奥野誠亮の発言 (憲法調査会)
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○奥野委員 先ほどの報告を伺っていますと、道州制の問題とか小規模自治体の問題等々のことが議論になっているように伺ったわけであります。
そういうことを伺いますと、憲法に書いてあります「地方自治の本旨に基いて、」という言葉、これをどう理解するかによって変わってくると思うのであります。
私は、道州制をつくるのなら、府県制度は廃止しちゃって、すぐ市町村に結びつく、市町村を大きゅうしていかなきゃならない、そういう課題にもなると思うのであります。
これから地方自治を言う場合には、基礎的地方公共団体は市町村ですから、市町村が本当に、住民がお互いに気持ちを合わせて、地域のことについては積極的に協力をし合っていこうじゃないかというように自治体が発展していくことが一番望ましいんじゃないかなと。単に行政の効率とか経済的な効率とかいうことを中心に、区域だけを頭に置いたような地方自治を考えたらいけないんじゃないかなと思ったりしているわけでございます。
かつて、学校統合の問題が強い勢いで進展したことがございました。大きな学校にした方が、いろいろな専門の先生方を持つことができるわけだから、教育の内容も浸透するんだ、だから、五キロ、十キロの離れたところに通うことも意としないで合併が推進されたときに、それはとても困るんだということで強い反対の意見もございまして、私は、人口の少ない地域で学校をそのまま維持していきたいというところはやはりそれなりに意義があるんじゃないかな、こう思います。
スイスは連邦国家でございまして、帰化を許す場合にも、基本の自治体が賛成しないと認めないんだそうでございます。私は、そういう地方自治体の方がいいんじゃないだろうかなと思うわけでございます。しかしそれは、行政運営上、経済効率的にも悪い、不便だ、いろいろな問題はあり得ると思いますから、それはまたそれなりに、今でも連合の組織を認めているわけでございまして、広域連合で消防の仕事を一緒にやっていこうじゃないかというのがあるわけでございますので、それは、行政運営のあり方として地域をどうとらえていくかということは考えたらいいと思うわけであります。
だからといって、地方自治を無視するような、本当に住民がお互いで解決していくんだという気構えを崩すようなことにならないようにしたいなと。広域合併を言われる方が、それでは、その市町村の中へ、また地域を限ってある程度の自主的な運営を認めることにしてもいいじゃないかという議論もあるようでございますけれども、どちらを選ぶかということだと思うのであります。効率を中心にして広い単位の自治体を考えるのか、そうじゃなくて、やはり住民の、あるいは地域の地勢とか従来からの経緯とかいろいろなことはあるわけでございますから、本当に住民がお互いにやっていこうというその組織を壊さないように考えていくのが、これはやはりよく詰めた上で考えていかなきゃいけないんじゃないかな、こう思ったわけでございました。そういうことを小規模地方自治体についてもお考えいただいたらいいんじゃないかな、こう思います。
財政的には、そういう地域でもやろうとすればやれるような仕組みが今日はできているわけでございます。いささか小規模自治体に対して配慮し過ぎた結果、合併を阻害している点もあるだろうと思います。それはそれなりに改めるべき努力がなされているわけでございます。
いろいろなことを申し上げましたが、せっかくの実りある結論が実態に合ったように願う余り、ちょっと申し上げさせていただきました。