金子哲夫の発言 (憲法調査会)
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○金子(哲)委員 社会民主党・市民連合の金子です。
今、中川幹事からのお話は、私はちょっとお答えすべきかどうか疑問に思うぐらいの質問でございまして、私は、率直に申し上げまして、葉梨幹事から質問があった点についてはお答えをしたいというふうに思います。
まず、この四つすべてをお答えすることはできませんけれども、侵略を受けないとする根拠は何かという話でありました。これは非常に難しい、根拠をすべて証明しろという侵略。では、逆に言いますと、今日の日本の政府の態度というのは、今侵略する国があるかという規定をしているかというと、それはないということを規定しているわけでありまして、政府の正式の見解で、我が国を攻撃する国がない、これはまさにそれが根拠と言わざるを得ません。
二つ目の、周辺国に対する信頼だけで我が国の安全は確保できるかと。
私どもは、何も信頼だけ、相手のことを信頼していれば、こういう日本の平和と安全が守られるということを言っているわけではありません。相手の信頼を得るためには積極的な我々の外交努力というものが、政治の努力というものがなければ、私は、相手の信頼も醸成できることはできないというふうに思います。
今日の我が国の状況、特に我が国の周辺諸国を見ますと、かつて、これは侵略戦争の対象国であった国々であります。その国々との関係を、どう信頼関係を築いていくかということは、極めて一にかかって、私は日本の外交姿勢にあるというふうに言わざるを得ないと思います。
今日、自民党の幹部とも思われる人たちが例えば創氏改名の問題で発言をされる、さらには、周辺国から大変意見の出る靖国神社への参拝が毎年のように小泉総理によって行われる、こういうことが本当に外交的な信頼関係をつくっていくための基本の外交姿勢としていいのだろうか、逆にそのことを問わなければならないというふうに私は思います。
特に、我が国は、私はこの問題については被爆者問題と絡めながらよく言っているわけでありますけれども、戦前の例えば強制連行の問題などについて、個々の人々の問題について、本当に我が国は解決をしただろうか。確かに、国交回復をしたときに、その国家賠償としての整理はされたかもわかりませんけれども、個々の人々の損害というものに対して謝罪と補償というものがどれだけ行われたのか。これが今もって現実の問題として裁判などを通じて起きているという現実。例えばの話でありますけれども、こうした問題を誠意を持って我が国政府が解決をしていく、このことなどは、周辺の諸国に対する信頼をつくっていく、諸国民の信頼を得るということでは極めて重要なことだというふうに私は考えております。
さらに、北朝鮮の問題についても若干触れたいと思います。
特に最近の核開発の問題、私自身もこの核兵器開発の問題については、どの国であれ、どんな理由であれ、先ほど中川幹事はドイツの例を出されましたけれども、そのような選択そのものが、核兵器には核兵器で対抗する、せん滅を目指していくというような発想そのものが、核兵器の非人道性、大量破壊性を考えてみますと、そこに頼る、またそのことがさらに拡大をしていく、このような事態をつくってはならないと私は考えておりますし、北朝鮮の核開発は、仮にどんな理由があったとしても絶対に認めることはできないし、何としても国際的な力によってこれはとめなきゃいけないというふうに思います。
同時に、南北の朝鮮が不幸にして分断されているこの歴史的な事実、だからこそ、そしてまた北朝鮮とは国交の関係がないという現実の状況、こういう問題を政治の力で解決しよう。だから、昨年の九月に小泉総理が北朝鮮を訪問されて平壌宣言を出されたのは、そういう国交正常化、国交がないという不正常な状況、国交正常化を通じて北東アジアの安定状況をつくろう、こういうふうに考えられたから、あの訪問があったというふうに私は考えております。
そういう意味で言いますと、私たちは、少なくとも今の状況の中にあって、ただ単に信頼ということではなくて、その信頼をどのような努力、つまりは外交的な努力によってそれをやっていくということが重要だと考えております。
私は、ヨーロッパの最近の状況を見たときに、先ほどお話がありましたように、第一次、第二次の大戦、その前の戦争と相次いだ戦争を体験したヨーロッパが、今EU統合という形で戦争の危機を回避している。そういう状況に進んでいることをこの北東アジアの地域でつくっていく、そのことこそが、私どもは日本の平和と安全を守っていく最大の役割、そして安全保障だ、このように考えております。