保坂三蔵の発言 (国会等の移転に関する特別委員会)
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○保坂三蔵君 参考人の先生方、どうも今日はありがとうございました。東京から出ております自民党の保坂でございます。
個人的な見解からまず申し上げますが、今、たまたま日本共産党の井上先生からお話がございまして、私は政党ののりを越えて正鵠を得た御指摘ではないかと、こうずっと思ってまいりまして、今日ますますその意を深めました。
と申しますのは、個人的な見解ですから、今日こちらにおいでの委員各位からは相当反論があると思うんですが、私自身は、この首都移転問題は既に終わった問題になっているという見解を持っています。したがいまして、審議も消化試合と同じような重みしかないんじゃないだろうかという認識なんです、私個人の。
それは、一つには、そもそもこの問題のスタートが非常に不幸なスタートでございまして、首都移転の発想というのが国民の間から盛り上がって、東京では駄目だ、ならばどこどこがという、そういう議論の盛り上がりではなくて、行政や議会から盛り上がり、それは過去の歴史を振り返りますと、必ず選挙の間際になると我が田に水を引く議論が起きてきた、選挙が終わるとずっと鎮静化していく、その繰り返しでした。しかし、過去における議論は、一極集中を始めまして、全国総合計画などには入れられた方向性でしたから、決して粗末な扱いをする気持ちはございません。
ただ、問題は、今の時代という変化をやはり見てまいりますと、例えば、経済情勢はそのような余裕が一体あるかどうかというような現下の厳しい情勢であります。それから、小泉総理が進めております構造改革が、いろんな見方もあろうとも、全分野で進んでいるということ。そしてこれは、第三の開国あるいは第二の開国と言われるように、どうしても日本国として、国民として乗り切らなくちゃならない大きなウエーブだと思っております。それから、地方分権のきっかけにしようという意見がありましたが、地方分権も極めて速いテンポで、法律の整備も終わりまして進んでおりまして、そういう点ではこれは逆に首都移転の理由がなくなってきていると。
それで、その大きな背景には、ITという情報科学の時代にもう既に入っているということで、首都を移転すればすべて問題解決にはならないというような、そういう時代背景があるんじゃないかと思いまして、私は、首都移転問題は既に古びた審議になっているんじゃないだろうかと、こう思っているんですね。
その証左に、栃木・福島地区では、バックアップ機能をねらったところの東京との二元論、いわゆる重都論に傾いていると私は聞いております。また、ほかの県では、もしこれがこのまましりつぼみでこの議論が終わったらば、今まで努力してきた結果は何なんだと。したがって、何か一つぐらいよこせという分配論に走っているとも言われております。失礼の段がありましたらおわびしますが、こういうことが背景にありまして私は思っているわけですけれども。
それで、質問に入るわけですが、その前段で、ならば過密や安全性だけで問うならば、現下のこのITの時代に何も六十キロから三百キロ圏内で決着する必要はないじゃないかと。空いている北海道や沖縄がなぜ最初から外されているんだと、この思いが一層募るわけです。ならば、北海道苫東だって空いているし、沖縄だって首を長くして待っているし、アジア全体からいえば沖縄が悪いわけない、このような思いがございますが、いずれにいたしましても、審議会はこういう難しい状況から一本に絞れないで国会へ答申してきたわけですね。一本に絞れないのに、国会の委員会や国会でどう絞れというんでしょうかね。
私は、そういう点で、国論が動かない今、やはりこの問題は、古びた議論と言えばしかられますけれども、膠着状態に入っているんじゃないかと。したがって、委員会では私たち反対論はマイノリティーだけれども、国民の間では、無関心を含めて、今、国会・首都移転は必要なしという議論はマジョリティーだと思っております。
そこでお尋ねしたいんですが、まず吉村助教授、先生は建築や都市空間の安全化に関する研究者として、一人者として伺っておりまして、日ごろから議論をいろいろ承ってまいりました。今日のお話も、防災上のリスクから東京一極集中を排した方がいいんじゃないかというふうなお話でしたけれども、先生は学生時代から阪大で勉強されて、ずっとこの問題を研究されてきたわけですけれども、阪神・淡路大震災を予測されていましたでしょうか。少なくとも、私どもが知る限りでは、あの当時、関西には地震では安全神話論というのがあったんじゃないでしょうか。そのときにああいう活断層や何かがあることは分かっていながら、なぜそういう安全神話みたいなのを野放図に、先生を責めているわけじゃありませんけれども、予測できましたでしょうか。
となると、さっきのお話のように、専門家でもリスクは分からない、そういうフレーズがありましたけれども、私もそう思うんですね。ですから、首都移転をする理由に、絶対安全な場所を決めなくちゃならない、東京は危ないとおっしゃるなら、一体どこが日本じゅうで安全な場所なんでしょうか。このことを一つお尋ねしたい。
それから、先生が言っている東京・大阪二眼レフ論、私、大阪に首都代替機能を持たせる、これは賛成なんですが、後で言いますが、このことをひとつ先生に、防災上の観点から、一体東京から安全性を、首都を安全に守るために選ぶとしたらば、先生のお考えでは日本じゅうでどこが一番安全とお考えで、それは少なくとも、東京が過密だとかそういう問題を除いて、ただ自然災害上からいって安全な都市として東京よりもそこは優れているという見方ができますでしょうか。これを一つお尋ねします。
それから、原先生と富永先生にお尋ねしますが、多くの金融機関ではホストコンピューターとそれからサブコンピューターと、主要システムの機能や回線の障害除去というフェールセーフはもう整っていると言われましたよね。しかし、あの世田谷の事件もちょっとお粗末でしたし、天下の大グループのみずほのあのていたらくもありまして、人間の技術というのは、最後は神の手じゃない限りは不安を伴うのかなと思っているんですが。
しかし、考えてみますと、今私たち議論をしている東京から首都移転をした場合は、多くの議論は東京を経済金融都市に特化しようとしているんですよ。東京を経済金融都市に特化しようと。それじゃ、東京から全部なくした方がいいんじゃないですか、防災上だったらば。私は、そういうことであれば、本当に東京を経済あるいは金融の都市として特化しようというのならば、首都移転なんかというよりも、むしろ待たれるのは震災対策、防災対策そのものじゃないかと、こう思うんですね。
そして、バックアップ機能が必要だというのなら、私は、吉村先生がおっしゃる東京・大阪二眼レフ論、大賛成でございまして、やっぱり大阪が持っている地勢的な、あるいは人文的な背景から考えれば、大阪が東京と並び称する二大都市で、全体を東日本、西日本で引っ張っていくという私は議論は正しいと。ですから、東京、大阪でお互いにバックアップ機能を配して、そして地方分権がそれを支えていくという方向が正しいような気がするんですけれども、先生、経済金融都市、東京を特化していくのは正しいとお考えでしょうか。
この二点を是非お尋ねしたい。
それから、最後に申し上げます。もう時間ありません。最後に申し上げますが、いつも私、議論長くなるんです。それは、二十数名の委員がいまして、反対論は井上さんと私だけなんですよ。ほとんどの方々は、立場上もありますけれども、賛成論の方がいて、中には大変中立的な議論で助けていただきますが、どうしても私たちはそういう点では、二十倍とは言わないけれども少しは議論をしたいという思いがありまして、いつも委員各位を今日まで困らせてきまして、それは反省はしておりますが、是非御理解をいただきたい、こう思います。
以上です。