中山太郎の発言 (憲法調査会)
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○中山会長 次に、日本国憲法に関する件、特に現在の国際情勢と国際協力について調査を進めます。
本調査会における調査もいよいよ後半へと歩みを進めることになりましたが、本日設置いたしました四小委員会におきましては、憲法の全条章を網羅した専門的かつ効果的な調査を行うこととなります。調査会におきましては、定期的に、この小委員会での議論を踏まえた全体的な討議を行うことにより、調査はより充実することかと存じますが、あわせて国民的に関心の高い時事的な諸問題につきまして、本調査会において憲法的見地から議論することも、また極めて有益であると考えております。
そこで本日は、幹事会での協議を受けまして、国民が重大な関心を寄せている国際情勢と国際協力について、特にイラク問題、北朝鮮問題をめぐる憲法的諸問題に対する委員各位の御意見に従い、討議に付してまいりたいと思います。
現在の日本を取り巻く国際情勢は、極めて不透明、不確実な状況にあります。
特に、イラクをめぐる緊張は、国連監視検証査察委員会による査察の報告を受けまして、近来になく高まっております。そもそも、今回の査察受け入れを要求する国連決議第千四百四十一号は、国連安全保障理事会において全会一致で議決されたものであり、これに対するイラクの協力が不十分であったとの報告は、まことに残念なことであります。九一年の国連安全保障理事会決議に反しましてイラクが大量破壊兵器を開発、保有することは、国際関係に重大な影響をもたらすものであり、許されざることでありますが、まして国際社会にとって不安なことは、その大量破壊兵器がテロリストの手に渡ることであります。経済のグローバル化に合わせるようにテロリストの活動もまたグローバル化しております。
一昨年九月の米国同時多発テロのような事件は、二度と繰り返させるわけにはまいりませんし、テロ活動は根絶されなければいけないということにつきましては、委員各位も同様の強い思いを抱いておられると存じます。
一方、北朝鮮における国際情勢も極めて厳しい状況にあります。これまでも北朝鮮が核兵器を開発しているのではないかとの疑惑はありましたが、昨年十月には、米国に対し核兵器の開発を進めていることを認めたとの発表もなされております。
そういった中、北朝鮮は昨年末、核施設の再稼働等を発表し、監視カメラや封印の撤去、IAEA査察官の国外退去を実施いたしました。IAEAは、これに対し遺憾の意を表し、原状回復、核兵器開発計画の放棄等を求める決議を行ったところであります。それにもかかわらず、北朝鮮は今月六日にNPTからの脱退をも宣言いたしました。昨年の日朝平壌宣言に反して、ミサイル発射実験の凍結を取り消そうとする動きもある中で、これは我が国にとって重大な関心事であります。
また、不審船による領海侵犯が繰り返されておりましたが、一昨年十二月に海上保安庁が撃沈した不審船は北朝鮮のものであったことが確認されております。さらに、昨年行われました日朝首脳会談においては、事実無根と主張してきた日本人拉致につきまして、その行為を認めたところであり、我が国国民の人権が不当に侵害された事実が明らかになりました。
また、北朝鮮から中国への脱出者、いわゆる脱北者が日本政府に保護を求める動きが相次いでおります。昨日は、中国吉林省で公安当局に拘束されていたいわゆる日本人妻の方の帰国が実現いたしました。その境遇はさまざまであり、個別の事例ごとの対応が必要かと存じますが、そこには国内の法律問題や中国との外交関係など、多くの思慮すべき要因があります。
このような国際情勢の中、具体的事例に対峙して我が国の安全保障のあり方及び国際協力のあり方について憲法的見地から委員間の討議を行うことは、本調査会の調査に資するところ大であると感じる次第であります。
なお、幹事会の協議決定により、この常会よりテーマごとの論点整理メモを作成して、委員の緻密な議論に資することといたしております。
本日は、イラク問題及び北朝鮮問題に関する資料のほか、本日のテーマに関連があると思慮される主な政府答弁の抜粋並びに憲法、サンフランシスコ講和条約等の関連条約、自衛隊法等の関連法律から成る法規集を事務局をして机上に配付いたさせました。
サンフランシスコ講和条約第五条(c)項では、「連合国としては、日本国が主権国として国際連合憲章第五十一条に掲げる個別的又は集団的自衛の固有の権利を有すること及び日本国が集団的安全保障取極を自発的に締結することができることを承認する。」とされていますが、これなども、単に歴史的な意味を持つだけでなく、今日的な問題にもつながる条項かと存じます。
委員各位におかれましては、資料の一つとして御参考にしていただき、活発な御議論に資することができればと存じております。
本日の議事の進め方でありますが、まず、各会派一名ずつ大会派順に十分以内で発言していただき、その後、まずイラク問題について、次に北朝鮮問題について、それぞれ順序を定めず自由討議を行いたいと存じます。
それでは、まず、中川昭一君。