井上喜一の発言 (憲法調査会)
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○井上(喜)委員 保守新党の井上喜一でございます。
きょうは、特に今問題となります会計検査院、会計検査等を中心にした行財政の検査あるいは評価、監査に関連をして意見を述べたいと思います。
まず第一に、憲法第九十条は、決算について国会の関与を規定しております。すなわち、1.「国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。」2.「会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。」と規定をしております。
会計検査院は、内閣に対し独立の地位を持つとともに、国会の機関でもありません。そういったことから、独立性が担保されている機関とも言われているわけであります。
会計検査院が国会の機関とならなかったのは、指揮監督の多様化を排除していかなくちゃいけない、あるいは意思決定の停滞を避けること、客観的、中立の立場に立って厳正、公平に国の会計経理を批判することができること、ある程度一貫した方針とか基準によって内閣の財政処理を監督することなどによるものと言われております。
会計検査院は、正確性、合規性、経済性、効率性、有効性の観点等から検査を行うことになっております。
次に、二番目、行政の監査といいますか評価について申し上げたいと思います。
内閣は国家行政組織法や行政機関が行う政策の評価に関する法律などによりまして、毎年、評価の実施状況及びこれらの結果の政策への反映状況に関する報告書を作成し、国会に提出することになっております。
行政機関は、政策について、その必要性、効率性、有効性等の観点から、みずから事前及び事後に評価するとともに、この評価の結果を政策に適切に反映させることになっているわけであります。これは、国民に対する行政の説明責任を徹底するとともに、効率的で質の高い、そして成果重視の実現を目的としております。
米国ではよくGAOのことが言われます。議会にGAOが置かれておりまして、議会の要請等に基づいて政策評価を実施しております。
御承知のとおり、米国では、我が国と異なりまして、予算の提出権を議会が持っているわけでありますし、大統領は毎年予算教書を議会に送りますけれども、これは予算審議の単なる参考資料にすぎない、こういうことでありますから、GAOにおきましていろいろな政策評価をする、そういう必然性があるというふうに考えるわけであります。
三番目、衆議院、参議院にそれぞれ決算行政監視委員会が設置されるなど、国会による行政監視制度の整備が行われてきております。
こういった委員会は、例えば衆議院の場合でいいますと、衆議院における行政監視の中核的な役割を担う委員会として位置づけられておりますこと、それから、各議院または各委員会の内閣等に対する報告、記録の提出要求の整備が行われるとか、会計検査院に対しまして、特定事項について検査報告をする制度の創設とか、あるいは衆議院におきます予備的調査制度を創設するというようなことになってきております。
私は、これらの制度につきまして、実質的に、今の制度といいますのは、会計検査にいたしましても平成十年ごろからでありますし、決算行政監視委員会も平成十年からのものでありますし、行政の評価の制度も平成十四年からでありますから、まだ歴史が浅いので、この制度を云々することは少々時期尚早じゃないかと考えております。私は、その運用につきまして、これが適切に行われているということがむしろ問題でありまして、若干その運用の実績を見なくちゃいけないと思います。各機関が切磋琢磨して、これからそれぞれの職責を果たしていくことが大切であろうと思います。
憲法改正との関連において言いますと、最近における行政評価の重要性の高まりに応じまして、内閣による行政評価を義務づけ、その結果を国会に報告するとする旨の規定を憲法に明記することも検討に値するものじゃないかと思います。
以上であります。