中川昭一の発言 (憲法調査会)
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○中川(昭)委員 まず、これは金子委員に対しての私の考え方が中心でありますけれども、先ほど私は小委員長として御報告申し上げましたが、佐藤参考人は、御承知のとおりつい最近まで国連の日本大使を務めておられた方でございますから、国連内部の実情についてはいろいろな意味で御存じだったというわけであります。
そういう中で、これは私の感想でありまして、発言は私の責任で、佐藤さんにはありませんけれども、大変な御苦労と、それからまた、もっとやれることがあるのではないか、やらなければいけない、でも、できない。その一つの例が、安保理事会の常任、非常任理事国のメンバーになっていないと、本当に、例えは悪いかもしれませんけれども、廊下の外でマスコミのように取材をしまくって情報を集めているというこの現状というものに、日本が一定の貢献をなされるという、日本にはそれだけの能力があるにもかかわらずできないということの歯がゆさというものを、これは私の印象ですけれども、感じたわけであります。
そういう非常に抑制された御発言をされたと私は思っておりますけれども、それにもかかわらず、それを超えて、佐藤参考人からは、国連は、日本でのイメージと、実際に中にというか、関係している人たちから見るイメージとはかなり違っているんだということ、それから、安保理というのは、いわゆる五常任理事国を中心とした第二次世界大戦の戦勝国が牛耳っているという、この牛耳っているという言葉に極めてその気持ちがあらわれているのではないかと私は思うわけであります。
したがって、国連を本当に世界の、これは安保理だけではありません、経済社会理事会の人権問題とか貧困問題とかいろいろあるわけでありますけれども、本当の意味で国連を世界百九十カ国以上の国々の期待にこたえるためにどういうふうにしていったらいいのか、それができるのかできないのか、極端に言えば見きわめをどこまでつけるのかつけないのかという判断を、これは日本だけではなくて少なくとも世界の主要な国々が、今その判断を迫られているという時期だろうと思います。
そこで、金子委員の先ほどの御発言についてでありますけれども、イラクにまず自衛隊が行くことありきということがいいのかどうかという御発言がありました。今、奥野委員からもお話ありましたが、システムとしては、国連軍というものがあることはあるわけであります。国連軍は、朝鮮戦争で国連軍が出ていったことになっております。国連の旗を持って行ったことになっておりますけれども、あれは実質米軍であった、あるいはまた、ソ連が欠席をした中での安保理決議であった、いろいろ問題点があることも私は承知をしております。
今、国連軍という話をしたら金子委員は首をかしげておられましたが、何で国連軍なんだと。しかしそこに、今イラクには、まだ旧支配勢力が一体どの程度残っているのか残っていないのか、あるいはまた、どんなに危険な状況があるのかないのか、カンボジアの地雷とはまた違った意味の、もっと激しい危険な状況が現にまだ現在進行形にあるという事実をきちっと認識しなければならない。
あるいは、周辺諸国からのいろいろな動きもあるわけでありますし、何よりも、我々にはちょっと想像のできない宗教的ないろいろな対立とか民族的な対立とかいったものも根深くあるわけでありますから、何とかあのフセインの独裁体制あるいはテロ体制を崩壊させたといっても、では、その後イラクを復興させるためにはどういう措置がいいのかということについては、では、一体だれが行ったらいいんですか、イラク支援そのもの、復興支援そのものを御否定なさるんですか。あるいは、最も危機管理に対応できる軍人さんが行かないとするならば、一体だれが行くんですか。金子さん方が行ってきちっとやってくれるんですか。
そういう具体的な現状とそれに対する有効な対応策を示さないで、ただ、自衛隊が行くのはそもそも議論としてけしからぬとか、あるいはその前には、アメリカは自衛とはいえ先制攻撃をやったのはけしからぬとか、そういう昔からおっしゃっている、先制攻撃はいかぬ、あるいはまた自衛隊そのものが行動、ちょっと動くこともけしからぬという状況から、国際状況も常にいろいろな形で動いている。それに最善の対応をすることがどういうことなのかということを硬直的ではなくて柔軟に、その場その場のベストの対応ができるようにするのが、まさに今我々が求められている国際社会における貢献ではないかというふうに私は考えます。
以上です。