中川正春の発言 (憲法調査会)
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○中川(正)委員 まず、先ほどから議論の中に出てくる元首という言葉の定義が、それぞれの思いの中で統一したものにはなっていないんじゃないかなというふうに思います。
まず、そういう意味で、第四条で規定されている、国事に関する行為のみを天皇は行い、国政に関する機能を有しない。これは正しいことだと思います。これは基本だと思うんですが、それ以外に、先ほどから議論に出ているように、海外から日本を見た場合のいわゆる象徴としての、あるいは国を代表する一つの主体といいますか、やはりそういう意味での天皇というもの、それからもう一つは、国民を統合していく、法治国家として国家権力を行使するものとは違った形の、いわゆる精神的な統一主体としての、いわば我々の文化や心のよりどころとしての天皇、そういうイメージがあると思うんですね。
それを世界的に考えてみても、さっきのような話を全部統合した形での元首という言葉を使って、例えば大統領制のもとでの大統領というものを定義している国もあるかというふうに思いますし、そうではなくて、日本のように、その二つ、いわゆる法治国家として、国家権力を行使する国会であるとかあるいは総理大臣であるとかというものと天皇とを分けて考えていくような国がある。これは、同じ元首という言葉を使っても、それぞれ世界的にその言葉の使い方が違うんだというふうに思うんですね。
そういうことを前提にしていくと、素直に、この憲法の中に元首という言葉を使って表現するということが、注意深くならなければならないというふうに思うんです。その定義をはっきりした上で使っていくということ、これが大切なんだろうというふうに思います。
そういう意味では、現在の第四条で決められているような表現の仕方というのは、これはそのままはっきりとした私たちのこの憲法の中で定める天皇としてのイメージを規定している言葉でありまして、これはこれでいいんじゃないかなというふうに思うんです。
そういうことを申し上げて、少し我々の議論の中で、この元首という言葉についての再定義をさらに深める議論をしていかなければならないんじゃないかということを提起させていただきたいというふうに思います。