中山正暉の発言 (憲法調査会)

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○中山(正)委員 自民党の中山正暉でございます。
 再度発言を許していただくということに感謝をいたします。
 古きをたずね新しきを知るというのが将来の予測を立てるのに非常に大事なことだと私は思うんです。
 日本で二・二六事件という事件が起こりました。真崎甚三郎、真三郎という兄弟の大将を首班にする軍事政権樹立が目的でした。自由主義政治家を皆殺す計画でした。例えば高橋是清のように明治の日露戦争のとき、十八億の戦費のうち六億を外債、ユダヤ財閥のクーン・ロエブとかシフから借りてきて、日本は日露戦争を米英と組み勝ちました。高橋は親米政治家でした。だから、アメリカは、貸した金が取れなくなったら困るので、ポーツマス条約というタオルを投げてくれた。
 第二次世界大戦というのは、とめ役がなかったんですね。ですから、日本の悲劇は、広田弘毅という吉田茂の後輩が総理大臣になってしまった、中国と何とか和解したいと広田弘毅は何度も英国大使の吉田茂に英国に中国との仲介を頼む手紙を出しておりますが、これは「落日燃ゆ」という小説の中によく書いてありますが、それを全部吉田茂が握りつぶしております。それを握りつぶして、ついに日中戦争。特にあの盧溝橋事件というのは、宋哲元の二十九軍と日本の清水中隊が対峙している真ん中で、後の劉少奇将軍、当時胡服と言いました、胡服という名前の劉少奇が間で爆竹を鳴らしたんですね。これがいわゆる日中戦争の始まりです。
 それまでに、中国と仲よくしようということで、実は梅津、何応欽将軍の間で敦睦邦交令というのが結ばれておったんですが、それが、西安事件でつぶれました。蒋介石が西安にいわゆる張学良を説得しに行きましたが失敗。父親張作霖を日本の河本大作大佐に殺されたものですから、腹いせに、息子の張学良が毛沢東と組みました。西安に説得に行った蒋介石を一晩じゅういすも何にもない部屋に入れて、下から暖炉をたいたんですね。いかに立派な人物でも、一晩じゅうつま先立ちで頑張っても、フライパンの上に乗ったようになり、もう一人で踊りを踊っている状態のところまでいったんですが、耐えられず、それが、ついに日本と戦争するときには参加すると署名させられ、その翌年に盧溝橋事件というのは起こっております。
 これは歴史です。塩川訪中団で行ったときにも私は中国の代表の方に言いました。あなた方の教科書を見たら、昭和二十四年に、中国の教科書には、盧溝橋事件というのは、劉少奇将軍の青年時代の偉大な功績であると書いてありましたよという話を私は中国の代表の方にもしました。
 朝鮮動乱のときに、アメリカはその一年前にトルーマン大統領のアチソン国務長官が秘密文書を出して、中国とソ連が一つにならないために、つまりユーラシア大陸の真ん中ですけれども、これが一つになったらアメリカの世界計画が狂うわけですから、そのために日本の経済力で中国を大きくする。日本の企業は今みんな中国へ出ていってしまいました。大阪なんか十年間の間に九千社、そのうちの大変たくさんの会社が中国へ行ってしまいましたが、その中国を経済力で大きくする、大きくしてソ連と分断する。まさかソ連がつぶれると思っていなかったアメリカは、ソ連がつぶれたことに驚愕をしたわけですね。そこで、また新しい世界戦略を立て始めた。
 朝鮮動乱、休戦協定しかないんですね。マッカーサーは上院外交委員長とそれから下院の軍事委員長に手紙を書いて、朝鮮動乱を勝つためには満州に二十六発の原子爆弾を落とす、台湾軍を朝鮮動乱に投入するということを書いたために、トルーマンが、世界戦争になるその危険性をはらんでおるマッカーサーというのを突然首にしました。
 アメリカはそのときに、日本の憲法改正で中国をおどかしちゃいかぬと考えて、鳩山内閣は憲法審議会をつくって、憲法改正の案は今でも倉庫いっぱい残っているはずです。それなのに、なぜそのときに日本の憲法改正がとめられたかというと、やはりそれは中国をおどかさない日本であってほしいというアメリカの願い。
 ですから、これからのことを考えると、アメリカは日本と中国をてんびんにかけて、一体これはどっちが大事かということを考えたときには、日本が捨て去られる可能性があります。
 特に、百九十一カ国の国連加盟国のうちで日本は一カ国だけ、国交のないのは北朝鮮です。私などは村山訪朝団の準備を小渕総理大臣から頼まれてやっていましたが、今拉致家族の支援の会の会長という人は、北朝鮮から一九六二年と六四年に二回も勲章をもらっている人です。万景峰号を一番利用した人が、今新潟の埠頭に立って万景峰号寄港反対とどなっているのをテレビで見ると、私は異常な感じがするんです、これはだれのためにやっているのか。
 北朝鮮というミサイルをぶち込んでくるかもわからない国、イラクをアメリカがせん滅してくれましたので、北朝鮮は恐れをなして、当分その危険性はなくなったと私は思いますが、しかし、これは将来の問題として、北朝鮮という国は日本に対して殺し屋の役割を務めるかもしれない国です。靖国神社の裏に北朝鮮は大使館以上の立派な建物を持っていますが、六十八万の在日朝鮮半島出身者がいるのに、日本は北朝鮮に事務所のかけらもありません。
 そういうものを一体どうするのか。それをこれからの国家の問題として、アジアの中でいかなる問題をこれから提起していくのか。特に、私は、拉致家族を返せ、よど号の犯人を引き渡せという要求をしました。ところが、よど号の犯人を引き渡せという声は今全くありません。なぜなんでしょうか。有本恵子を誘拐したのはよど号犯の妻だった八尾恵だということははっきりわかっているのに、なぜよど号の犯人引き渡しを北朝鮮に要求しないのか。それが圧力なのかという疑問を感じています。

発言情報

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発言者: 中山正暉

speaker_id: 32328

日付: 2003-06-12

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会