小川和久の発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)

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○小川参考人 山口委員、ありがとうございました。
 私自身、御意見の方向に憲法が変わってくれることを望むわけであります。ただ、そのための営みとして、やはり実態を世界のどこに出しても通用するものに変えていく必要があるのではないか。特に行政のあり方ですね。
 私は、ちょっと思い出しますのは、三年前の二月四日の金曜日ですが、当時、お昼過ぎ、作業をしておりましたら、小渕総理のところから電話がかかってきまして、ちょっと官邸に来ないかとおっしゃるので、内閣情報官が入るちょっと三十分前に割り込んで話をしたときのことを今思い出しております。
 危機管理の話をちょっとしろとおっしゃるんですね。だから私は、総理官邸の危機管理能力は、アメリカに例えれば、ロサンゼルスの市役所よりはるかに質的にも量的にも下ですという話をしたんです。いや、これは現実にそうなんです。実際に行っていますし、僕、今、内閣の危機管理センターと情報集約センターの能力を高めるための研究会の主査ですからね、ずっと。でも、そういうことをちゃんと押さえながら、どうあるべきか、どうあるのが国民の命を守るために必要なのかという話を積み上げて、それを裏づけるための法律や制度ができ、そこにおいてやはり憲法の文言の話に入っていくという営みをちょっとやってみる必要があると思うんですよ。
 例えば、私は、内閣情報集約センターの人たちが今一生懸命作業をやっていますけれども、彼らとの接点ができたのは、ジェー・シー・オーの事故なんです。九九年九月三十日、あの茨城県東海村の核燃料関係の会社です。あのとき、内閣情報集約センターは、普通の先進国の地方自治体であればやらないようなことをやっちゃったんですよ。
 最初の段階で重要な情報だったというのは、青い光が見えたという話ですね、一般的に言いますと。これに対して、とにかく、原子力事故や核事故の専門家は、普通、国だったら当直に一人はいなきゃいけないじゃないですか。だれもいないものだから、住民に、家から出ないでくださいと言っちゃったんですよ。みんな放射性降下物を意識していたんですね。その結果、中性子が飛んできて家の中を突き抜けてきて、女房を盾にして逃げようと思ったって、そのまま通っていくわけですから、みんな被曝しちゃって大変なことになっちゃった。青い光というのは、僕が見たって、東海村のネオンは何か青いのかとか、消し忘れたんじゃないかとかいう感じだけれども、核事故の専門家がいたら直ちにわかって、早く逃げてくださいという話ですよ。
 さっき、私が間違えた資料があると申し上げたのは、「危機と戦う」という本を書いて、最初の本には、中性子などを防げる防護服がなかったという言い方を書いているんです。これは当時の科学技術庁の幹部たちが総理官邸で言っていた表現でもあるんです。だから、彼らも僕も知識がなかった。その後指摘がありまして、中性子に対して鉛はほとんど有効ではない、あのときの臨界事故でも微量の放射性物質が問題だったけれども、あれは鉛で防ごうとすると十一メートルの厚さがなきゃ無理だ。服なんかできませんね。中性子に対しては水とパラフィンを基本にやっていく、あとは遠くに逃げることだ、空気中の水分に当たるだけでもどんどん減衰していくからと。ところが、そういう知識がない。そういった問題をクリアしようという話になったんです。
 内閣情報集約センターというのは、当時、四人組が五交代で勤務してきた、今も余り変わりません。ただ、アメリカのロサンゼルスの市役所は、全体で七十人いて、第一線のチームというのは九チームあって、それが六人組か七人組ですよ。これが常におります。しかも、これはプロの集団ですね。だから、ノースリッジ地震が朝四時三十一分に起きたのに、もう四分後には動き出して、十分後にはフル稼働している。やはり、これはもうはっきり言って、一国の総理官邸の危機管理能力としても恥ずかしいんじゃないのという話をあえてせざるを得なかったわけであります。
 そういう現実というのが至るところにあるんです。世界に出して通用しなければ国民を守れないという線で切っていなくて、うちのパイロットはうまいんですよと政令指定都市の消防局長が言うから、何を根拠にうまいと言うのかねと言ったら、本人がうまいと言っていますと。そんな非科学的な話。だから、これはその現実を直して、本当に機能する形に持っていく中でそれに必要な法制度ができ、その行き着くところとして、世界のどこに出しても恥ずかしくない憲法の文言として生まれてくるんじゃないかなという感じがいたします。
 ちょっとお答えにならないような話になりました。

発言情報

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発言者: 小川和久

speaker_id: 17213

日付: 2003-03-06

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会