちゃいけないと思うんですよ。
 だから、商法上の法人の最終的な効率化は、利益を目的とする効率化です。政府や独立行政法人の効率化の目標は、利益ではない、何か国家にとって大切な役割なんですね。この抽象的な計量化できない国家目的というのが何かということ、これは人によって違うんですよ、みんなイズムが違いますから。これを歴史認識と深い見識を持って示すのが、一国の総理であり政治家の役割なんですね。
 そこで、総理も学ばれた慶応の先輩である、先輩というか教授であった文化勲章受章者の永井荷風は、「断腸亭日乗」という日記を書いています。この中で、非常におもしろいことを書いていますね。政府新しきことをたくらむことあれど、何事も利害相半ばするものなりと。効果もあれば副作用もあるということを言っているわけですよ。効果だけねらっても、必ず副作用は出てきますからね。
 今、大島農水大臣が来ておられるが、環境庁長官もやられました。この法律の中で緑資源機構法案というのがありますね。今、植林をしたりするということは、この自由化のもとじゃ、全く市場経済では成り立たないですよ。しかし、森があるということで災害が防がれ、そして京都議定書の計算ができるんですね。だから、効率化というのは何なんだということになると、よくこの辺考えないと、利益は出ないけれども国家のために大切だということはいっぱいあります。
 これからいずれ、大学の行政法人化が出てくるでしょうね。そうすると、工学系統、医学系統、あるいは社会のビジネスの要請があるロースクールだとかビジネススクールというのは花盛りになりますよ、効率化だから。しかし、人間の機微もわからない人に裁判官をやられちゃ困るんで、弱い人の弱みがわからない人に経営者をやられちゃ困るわけですね。ですから、こういうものはやはり全然市場経済には乗らないけれども、お経を読んでいるとか哲学書を読んでいるとか、あるいは永井荷風でいえば「墨東綺譚」のように江東のちまたをさまようとか、こういうことがみんな深い基盤になって出てくるんですよ。
 だから、今の総理の改革というのは、私は基本認識を同じくして、ぜひ成功してもらいたいと思いますが、やや利益とか効率とかということにウエートがかかり過ぎているように思う。やはり、もう少し深みのある日本社会、品性のある社会というものをつくる、そういう自民党総裁であってもらいたいし、そういう日本国のリーダーであってもらいたいと思います。
 時間がありません。最後に御感想を伺って、質問を終わります。
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小泉純一郎#9
○小泉内閣総理大臣 よく学び、よく遊べという言葉があります。これは、子供だけじゃない、大人も大事なんです。遊びほど勉強になるものはないです。親が遊びはむだと思って子供に勉強させる、勉強ばかり詰め込みをやる、そうじゃない。後になって、大人になってみればわかりますよ。勉強より遊びがいかに人間性の涵養に役立っているか。遊びの効用というものを、むだの効用というものをよく考えることが人間で大事じゃないかと思っております。
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伊吹文明#10
○伊吹委員 ぜひ、そういう意味で、道路公団その他の改革もやってください。
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保利耕輔#11
○保利委員長 次に、山名靖英君。
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山名靖英#12
○山名委員 公明党の山名靖英でございます。
 四十六法について、きょうは、個別法というよりも総括的な質問を総理並びに関係大臣にさせていただきたいと思います。
 先ほど伊吹委員より大変哲学的な御質問がございましたし、総理からもまた大変レベルの高い答弁があったわけでございますが、もう少し具体論に入りたいと思います。
 今回の四十六法、私は率直に、これを見せていただきまして、率直な気持ちですけれども、あれ、これは本当に特殊法人改革なの、こういう思いを持ちました。
 確かに、従来の特殊法人あるいは認可法人の弊害というもの、これが叫ばれて非常に長い年月を費やしたわけであります。なかなかそれにメスを入れようとして入れられなかった。そこで、行革担当大臣、石原大臣が本当に頑張っていただいて、各省庁と角突き合わせながら、時には石原大臣が涙している姿を私はテレビで拝見いたしました。その結果として、さきの五十九本、そして今回の四十六本、あと残された五十本近く、こういった従来にない改革のメスが入れられ、そしてアリの一穴ともいうべき突破口が開かれたことに、私は一つの大きな意義を感じるわけでありますが、どうも今回の改革の中身を見ておりましても、いわゆる組織形態論、これに走り過ぎ、重点化されたような、こういう印象を私は持たざるを得ないわけであります。
 そもそも特殊法人というのは、民間ができない仕事を国にかわって、そして特別の法律をもってこの特殊法人、さらに、民間が発想しますが、民間の申請ではありますけれども、また法律をもって事業を遂行していくための認可法人、こういった制度ができたわけで、それなりに今日まで仕事もやってきたし、効果も上がったことは否めない事実だと思います。
 しかし、問題は、ちまたに言われる、この特殊法人、認可法人に国民のお金が大量に使われ、財投を中心に、本当にそこにきちっとしたチェックが入らないし、また不透明部分も大いにある、効率も悪い、民業を圧迫している、天下り先になっている、こういった多くの批判が出された。それにメスを入れてどう改革していくかということが大事な視点であって、何のための改革か、この一点が私は問われなきゃならない。
 それは、省庁の権益のためでも省益のためでもない、内閣のためでもない。それは国民のための改革でなきゃならない。そういう観点から考えて、そういう視点から見て、今回の改革が本当に国民のためになるのかどうなのか、ここにやはり私どもとしてもしっかりとしたチェックをしていかなきゃならないと思います。
 きょうは時間が限られておりますので、もう少し具体論から申し上げますと、特殊法人の改革に当たって大事なのは、先ほども申しましたように、国の仕事なのかどうなのかというチェック、要するにマネジメントの問題だと思うんですね。単に組織を変えればいい、公務員型から非公務員型にすればいい、こういうことも一つの手法ではありますけれども、国家として、政府として、あるいは法人として今後マネジメントをどうするのか、そのガバナンスをどうしていくのか、このことが私は問われると思います。
 特に、先ほど申しました弊害の一つに、いわゆる天下りの問題がございます。どうしても、我が国のいわゆるキャリア制度、キャリアシステム、このあり方から、これを根本的に見直していかなければ、いかに組織形態を変え独法にしても、今のようなキャリア制度のシステムのあり方を温存していては、私は、将来、この独法も第二の特殊法人になりかねない、こういう危惧を持っております。
 一回限りの採用試験で、1種の合格者は、その道がまさにエリートの道を約束され、そしてその中で、最終的には、上り詰めた最高峰は事務次官。同時期に入った人たちは、その一人の最高峰の事務次官から漏れるわけですから、これは当然違うところへの再就職、それがいわゆる特殊法人、認可法人。五十歳前後で肩たたきに遭って、そして退職をして天下っていく。それは、やはり最初の採用問題、キャリアシステムというこの問題。
 これを、今のように1種、2種、3種、こういった形で区分をし、そして1種の人たちはキャリアとして最終的な事務次官に上り詰め、それに漏れた人は特殊法人等に、あるいは有力民間企業に再就職、それを省庁がいわば一生涯面倒を見る、それがあたかも省の責任のように錯覚をして取り入れているこの制度そのものに私はメスを入れなきゃいけないんじゃないかな、こういうふうに総括として、基本論として認識として持っているんですが、総理の御所見をお伺いしたいと思います。
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小泉純一郎#13
○小泉内閣総理大臣 私の内閣で、よく総論がないと言っていますけれども、総論はだれでもできるんですよ。各論がないから、小泉内閣では各論をやっているんです。だから、いろいろ反対が出ているんですよ。抵抗が出ているんですよ。一番各論を今までやってきているんですよ。
 いい例が今回の特殊法人。民営化できるところは民営化しなさい、役人だけが公共的な仕事をしていると思っているのか、そうじゃないだろう、民間人だって公共的な仕事をたくさんしているんだと。
 そして今までの役割。一度できた組織というのは、永遠に続くというどころか増殖していく、肥大化していく。今言ったような、役所がつくった特殊法人というのは、その役所の天下り先機関として当然視している。おかしいんじゃないかと。
 だから、民間にできることは民間にさせなさい、廃止できるものは廃止しなさい、民営化も廃止も当面できないものは、本来の公共性を十分考えながら、効率性、経営責任の明確化などを考えながら、独立できる組織として見直しなさいというのが独立行政法人。
 公務員制度も、今御指摘があったように、一度試験を通ってしまえば一律に昇進していく、最後、事務次官になる人以外は、同期入省した人を全部五十代で退職させる。これは一般の社会常識に合っているのか。国会議員を見たってそうですよ。私は今総理大臣になっているけれども、当選回数の多い人はまだたくさんいる、自民党にも。総理大臣になるたびに、自分のところの当選回数、全部やめさせろなんてことは考えられないでしょう、そんなことは。若い人が抜てきされても結構、年配の人が若い人を育てるのも結構。いわゆる老壮青、バランスをとっていいじゃないか。役所だけ、自分が事務次官になったら全部同輩はやめさせる、おかしいんじゃないかということで、今、公務員制度改革もやっている。
 そういうのを含めて、今まで総論を言われてきた。しかし、各論に手をつけると反対が出るからできないから。各論に入ったんでしょう、案の定、反対、抵抗が出てきますよ。今それをやり抜こうとしているのが、今回の改革であり、小泉内閣の使命だと。もう総論はみんなわかっている。総論を聞けば、与野党、大体似たようなもんですよ。しかし、各論に入ると反対が出るからできないから行かないんでしょう。私は、小泉内閣というのは、反対、抵抗を恐れず、ひるまず各論に入っているというのが小泉内閣だということを御理解いただきたいと思います。
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山名靖英#14
○山名委員 まさに不動の精神でやるという決意であります。
 おっしゃるように、総論賛成、各論反対というのは、これは世の常かもわかりません。しかし、さきに申しましたように、この公務員制度の改革、弊害は弊害としてきちっと認識をして、やはりしっかりした改革、このリーダーシップを総理がとっていただくことが大事なことだと思います。この採用区分の問題、それから早期勧奨退職の問題、これについてもしっかりと、総理みずからが、人任せじゃなくて、その思いをぜひ指示していただきたいと思います。
 それで、私は、この特殊法人改革の独法移行の際に、まだ残された法人もあるんですけれども、ぜひとも、この際、そういう人事慣行を廃して、民間から、あるいはこれは役人からでもいいんですけれども、いわゆるトップの人事については、この独法移行を契機に、そういった採用制度を、公募式、こういう方式を今回取り入れてやったらどうか、こういうふうに思います。
 我が同僚の総務副大臣の若松議員なんかは、いわゆるCEOといいますか、こういう提案もしておりまして、やはり広く、いわゆる弊害と言われていた効率性の問題や、あるいは特殊法人、独法もそうでありますけれども、国民からのそういう問題提起に対して責任を持って、三年なら三年、自主的に自律的にその独法の改革を手がけていく、それで効果がなければもう首にするしかないわけであって、そういった厳しい競争原理の中に立っていかなければ本当の改革の道は歩めない。同じような組織形態、事業内容、そこに緊張感もない、こういったものはもう永遠に続いてしまうと思うんです。日産のゴーン社長じゃないですけれども、やはりここに、思い切ったいわゆる民間の知恵とか庶民の知恵とか、こういったものをこの際取り入れるべきではないか、こういうふうに御提案を申し上げたと思いますが、これは総務大臣に。
    〔委員長退席、虎島委員長代理着席〕
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片山虎之助#15
○片山国務大臣 今回の独立行政法人では、法人の長は主務大臣が決める、その他の役員は法人の長が決める、こういうことですね。それは、官民を通じて幅広く適材を選ぶ、知識経験があって、効率的な経営ができる人を選ぶ、もしやってみてちゃんといかなければ、独立行政法人の評価委員会が業務評価をやって、場合によってはやめてもらう、こういうシステムですね。
 そこで、今、山名委員は、公募制がどうか、こういうことなんですが、我々は、幅広く選ぶ、民間を含めて、こういうことでございまして、公募方式というのは名前はいいんだけれども、これは効率が悪いですね。だれが来るかわからぬし、数は多いし。そういう意味では、別に公募に限らず幅広く選べばいいんですから、そういうことでやらせていただきたい、こういうふうに思っておりまして、山名委員のお気持ち、御趣旨は十分体して今後選考する。各法人、そういうことでやっていくと思っております。
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山名靖英#16
○山名委員 いろいろな分野から、いろいろな優秀な、眠っているきらりと光る人材はたくさんいるわけですから、効率性の問題もありますけれども、そういった制度も今後ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。
 それから、当然、今回の四十六本、さきの五十九本の問題、残された法人の問題、ここにはやはり国民の厳しい目が注がれていると思います。そのためには、組織形態がどうであったのか、事業の中身がどうなのか、まだこれは見えてこないんですね。具体的に中期目標をつくって、それぞれの過去の問題点を洗い直して新しい事業というものを展開させようということなんでしょうけれども、まだ明確に見えてこない。これはぜひとも、独立法人移行後の早い時期に、こういった事業計画といいますか中期目標、これを国民の前に明らかにしていただきたい。これはもたもたしていてはだめだと思います。
 とともに、いわゆる事業評価、これをしっかりやらないとだめです。各省に、評価委員会、こういうものが当然つくられている。それから、総務省の中にも、それを総括的に評価する評価委員会等もある。ここの部分がしっかり機能していかないと、これはやはり問題としては永遠に残ってしまう。
 ですから、特に個別省庁の評価委員会については、最初のチェックのもとになるわけですから、そこに省庁のいわゆる護送船団的な甘さがあったり、こういうことがあってはならないと思います。その人選に当たっては、まさに公平、中立、厳格にやっていく必要がある。さらに加えて、総務省の評価委員会、それ以外の新たな評価の機関をつくる必要はないと思いますが、総務省のいわゆる総括的な評価委員会、この体制をもっともっと強化しなきゃいけない、こういうふうに基本的には思いますが、いかがでしょうか。
    〔虎島委員長代理退席、委員長着席〕
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片山虎之助#17
○片山国務大臣 今回の独立行政法人制度のポイントの一つは、評価委員会の事後評価ですね。最初は中期目標を与えて自由にやってもらう、しかし、事後はしっかりチェックしますよ、場合によっては責任を問いますよ、こういうことでございますから、各省の独立行政法人評価委員会も、いい人を選んで、そこでしっかり事後評価をしてもらう。
 こういうことなんですが、その後に、それは各省ばらばらでは、お互いの公平性やなんかで問題があるといけませんので、総務省の政策評価・独立行政法人評価委員会というのがあるんです。全部の委員会を調整する、そこで再評価をやるんですね。それでいろいろ報告を出してもらって評価をして、問題があるなら意見を言える、意見については手当てをしてもらう、こういうことにしておりまして、せんだっても、各省庁の評価委員会の長を集め、さらに、私どもの方の総務省の全体を統べる政策評価・独立行政法人評価委員会の長も総理に会ってもらいまして、総理の方からもしっかりやるようにという指示をしてもらいましたので、今、十三年度の業務実績が出ておりますから、各省庁の評価委員会がやっておりますから、それを我々の方が再評価する、こういう今作業中でございまして、十一月から十二月にかけて来年度予算にそれが反映するように、しっかりと対応しよう、こう思っております。ヤジ
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山名靖英#18
○山名委員 そうですね。私のかわりにありがとうございます。
 もう時間がありません。最後に、いま一度総理の決意等をお伺いして終わりたいと思います。
 あと残された五十本近い、道路公団、JR、NTT等々、非常に悩ましいといいますか、そういう法人が残されております。これについては、いろいろと論議を今している最中でありますけれども、やはり、効率性だけを、あるいは採算性だけを追求している、こういった改革であってもならないし、そこにいわゆる人と物と情報、夢を、こういうものがつなげられるような改革でなきゃならないし、冒頭言いましたように、国民のためになるのかならないのか、国が本来やるべき仕事なのか、こういった総合的な検討をもう一度加える必要があるのではないか。
 そういう意味でも、残されたものに対する総理の取り組みへの姿勢、決意を最後お伺いして、終わりたいと思います。
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小泉純一郎#19
○小泉内閣総理大臣 特殊法人改革については、いわゆる集中改革期間中、平成十七年度末までにあるべき改革をしていかなきゃならない。今、民営化できるものは民営化、廃止できるものは廃止、手をつけて、そして、必ずしもそう当面はできないものは独立行政法人として効率化を図る、独立性を発揮させるということでやっておりますが、今後も不断の見直しが必要だ。ある時期その組織は存在意義は十分発揮したけれども、今後、将来必ずしも現状の形態のままでいいのかどうかという見直しは不断に行っていかなければならないということでありますので、私自身も、当面、今回の特殊法人改革ですべて終わりというふうには考えておりません。
 今言われたような公募方式、総務大臣が答弁されましたけれども、民間からしかるべき適材を考えるのもいいではないかという点につきましても十分配慮しながら、トップに対して、あるいは役員等に対しては、役所の世界だけではないと、むしろ広くいろいろな分野から適材を起用してもいいんじゃないかという趣旨については私も賛成でありますので、若松副大臣、私もその意見をよく聞いております、なかなかおもしろいなと。今検討中でありますので、今の事務次官の人たちにも、自分たちが事務次官をやめれば自動的に特殊法人のトップになるという時代じゃないということをはっきり申し上げておりますので、その趣旨に沿って改革を進めていかなきゃならないと思っております。
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山名靖英#20
○山名委員 終わります。ありがとうございました。
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保利耕輔#21
○保利委員長 次に、生方幸夫君。
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生方幸夫#22
○生方委員 民主党の生方幸夫でございます。
 先週と先々週でクエスチョンタイムが行われました。なかなか議論が深まらない、与党の一部には本当にクエスチョンタイムをやる必要があるのかどうかというような意見も出ておりますが、基本的には、総理がきちんと質問に答えないというところが、私はその議論が深まらない大きな理由だというふうに思っております。きょうははぐらかさないできちんと答えていただきますように、まず冒頭お願いを申し上げておきます。
 長引く不況の中で、国民は非常に不安におびえながら生活をしている。自分の仕事がこの先どうなるんだろうかということとか、これから先、老後はどうなるんだろうか。まさに、ことしは冬が早いですが、北風の中に身を縮こませているような状態だというふうに私は考えております。
 総理は、口を開けば改革なくして景気回復なしというふうに叫んでおりまして、もう一年半がたちました。この一年半の間に国民生活がよくなったのかというと、残念ながら、よくなるよりも苦しくなったというのが現状だと思いますので、この国を一体どこに持っていこうとしているのかということをきちんと国民に説明する義務があるというふうに私は思っております。
 そこで、まず最初にお伺いしたいんですが、先月末に総合デフレ対策というのが発表されました。目玉は不良債権の処理を加速させるというところにございますが、そこでまず質問なんですけれども、不良債権の処理、もう十年間もずっとやってきたわけですね。それにもかかわらず、不良債権がなくならない。これは鶏が先か卵が先かの論議になるんですけれども、この不良債権がなくならないというのは、不況やデフレが原因なのか、あるいは不況やデフレの結果として不良債権がなくならないのか、どちらだというふうに総理はお考えになっていますか。
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小泉純一郎#23
○小泉内閣総理大臣 これは一概に言えないのであって、鶏か卵が先かといった議論と似ているんですよ。両方大事なんですよ。改革なくして成長なし、今言ったような特殊法人改革も、改革が必要だということは与野党一致しているでしょう、ほとんど。恐らくこのまま特殊法人を存続させて、改革、必要ないと言う人はいないと思いますよ、一部はいるかもしれないけれども。
 そういう点から見れば、それでは、今までのように不良債権を温存して、まず景気回復を待てといって、本当に景気回復するのか。私は、そうならないと思いますね。両方必要だというふうに思っております。
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生方幸夫#24
○生方委員 両方必要だというのは、国民の皆さん、総意だとは思うんですけれどもね。今度の総合デフレ対策を見ますと、両方必要だと言いながら、デフレ対策、いわば景気対策ですね、こちらの方に力が入れられているのか入れられていないのかというと、どうも金融システムの改革の方に重点が置かれていて、肝心の不況やデフレ対策という部分に関しては力が入っていないような気がするんですね。デフレ対策もいろいろ列挙はされておりますけれども、残念ながら、肝心な予算措置がつけられていない。いわば絵にかいたもちになっている状態なんですね。
 総理は、今度の臨時国会では補正予算を組まないということを早々と明言いたしておりますが、今おっしゃったように、デフレ対策と不良債権の処理は同時にやらなきゃいかぬわけですね。不良債権の処理ばかり加速をすれば、当然総理も御存じのように、企業の倒産が出るし、新たな失業も発生する。それに対するケアをきちんとしないと、これは、不良債権はなくなるというふうに思ってやっていって、夏の道路の逃げ水と一緒で、近づくとまた発生するという格好で、不良債権を処理したんだけれども、その処理した額を上回る不良債権がまた発生する。
 これは去年も、総理も御存じのように、六兆処理して九兆ふえたということになっておりますし、銀行業界全体でいうと、この十年間で七十八兆円の不良債権を処理したけれども、今現実に、現在残っているのは五十二兆というふうに言われておりますが、実際にはもっと多いんじゃないかというのが竹中さんのお考えですから、百兆とか百五十兆とかあるというふうに考えますと、不良債権を処理しても処理しても、デフレや不況が続く限りは不良債権がまた新たに生まれてきちゃうわけですね。
 したがって、両方に力を入れなければいけないのに、今度のは、肝心の不況・デフレ対策に関しては一切予算措置を取り組まれていない。両方やるというのであれば、何でここで補正予算をきちんと組んで、デフレ・景気対策もきちんとやるんだということを国民にメッセージをしないんでしょうか。
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小泉純一郎#25
○小泉内閣総理大臣 補正予算を組めということは、財政出動をもっとしろということですか。私は、国債をもっと発行して、今までのように……(生方委員「組み替えでいいんです」と呼ぶ)もっと需要をふやせという意見がいろいろ出ておりますけれども、今の時点において、金融改革あるいは規制改革、歳出の見直し、税制改革、これを目先のことだけにとらわれないで、中長期的な点も考えながらやることが必要だ。
 今言ったように、不良債権処理と総合経済対策、これはデフレ対策も含みます、両面が必要だ。そういうことから考えて、補正予算を組まないから景気回復しないという単純な構図ではないんじゃないか。今の経済状況というのは、実に限られた選択肢の中で、あちら立てればこちらが立たずという中で、やるべき改革をやるということが大事じゃないかと思いまして、補正予算を組めば、何兆円かの国債を増発して需要を回復すればすぐ景気がよくなる、私はそう思えないんです。
 一面、失業、雇用対策、これはしなきゃなりませんけれども、単に需要をふやすための補正予算で景気が回復するとは思っていないからこそ、あるべき改革を進める、これが必要ではないかと思っております。
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生方幸夫#26
○生方委員 総理は三十兆円枠にやはりこだわっているんだと思うんですね。実際、去年だって三十兆円枠はもう超えているわけですよ。
 私は、この論議をしていると、九七年の橋本さんの財政構造改革論議をしているときのことを思い出すんですね。あのときも、十一月に山一証券が倒産をする、それからアジア発の金融危機が起こっていて、我々は、緊縮予算を来年組んだら大変なことになるよ、財政構造改革法そのものは大事ですから通ってもいいんですけれども、その執行を何年か見合わせるべきじゃないかというふうに主張したんですね。きちんと補正予算を今組まなきゃ大変なことになるよと言ったにもかかわらず、九八年に補正予算を組んだ。大分もう遅きに失して、結局その年は九八年に三回補正予算を組んだわけですよ。私は、きょうこういう論議をしていると、そのときのことを本当に思い出すんですね。何で早目にやらなかったのか。あのときはツーリトル・ツーレートというふうに言われて、遅出しで少数ずつやったから、せっかくその後緊急経済対策とか打ったとしても効果がなかったんですよ。
 だから、私は、来年一月に補正予算を組む予定のように報道されておりますが、来年の一月に組むというんであれば、早目に実施をした方が効果が大きいに決まっているわけですから、三十兆とか臨時国会ではやらないとかということじゃなくて、今やはり不良債権の処理を加速するんだということによって株価は暴落をしているわけですよ。
 税効果会計を取り入れる、取り入れない、これは後ほどお話をしますが、そういうことが取りざたされていれば、銀行はますます貸しはがし、貸し渋りに走ることは目に見えているわけで、こういう事態が発生して、もう株価も一万円割れをしているわけですから、九千円割れをしているわけですから、私は、両方やるというんであれば、補正予算を早目に組んだ方がより効果があるというふうに思いますが、もう一度お伺いします。いかがでしょうか。
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小泉純一郎#27
○小泉内閣総理大臣 私が三十兆円枠にこだわっていると言いますけれども、むしろこだわったのは民主党ですよ。三十兆円枠を法律で縛れと言ったじゃないですか、去年。それを私は、経済というのは生き物だから法律で縛る必要はない、大胆かつ柔軟に対応する、五十兆円の税収がある中で財政規律というものを考えなきゃいかぬと。当時は二十八兆円、まだ二兆円の枠がある、三十兆円の中でやっても、むだがあるのではないかと国民から指摘されている税金のむだ遣いをなくすということから、私は、一つの財政規律として、三十兆円というのはそんなにきついものではないということを言ったら、民主党が、いや、法律で縛れ、法律で縛れと。こだわっているのは民主党じゃないですか。それを忘れたんですか。私、覚えていますよ。
 そういうことから、経済は生き物で、私は、大胆かつ柔軟に対応している。せいては事をし損ずるという、株価が下がればすぐ国債を発行して補正予算を組めば株価が上がるのか、そんなものじゃないですよ。あるべき改革をしていくということが必要であって、私は、一つの基準、規律として三十兆円枠というのを言っているんです。しかも、当時は五十兆円の税収があるという前提だった。税収が落ち込む、柔軟に対応するのが何が悪いのか、全然こだわっていませんよ、規律として。こだわっているのは民主党だということを覚えておいてください、法律で縛れと言ったのは民主党だったんですから。
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生方幸夫#28
○生方委員 我々も大胆かつ柔軟に対応するんですから、そんな別に三十兆円枠にこだわることはないじゃないですか。我々は、こだわらないで、今言っているように、大胆な国債を発行して公共事業をやれと言っているんじゃないんですよ。ちゃんと予算を組み替えることによってやることができるわけですよ。我々も大胆かつ柔軟に対応しているんです。当然じゃないですか、そんなものは、当たり前の話です。
 それで、もう一点言いますが、同じような観点で、今の景気がどうしてよくならないのかというところで、竹中さんと小泉さんは、だめな企業は市場から退場していただければ景気はよくなるんだ、経済はよくなるんだというようなお考えのようですね。だから、不良債権の処理を急ぐことによって、本来回るべきじゃないところへお金が回っているのを貸しはがして倒産してもいいんじゃないかというのが基本的な考え方だというふうに思います。
 私は、この話をするときに思い出すのは、かつてコンビニがコンピューターネットを導入したことがあったんですよ。全国的に導入をして売れ筋商品とか死に筋商品というのを収集したわけですよ。一番最初にやったのは死に筋商品を排除したんですね、棚から取り外した。これでもういわゆる売れ残りがなくなるだろうというふうに思ったんですけれども、結果はどうだったかというと、結局売り上げ全体が減っちゃったんですね。棚がからからになっちゃったので、売り上げ全体が減ってしまった。この話が、私は、今度の話で非常に思い出されるわけですね。
 確かに、中小企業というものの貸し出しを精査すれば、どちらかといえば不良債権に分類されるものがあるかもしれない。ところが、中小企業というのはそういうことでずっとやってきたわけですよ。その中小企業が多く存在をすることが日本経済の厚みになってきたわけですね。その中小企業に一律に、銀行の貸し出しの六割は中小企業なわけですから、不良債権を処理するといえば、当然その中小企業に対する貸しはがしというのを行わざるを得なくなっちゃうわけで、そして中小企業がすかすかになってしまえば、せっかく日本経済を立て直すという目的がありながら、いざ見てみたら中がすかすかになっていたという状況にならざるを得ないというふうに私は考えるんですね。
 竹中さんは今までずっと長く大学でいろいろ研究をなさってきたから、大学の理論の中ではそういうことになっているかもしれないけれども、机上で考えたことを中小企業という生身のものにいきなり実験されたんじゃ、これはたまらない。やはりそれは大学で論文を書くのとは違うわけですから、きちんと中小企業は中小企業として生きてきたわけですから、それをつぶすような施策、選別するような施策はとるべきではないと私は思うんですが、いかがでございますか。
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竹中平蔵#29
○竹中国務大臣 生方委員、中小企業をつぶすような政策というふうに決めてかかっておられますが、今回の政策の目的は断じてそういうことではありません。中小企業に、本当に資金を必要としてしっかりとした事業をやっていけるところにきちっとした本当の意味での資金が回るようにしたい。結局のところ、それは銀行の基盤を強化して、産業の基盤を強化することである。そのために何が必要か、それはやはり、資産の査定をきっちりとして、そうすることによって銀行の持っているリスクをできるだけきちっと管理してもらって、繰り返し言いますが、本当に必要なところにお金が回るようにしたい、そういうことになるわけです。
 加えて、もう一つ申し上げたいのは、今回の金融再生プログラムは、御承知のように、主要銀行を中心としたものであります。地域の中小機関、地域の金融機関に関して、いわゆる関係性を重視したリレーションシップバンキングの世界というのは、ある意味で、委員御指摘のように、これはグローバルな競争をしているところとは違う原理で動いているということで、これについては違う金融のシステムがあるということを前提にして、それはそれで別途考えていくということにしているわけであります。
 結局のところ、銀行が、本当に必要なところにお金がきちっと回るような健全な行動をとれるようにしてもらう、そのためにリスクの管理ができるように銀行の経営のガバナンスを強化して、自己資本を充実して、それで資産査定をきちっとする、そういう総合的な観点から今回の政策が打ち出されている点をぜひ御理解いただきたいと思います。
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