中山正暉の発言 (憲法調査会)

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○中山(正)委員 昔、共産党の榊理論委員長と正森成二議員と、それから自民党側から私と石原慎太郎、この四人でNHKの三分間討論会というのをやったことがあるんです。前日にNHKの方から何を質問するかという問い合わせがありましたので、私は愛国心について問いたいということを言っておきました。実はこれは、中身は天皇制をどうするかという意味を持たせていたんです。
 討論が始まりまして、真ん中に電球がついて、その電球のついている間発言をするんですが、それが三分間。私に、中山さんから愛国心について共産党に質問されるということですが、どういうことでしょうか、御発言願いたいということでしたので、私は、それでは愛国心の象徴的な問題で天皇制をどうなさいますかと言って聞きました。そうしましたら、大変雄弁な正森先生と榊さんが、お二人が譲り合われまして、君が答弁しろ、君が答弁しろと譲り合われて、そして最後におっしゃったことが、天皇家は残すけれども天皇制はやめるということをおっしゃいました。それで私は、この現憲法の天皇制の象徴性というのは大変意味のあることだけれども、その象徴たる地位は国民の総意に基づくと。総意に基づくというのは、一体、何だろうか。総意は何だと言って国民投票にかけられたら、一体、将来どうなるのか。
 最近、いろいろなところで住民投票というのが行われます。憲法の前文の冒頭には、「正当に選挙された国会における代表者を通じて行動し、」ということが書いてございます。その意味で、今地域地域でいろいろなものが住民投票にかけられますが、私が建設大臣をしておりましたときに吉野川の住民投票というのがありまして、私は最後の建設省の省議のときに言いました、私は川と相撲をとっている気持ちはありません。こういう民主主義の誤作動という形で住民投票というのが重ねられてくると、最後は、象徴たる天皇の地位は国民の総意に基づく、これを一遍住民投票にかけてみようじゃないか、そういうことになると日本の国の制度というのは大変不安定なものになるのではないか。だから私は、住民投票というのは民主主義の誤作動だということを言って、私は川と相撲をとっているつもりはありません。日本の国の根底にかかわる問題について考えたと言いました。
 私は、日本の天皇制というのは、聖徳太子様という、推古天皇の摂政をなさいましたこの方の大変な知恵だったと思います。いわゆる易姓革命とかそれから天命思想とか、これが英雄だといって中国では秦だ周だ何だかんだと国の形が変わるたびに、民衆は塗炭の苦しみに陥って、そして英雄が安定した政権をつくるまでは国内を逃げ回るような政治が行われる。それは国家のためによくないということで、聖徳太子様という方は、権威とそれから権力というものを分けた、そして天皇制というものを護持した。私は、日本の百二十五代にわたる天皇制の知恵というのは、国民に政治の変動によって迷惑をかけないという大変な知恵の所産だ、かように思っております。
 今、イスラエルのテルアビブ大学のシロニーという先生が、私に最近、日本の天皇問題について「母なる天皇」という、日本人が気がつかないような大変な知恵のあるお話の本を講談社から、これは日本語で書いてございますから皆さんも一遍お読みいただくとおもしろい。一歳から十一歳まで天皇を務めた最年少天皇は四条天皇でございます。それから、天皇というのは万世一系を保つために子供さんをつくられる。それで、景行天皇は八十人の子供さんがおられました。日本は、天皇制を維持するためにいろいろな知恵が長い間の伝統の中で築かれてきた。
 私は、国民の総意に基づく、その総意はどういうふうなものであるかということを討議の対象にして、これが定着できるような、非常に不安定なものにならないような、伝統の知恵を生かせていくような方法はどうあるべきだろうか、そんな疑問を皆様方に呈して、今、何も考えておりませんでしたが、突然のお話でございましたので、自分の所感を申し述べてみました。

発言情報

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発言者: 中山正暉

speaker_id: 32328

日付: 2003-03-27

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会