大塚耕平の発言 (財政金融委員会)
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○大塚耕平君 民主党・新緑風会の大塚でございます。
ただいま議題となりました銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律の一部を改正する法律案について、反対の立場から討論を行います。
厳しい経済状況が続く中、私たち立法府に身を置く者には効果的かつ合理的な経済対策を講じていくことが求められています。そうした観点から今回の改正案の適否を検討した結果、以下の理由から、残念ながら反対せざるを得ないものと考えます。
まず第一に、そもそも銀行等保有株式取得機構が現時点で有効に機能していないことです。
発足以来の買取り額は千四百九十六億円にとどまり、特に直近の半年間に限ってみると、わずか百九十五億円という有様です。
過去十数年の間、補正予算を始めとする政府の様々な経済対策は、客観的に評価して余り有効に機能したとは言えないものが大半です。経済政策や経済対策の有効性は、きっと効果を発揮するに違いないという国民の期待に依存する部分が小さくありません。こうした中で、現に有効に機能していない銀行等保有株式取得機構に関する本改正案を成立させることは、かえって国民の期待を更に低下させることになりかねません。
効果がなくてもやらないよりはやった方がましという御意見もあろうかとは思いますが、経済政策、経済対策に対して国民がここまで失望している状況下、やらない方がよっぽどましというものもあります。本改正案は、残念ながら正しくそれに該当するものと言えます。
第二に、本改正案は、日本の間接金融機能、企業金融機能の回復に関して直接的には効果を発揮しないことです。
既に、本委員会の委員各位におかれましては、日本経済再生のためには、金融機関の健全化ではなく金融機能の健全化が焦眉の急であることは、党派を超えて十分にコンセンサスを得ているものと思います。
そうした観点から本改正案を考えますと、確かに金融機関のバランスシートから株式を切り離す効果は多少は向上するかもしれませんが、最も重要な金融機能の健全化、すなわち金融機関が企業融資を適切に行うことにどのようにつながっていくのか全く分かりません。単に銀行株が市場に放出されることを抑止するのみで、銀行株の買い支えを目的としていると誤解されても仕方ありません。特定業種の株価形成をゆがめる行為と言えます。
第三に、そもそも事業法人には株式保有制限が課されておらず、銀行等保有株式取得機構が事業法人から銀行株を買い上げる合理的必然性に欠けることです。
第四に、最も大きな問題は、銀行等保有株式取得機構の行為に利益相反、利害対立的な要素が加わることです。
事業法人株と銀行株の双方を保有すれば、当該事業法人と銀行間の融資交渉や債権・債務放棄交渉において、銀行等保有株式取得機構が極めて困難かつ論理矛盾した立場に立たされることは明白です。そうした事態は、銀行等保有株式取得機構が、相場操縦やインサイダー取引等、不公正取引の温床となる可能性を高めるかもしれません。
以上のような理由から本改正案に反対するものでありますが、本改正案が提出され、さきの国会で衆議院を通過して今日に至るまでの間に、御承知のように、日本銀行による株式取得方針の決定という大きな環境変化がありました。過日の本委員会での質疑で明らかにしましたように、日本銀行の株式取得には様々な疑義と懸念があります。機構よりも問題の根は深いと言わざるを得ません。
こうした状況下、仮に本改正案が成立した場合には、銀行等保有株式取得機構と日本銀行のそれぞれの利益相反的立場を解消し、かつ、両者の株式取得という行為が有効かつ適切に機能し、金融機関の健全化と金融機能の健全化につながるように、銀行等保有株式取得機構は事業法人株、日本銀行は銀行株の取得に特化する方向で更なる改善策の検討を進めていただくことを委員各位にお願い申し上げて、反対討論を終わります。