平野貞夫の発言 (憲法調査会)
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○平野貞夫君 国会改革連絡会(自由党・無所属の会)の平野でございます。
私は、後半の四日間しか参加しておりません。党務のためとはいえ、谷川団長や派遣委員、それから事務局の随行の方たちに御迷惑をお掛けしました。短い期間でございましたが、大変私個人にとっては意義のある勉強をさせていただきました。この際お礼を申し上げておきます。
と申しますのは、私はフランスだけだったんですが、フランスを支えている統治システムの特徴というものが、今まで自分が理解していたものは間違っていたと、あるいは不十分であったという勉強をさせていただきました。それは、やはりフランスという国が、革命とかあるいは王制という近代の非常に厳しい歴史の教訓に学んだ、実に巧妙なシステムを持っておるということでございます。
私は、一般的に行政府、行政権の強いことが特徴なのがフランスの政治だと思っていましたところ、決してそうではないということが分かったわけでございます。それは、議会主権でもございませんし、国民投票を持っていますけれども国民投票ですべてを決めるというシステムでもないですし、大統領制を採用して非常に大統領の権限が強いように見えますが、決して決定的に強い権限も与えていません。それぞれの長所を採用しておると感じました。状況によっては不安定なのかも分かりませんが、それを支えているのが行政府の中にある国務院とそれから会計検査院だと。
要するに、私がフランスは行政権が強いと誤解していたのは、行政権じゃなくて行政を監視する行政裁判所、国務院とか会計検査院が強いということでございました。したがって、フランスのエリートの人たちは、国立行政学院を、ENAを卒業して一番優秀な人はこの国務院か会計検査院に就職すると。日本のように財務省とか外務省を決して希望しないというところにやっぱりフランスの政治の知恵があると思いました。
そして、フランス人は自由に市民生活を送っていると、楽しんでいると、こう世界じゅうからうらやましがられていますが、その裏には行政を監督するシステムがかっちりとあるということを勉強してまいりました。それと、注目すべきはやはり憲法院の機能だと思います。憲法院の存在については、議会の機能をチェックするという名目でできたのが、だんだんその後の状況で変わってきまして、現在は事実上、行政、司法を含めた公権力すべてを監視するというような機能が働いているというふうに私は理解しました。
憲法院の構成が実に面白い。それは、大統領から三名、上下両院議長から三名という説明が団長報告でありましたが、あれを院で推薦するんではないと、議長個人が推薦すると。これは非常にやっぱり面白いシステムでございまして、責任が明確になります。院で推薦すると政治的談合になりますので、そこら辺はやっぱりフランスは新しい方法を選んでいるなと思いました。
要するに、九人の賢人というのが憲法院というところで、情報化社会化した現在の遺物となった代表制民主主義、それから暴走する直接民主主義、こういったものを賢人という方たちが最終的にはアドバイスしていると。それでフランスという国が、政治機構が成り立っていると、こういう勉強をしてまいりました。
国会は国権の最高機関であるという憲法を持っているからといって、日本のように国会が威張っているようだけでは、私は今後問題があると思います。
デモクラシーの変化といいますか、新しい市場経済原理の変化に伴うそういう動きを見てまいりました。
以上でございます。