川橋幸子の発言 (内閣委員会)

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○川橋幸子君 民主党・新緑風会の川橋幸子でございます。
 先週に引き続いて、今日も拉致問題の話を取り上げて質問をさせていただきます。
 先週、官房長官の方の私の受けた御答弁への感じでございますが、相手のあることだし交渉事なんだし、いろいろ御心配いただくのは有り難いのだがと、何かくどいというふうにお感じになられたのでしょうか。今日は、質問に入ります前に、大変恐縮でございますけれども、私なりの問題意識をお話しさせていただいて、少しかみ合う議論をさせていただいたらと、このように思います。
 やっぱり昨年の九月十一日の米国同時多発テロ以降、世界の政治というのは大きく変わってきているわけでございます。今回の日朝正常化交渉も私はその延長線上にあると考えております。テロが起こる、それからテロへの報復といいますか、テロを根絶するんだと、それを武力を用いるんだということがあるのでしょうけれども、アメリカのニューヨークからアフガンへ地理的場面が移り、そしてまたイラクへ場面が移っていると。イスラエル、パレスチナの間の衝突は自爆テロという形で続いている。また、一般市民を巻き込むような国内テロ事件というのも、観光客でにぎわっておりましたバリ島で起き、そしてロシアの劇場でも起きたと、こういう冷戦後の大きな流れがあるわけでございます。
 こうした状況の中に、アメリカのブッシュ大統領は、湾岸戦争後に大変人気の高かった父親ブッシュ大統領のたどられた道、その轍を踏むことなく今回中間選挙で勝利された。アメリカ議会のイラク攻撃容認決議を背景として、国連安保理でもアメリカの方でイニシアチブを取っていると、このような認識があるわけでございます。
 しかし一方、テロの背景には、経済のグローバリゼーションの影の部分としまして富の格差が非常に大きく拡大してきている、それから地球環境の破壊の問題も南北問題として拡大している、エイズなどの疫病の蔓延ですとか貧困の拡大というものがありまして、そういうものがテロの温床となっている、こういう認識も事実として確かめられてきているのではないかと思います。
 分かりやすく、誤解を恐れず単純に自分の言葉で申し上げさせていただきますと、平和を構築するためには、武力、軍事力でもって勝利をかち取るというこういう道があり、それから、でもそれだけではなくて人権といいましょうか人間の尊厳といいましょうか、人間の安全保障というそういう言葉を日本の政府も使っているわけでございますけれども、人権というものをグローバルに普遍化させるという、この道があると私は思っております。そして、武力によって正義をかち取るという方向は、ともすればナショナリズムに陥る危険がありますし、また人権のグローバリゼーションにつきましても、甘いとか、それから価値観の押し付けであるとか、こういう問題も、批判も、理想主義に走り過ぎて現実的でないというような批判もあるわけでございます。
 思い出しますと、民主党の鳩山代表に中曽根総理が、人権とか友愛とか平等だとかという、人権という言葉を鳩山代表が使うときに、ソフトクリームのように甘いものであって夏が過ぎれば溶けてしまうだろうというような、こんな言葉があったことを私は印象的に覚えておりますが、私は、人権というのは実は甘いものではない、むしろ利害が相反する者同士の、何といいましょうか、ぎりぎりのところでお互いがどういうふうに折り合いを付ける、ぎりぎりのところの選択を迫られるという非常に厳しいものではないかというふうに考えております。
 今回、米国のちょうど中間選挙と日本の小泉内閣の改造のこの時期というのは割合奇妙な類似点があったように思っております。どういうことかといいますと、外交か国内経済かという、これに対する政権への信任が国民に問われたと、こんな感があったと思います。もちろん抱えている問題は違うわけでございますけれども、外交か国内経済かという、そういう二つの軸が問われて、どちらかというと、どちらも外交に対する国民の評価は高かったということが結果だったのではないかと思います。
 しかし、アメリカでは、イラク問題等々余りに政治的にこれを利用し過ぎるのではないかというこういう批判も現にあったわけですし、アフガンに対する空爆の決議のときには、バーバラ・リーさんとおっしゃる女性たった一人の下院議員がその決議に反対した。しかし、今回のイラク攻撃容認決議でしょうか、アメリカ議会の決議に関しては、たった一人でということではなくて、もちろん過半数には至りませんでしたけれども、かなりの議員が反対を表明していると、こういう状況があると思います。
 こんな図式、大変私の個人的なことをここで述べさせていただいて恐縮ではありますけれども、そういう図式の中で、今回、日本の拉致問題を考えるというのが私の考え方の道筋なわけでございます。そういうことに立って、そういうスタンスで私は質問させていただいている。
 ですから、日朝正常化交渉の開始を私は評価いたします。小泉総理が重い重い扉、北朝鮮の扉を開けさせたということは評価するものでございまして、それに絡まって拉致問題、拉致事件、それから事件によって被害を受ける被害者の人権の問題ということがあるとすれば、拉致問題の解決なくして正常化交渉なし、拉致問題の解決なくして正常化交渉もなければ経済協力もなしと、こういう強い態度を政府が取っていらっしゃることには私は賛成なんです。
 ただ、私が先日来、くどいと思われたかもしれませんが、質問をさせていただいたのは、この際、日本も人権という、あるいは人道と言った方が分かりやすいでしょうか、そういう問題について道を誤ってほしくない、二十一世紀の日本は人権大国として生きていきたいと、こういう思いがあるからこそ、このような、先週のような質問をさせていただき、また今日もそうした問題について質問させていただきたいと思っているわけでございます。
 長広舌を振るいまして申し訳ございませんが、そういう前提の質問ということでよろしくお願い申し上げます。
 まず、拉致問題についてでございますけれども、ちょうど先週のこの内閣委員会のころに、安倍副長官、中山参与が政府の方針を拉致被害者の方々にお伝えに行かれたわけでございますね。拉致被害者の方々は、そうした日本の政府の姿勢について理解をされたということでございましょうか、お尋ねします。

発言情報

speech_id: 115514889X00320021112_027

発言者: 川橋幸子

speaker_id: 1047

日付: 2002-11-12

院: 参議院

会議名: 内閣委員会