森岡正宏の発言 (憲法調査会)

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○森岡委員 私は、自由民主党の森岡正宏でございます。
 私は、天皇制に関して次の二点を申し述べたいと思います。
 第一は、天皇が我が国の元首であることを憲法に明記するべきであるということであります。
 小委員会の質疑の際にも申し上げましたが、私は、我が国において天皇制が果たしてきた役割は非常に大きかったと評価しております。我が国は、いつの時代も天皇を精神的な中心に置き、世界に誇るべき国柄をつくってきたように思います。また、天皇は、国民の敬愛の対象として非常に立派な務めを果たされてきたと思いますし、みずからは権力を振るうことなく、専らその時々の権力者に権限を与える立場にございました。
 ところが、明治憲法は天皇に権力と権威の両方とも与え、それが結果として強大なリーダーシップを発揮させ、日本の繁栄につながったのでありますが、軍の統帥権まで持たせたことが天皇を政治的に利用する道を開いてしまったことも事実であります。したがって、現行の憲法第一条の「天皇は、日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であつて、」という文言は、私もこのままでいいように思います。
 しかしながら、その一方で、私は、この際はっきりと、天皇は日本を代表する元首であるということを憲法に明記すべきではないかとも考えております。
 先日、高橋参考人は、天皇に関する憲法の条文は基本的に変えなくていい、意識の中で天皇は元首であると思っておればいいのだというようなお話でありました。少なくとも、外国からは天皇は元首としての扱いを受けておられる、にもかかわらず、国内ではあいまいな形になっている状態は不自然であり、日本国を代表するお立場であることを憲法上はっきりさせるべきだというのが私の思いであります。
 第二は、女性による皇位継承につきまして、私はそれ自体を否定するものではありませんが、皇位継承という重大な問題にかんがみれば、その検討は慎重になされるべきだということであります。
 私は、この問題を、ただ単に男女同権の世の中であるからとか、あるいは皇室の構成が現状のまま推移すれば皇位継承権者が途絶えてしまうからということだけで女性にも皇位継承権を認めるべきであると論じるべきではないと考えます。
 また、私は、女性の天皇を容認するということになりますと、その配偶者をどう扱うかということが一番大きな問題ではないかと思います。皇位継承をめぐって皇族内部に確執が生まれるなどのさまざまな問題が生まれてくるのではないか、そのような危惧を持つものであります。
 高橋参考人は、皇室典範を第一子が皇位を継承すると改める案を出しておられました。仮に、第一子が女性だと、女帝が誕生し、女性天皇としての帝王学を身につけられる。ところが、続いて第二子が男性だとすると、女性天皇の配偶者、すなわち義兄との関係がどうなるのか。皇族の内部で皇位をめぐって波風が立つことのないよう、象徴天皇があくまで国民の敬愛の対象であり続けられるよう願うものです。
 したがって、皇位の継承に関しましては、これまで皇位の継承がずっと男系男子に限られてきたという歴史の重みを重く受けとめた上で、女性天皇を認めるべきか否か、認めるとするならば皇位継承の順位や皇族の範囲をどうするのかなど、皇室制度のあり方そのものにかかわる根本的かつ精密な議論が必要と考えます。
 最後になりますが、今後は、天皇制に関しましては、現行の規定を尊重しつつ、天皇が我が国の元首であることを明記することの是非について議論を深めていくべきであるということを重ねて申し上げ、私の発言を終わります。

発言情報

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発言者: 森岡正宏

speaker_id: 5295

日付: 2003-02-27

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会