高橋千秋の発言 (憲法調査会)

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○高橋千秋君 私の方からも報告をさせていただきます。民主党・新緑風会の高橋千秋でございます。
 それでは、細かい報告については先ほど谷川団長、市川委員それぞれの方から報告があったとおりでございますけれども、私も今回初めて欧州の方の各議会訪問等をさせていただいた中での感想を述べて、私の報告とさせていただきたいと思います。
 それぞれの国でのお話で私が特に印象的に思ったのは、イタリアなんかでもそうですが、日本と同じように地方分権を更に進めようという動きは強いように思いました。その一方で、先ほどからずっと話が出ておりますEUの更なる拡大という動きと、その地方分権の推進という動きがそれぞれ相反する部分もあります。連合制、連邦制という、この報告もこの中にございましたけれども、それぞれの国の文化や言葉も当然違いますし、それぞれの思いがやはり随分違う中で、今、EU統合というのが一気に進もうとしているというふうに思いました。
 そういう中で、それぞれの国に憲法裁判所のようなものが、呼び方は違いますが、ございます。その憲法裁判所の権威というか、力が非常に強いものだというふうに私は感じました。特に、イタリアの中では、自分たちのステータスというものを非常に強く意識した中で、自分たちがその議会の上に位置するような意味合いを持つ、そういう意見を述べる方も数人お見えになりました。日本と少し違う感覚でありますけれども、欧州の歴史の中でそういうものを特に強く意識しているように思いました。
 それと、憲法改正の動きでありますけれども、各国とも何度か憲法を改正しております。日本での憲法論議等を推測するとどういうふうなのかというふうに興味深く私たちも思いましたけれども、実質的には細かい変更の部分が多くて、私たちが思ったような憲法改正とは少し意味合いが違うんではないかというふうに思いました。
 それから、先ほど報告ございましたが、二院制の話でございますけれども、各国とも上院、日本でいえば参議院の存在意義というものをそれぞれの国でやはり悩んでいるようでありまして、二院制の意味合いというものについて各国とも論議をこれからしようという動きが結構あるように思いました。しかし、究極的に言われたのは、上院の意味、先ほどいろいろお話ございましたけれども、熟慮という部分で、それは必ず必要なんだという意見がどの方からも出たのが印象的でございました。日本では議席定数の削減の動きが国会や地方議会の中でも進んでおりますけれども、欧州の中では逆にそういう部分は民主主義の反映として、議席を減らそうということではなくて、きっちりと意見が出せるような人数の確保というものもされているということが印象的に思いました。
 それから、ストラスブルグの中で欧州の人権裁判所を伺いましたけれども、各国でのそれぞれの裁判所とは別に欧州の人権裁判所の存在というものが欧州の中で非常に大きくなってきているというのを感じました。ここの人権裁判所については、個人でも自由に提訴できるというシステムが取られております。
 その中で、この人権裁判所に対する訴えというのがかなりの件数に上っております。しかしながら、実質的には人数の制限、職員の制限がありまして、すべてを処理するというところまで行っておりませんが、この欧州人権裁判所の各国での存在意義というのが非常に重くなってきているという事実がございます。これについては注目をしていきたいなというふうに思いました。
 それから、ベルギーのところで、NGO、国境なき弁護士ですが、こちらについてはそれぞれかなり活発な動きをしておりますけれども、このNGO自体の動きは当然なんですが、それぞれの政府がこのNGOに対する理解をすごく持っていて援助をしているという事実がございます。日本の方にもそれの支援をしてほしいという御要請もございましたけれども、アジアと欧州との連携というのはなかなか難しいところございますが、これについても、今後、我々も参考にすべきことではないかというふうに思います。
 時間がございませんので、全体の報告として、EUがかなり活発に動きつつあります。しかしながら、EUの本部の思いとそれからそれぞれ各国の政府の思いというのがやや開きがあるように思いました。これが今、壮大な実験だというふうに各国では言っておりましたけれども、この実験が完成するのかどうかというのはこれからの課題ではないかなというふうに私は思いました。
 以上、報告終わります。

発言情報

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発言者: 高橋千秋

speaker_id: 216

日付: 2002-10-30

院: 参議院

会議名: 憲法調査会