杉浦正健の発言 (憲法調査会)

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○杉浦委員 統治機構のあり方に関する調査小委員会における調査の経過及びその概要について御報告申し上げます。
 本小委員会は、七月十日に会議を開き、国会と内閣の関係に関して調査を行いました。
 まず、国立国会図書館調査及び立法考査局政治議会調査室主任高見勝利君から説明を聴取した後、委員古川元久君及び井上喜一君から基調発言を聴取し、その後、自由討議を行いました。
 会議における基調発言等の詳細につきましては小委員会の会議録を御参照いただくことといたしまして、その概要を申し上げますと、
 高見主任からは、
 まず、議院内閣制について、議院内閣制と大統領制を分かつ本質的基準は、立法府の行政府に対する信任の有無、あるいは行政府の立法府に対する責任の有無であるとし、日本では、首相が自由に解散権を行使し得る英国型に近いものとして運用されているとの説明がなされました。次に、両院制について、公選型上院を採用する日本では、参議院の正当性の根拠が衆議院と同じく直接選挙により国民から選出されるという選挙民主主義にあることから、参議院の役割をどう規定すべきか等が憲法制定以来の検討課題であるとの説明がなされました。
 古川委員からは、
 現行憲法が規定する議院内閣制の姿は首相主導型システムであるが、現実には、行政に対する政治の関与を極力排除する解釈、運用がなされたことなどにより、首相の政治主導は大きく制約されてきたとの認識が示されました。その上で、現代社会では、政治目的に向けて行政を指揮監督する執行権を持つ首相とそれを補佐する国務大臣で構成される内閣を政治の中心ととらえるべきであり、国会の役割については、内閣による政策決定のコントロール機能及び国民に対する争点提供機能の二つが重要となるとの意見が述べられました。また、権力分立に関する明示的な憲法上の規定の創設、参議院のあり方の大胆な見直し、政党を憲法上位置づけた上での政党法の制定が必要であるとの意見が述べられました。
 井上委員からは、
 国内外の環境変化に対処するため、あらゆる分野での制度的大改革と迅速な対応が必要であるとの認識のもと、内閣機能の強化(責任の所在の明確化、政治主導による政策遂行、政府と与党の一元化、政治任用制の段階的導入等)とこれに対応した議会機能の強化(委員会審議の充実、議院スタッフの機能強化、クエスチョンタイムのあり方の再検討、予備的調査等の活用等)及び政党の憲法上の位置づけの明確化。一院制の導入。政権交代可能な二、三の大政党の出現を志向する単純小選挙区制度の採用及び一票の格差の是正。統治行為を所管とする憲法裁判所の国会への設置。特別多数による再議決制度の見直し及び憲法改正手続の発議要件の緩和。危機管理組織の憲法上の明記などが必要であるとの意見が述べられました。
 このような両委員の基調発言等を踏まえて、質疑または発言及び委員間の自由討議が行われ、委員の間で活発な意見の交換が行われ、内閣と与党の一元化、首相のリーダーシップ、民意の反映と選挙制度、両院制の是非、政策秘書制度の拡充の必要性等についてさまざまな意見が述べられました。
 会議を通じての小委員長としての感想を申し上げますと、
 複雑な社会経済情勢に迅速かつ適切に対処する必要性から、さまざまな政策を適宜適切に実行していくことが求められる現代において、国民多数によって支持される政策を強力に進めていくため、民意の反映とともに民意の集約が重要であるということを改めて認識いたしました。
 このような観点から、両院制の是非、参議院のあり方、議院内閣制のあり方について検討する必要性を改めて強く感じました。また、社会に多様な民意が存在する現代において、民意の反映、集約という政党の役割が改めてその重要性を増しており、選挙公約、いわゆるマニフェストのあり方や党内の意思決定手続のあり方も含め、政党のあるべき姿を深く考えてみる必要を感じました。
 以上、御報告申し上げます。

発言情報

speech_id: 115604184X00920030724_008

発言者: 杉浦正健

speaker_id: 21953

日付: 2003-07-24

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会