小山田智枝の発言 (厚生労働委員会)

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○参考人(小山田智枝君) 私は、今現在、母子家庭の母で一人の子供を十年近くずっと一人で育てています。
 子供が二歳半になったとき保育園に預け、何社か面接を受けたものの、お子さんしょっちゅう熱を出すころだよねと言われたり、お母さんしかいないから子供さんに何かあるとお母さんが休まなくちゃならないよねと言われ、なかなか仕事が決まりませんでした。実際のところ、夫婦で働いていても何かあると休むのはお母さんが多いと思います。母子家庭ということで差別があるということは、母子家庭の友達、皆感じています。
 取りあえずでも仕事をしていないと、せっかく入れた公立の保育園を出されてしまうので、いつまでも就職活動をしているわけにもいかず、時給六百五十円の五時間のパートに就きました。それしか仕事がありませんでした。月七、八万の収入で、当時支給されていた手当約四万を足しても月十一万です。これだけの収入でどうやって子供一人育てていけるというのでしょうか。子供の将来のことを考え、夜は親に子供を預けてコンビニのお弁当を作っている会社にアルバイトに行きました。深夜一時、二時まで働きました。
 ところが、今から五年前、児童扶養手当の所得制限が大幅に引き下げられたとき、私は一部支給になりました。毎日三、四時間の睡眠で、それでも子供のことを思って頑張って働いていたのに、どうして手当を減らされなければならないのでしょうか。子供の将来のことを考え、寝ずに働いていたのに、毎日寝不足で頭がぼうっとして、それでも子供の話には耳を傾け、必死でした。必死に働いて、必死に子育てをして、なのになぜ手当を減らされなければならないのか分かりません。友達はそのとき全額支給停止になりました。児童扶養手当がカットされるということは、それと所得制限を同じくする医療費の助成も受けられなくなります。友達は、手当もカット、医療費の助成も受けられないし、そんな中、子供が肺炎で十日間入院しました。約七万掛かったそうです。
 子供が小さければ小さいほど、医者に掛かることも多いし、肺炎にもなりやすいのに、医療費の助成が受けられなかったら医者に掛かることもできなくなります。私は、手当を減らされて、寝ずに働いている意味がないんじゃないのと思いながら、一部支給、納得いかないと思いながらも、昼夜の仕事を続け、一万でも二万でも多くお金が欲しいから、もちろん、日中、正規雇用での仕事があれば寝ずに働く必要はないわけですから、昼夜働きながらずっと就職活動は続けていました。約五年、百社余りの面接を受け、ようやく子供も小学二年生になったとき正規雇用での職が決まりました。
 しかし、私の会社でも不況のあおり厳しく、この春、賃金カットになりました。そして、児童扶養手当の大幅な減額です。私も半分以下になりました。たったの一万二千円だけです。この前の国会で減額が決定されたとき、今回支給額が減ることは覚悟していましたけれども、こんなにも減らされるとは思っていませんでした。これでどうやって子供を高校、大学へと進学させればよいのでしょうか。それとも、母子家庭の子供は進学しなくてもよいということでしょうか。学費が免除になるという支援策があるわけでもないのに手当がカットされたら困ります。ずっとパートだった友達は、子供を修学旅行に参加させてあげることができませんでした。友達は悔しかったと思います。私たちは、私たちの子供をほかの子供と同じように育てることができないのでしょうか。ほかの友達は、非常勤だし来年仕事があるかどうか不安だそうです。
 私も、今回減額になる前ですら生活が苦しく、少しでも収入をと思い、毎日八時、九時まで残業しています。子供が寝る前に家に帰れるのは週に一、二度です。そうまでして働いているのに、再び大幅な減額です。自分は服や下着を擦り切れて穴が空くまで着れますが、子供はそういうわけにはいきません。小さくなって着れなくなってしまうから、シーズンごとに買い足さなければなりません。それでも、少ない枚数の服を洗濯しては着せ、洗濯しては着せ、たんすに入っている暇がないくらいです。
 うちの子は、学校まで三・三キロの道のりを毎日歩きます。靴底がすぐに擦り減ってしまい、毎月のように靴を買い換えなければなりません。これ以上生活は切り詰められないのに収入は減るわけですから、やっとの思いでほんのちょっとためた貯金に手を付けざるを得ない状態です。子供の将来のためにとためたお金です。本当は崩したくないです。母子家庭は貯金をすることも許されないのでしょうか。たとえ貯金に手を付けたとしても、近い将来すぐに底をつくでしょう。足りない分を補うために、今の仕事にプラスして働かなければならなくなります。子供との時間が減ってしまいます。
 そもそも、近年、離婚が増えているのだって、この不況が大いに関係していると思います。友達の元夫は、リストラされて再就職先がなかなか見付からず、酒を飲んでは暴れるようになったということです。現代社会のひずみで心が成長し切れていない元夫は、子供に対して愛情がなかったり、職を転々として、自分が遊ぶお金は親に小遣いをもらって妻子を養う意識が全くなかったり、私が離婚した元夫も、仕事に行かなくなり、遊ぶ金欲しさに借金をして、気に入らなければ私に暴力を振るいました。このままでは子供が虐待されてしまうと思い、私は家を出ました。どうして私たちが離婚を選ばなければならないのかも考えてほしいです。子供を守り、健やかに育てるため、私たちシングルママは日々奮闘しています。寝ずに働かずとも、子供としっかり向き合う時間が欲しいです。
 不況や現代社会のひずみは政府の責任だと思うのです。そして、国は青少年の健全育成という義務がありますよね。直ちに母子寡婦福祉法を見直してほしいです。確かに少子化対策も重要なことですが、今現在ここに生きている私たちの子供、全国に何万といる私たちの子供の将来のことも考えてください。お願いします。

発言情報

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発言者: 小山田智枝

speaker_id: 2343

日付: 2002-11-21

院: 参議院

会議名: 厚生労働委員会