2003-04-03
衆議院
今野東
憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会
今野東の発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)
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○今野小委員 そういうお考えとして、時間もありませんので伺っておきます。
さて、ODAについてですけれども、我が国の憲法に、国際協調、平和主義がうたわれております。私は、ここにODA、政府開発援助を行う根拠があるのだと考えておりまして、ここに大きく異論を唱える方は少ないのではないかと思います。
しかし、そのODAが、本来行うべき経済や技術や文化協力ではなく、さまざまな利権の温床となっていて、そうした意味の政治的色彩を濃くしているところであります。本来のODAの精神から我が国のODAの実態は外れていると言わざるを得ません。
そこで、幾つかの意見を申し上げたいと思います。
国民の多くは、今申し上げましたように、関係官庁、政治家、邦人コンサルタント、我が国の商社などの利権の温床となっているということで、ODAに対して深い不信感を抱いております。景気が長期低迷し、財政上の問題も大きくなっている中で、ODAのむだと利権構造を断ち切っていかなければなりません。戦略の欠如、箱物重視、現場ニーズの軽視、それから要請主義、環境破壊など、さまざまな批判をODAは受けています。ODAが、援助される国々、そこに暮らす人々から感謝され、日本が相手国との外交的信頼関係を築くためのツールとして成り立つことを、日本の国民に認められるように改善しなければなりません。
二〇〇一年十一月に経団連が発表した「ODA改革に関する提言」でもありましたように、JICAの開発調査、各省の外郭団体、外部研究機関に委託して実施する調査情報の開示が十分ではありません。各種調査の関連が不透明なために、重複や無意味な調査が行われている可能性があることから、まず、開発調査のあり方にむだがないように、そのありようをチェックする必要があるのではないかと思います。
それから、二〇〇二年の七月に、国後島の発電施設不正入札事件、これは記憶に新しいところでありますが、社員三人が逮捕されて、そのほか、モンゴルへの無償援助で政府高官に現金を渡した疑惑が発覚するし、社長、会長の辞任を招くなど、不祥事が相次ぎました。
このように、商社やゼネコンが海外のODA案件を受注するために不祥事を起こすというケースがありますが、ODA絡みの不正を断ち切るには、要請主義の見直しが不可欠ではないかと思います。
要請主義は、ODAの被援助国が邦人コンサルタントと契約をし、そのコンサルタントを通じて我が国の企業を選定し、契約を結び、そして、それらの商社や開発コンサルタントが計画した援助事業計画を被援助国が承認して、それを日本政府に持ち込むという、極めて不透明な邦人コンサルタント、我が国の業者、商社の不正を起こしやすい仕組みを透明性あるものに変えなければなりません。
例えば医療機器のケースでは、国際協力事業団は、商社が受け取るマージンを総額の三%と指導しておりますけれども、仕込みの先行投資の高コストを回収するために二〇%ぐらい取っているという話も聞きます。さらに、アフターサービスを通じて市場拡大できるという効果もあるものですから、相手国政府の役人や日本の政治家にわいろを贈るということまで起こっています。
こうしたことの温床がODA要請主義で、この構造を変えなければならないのではないでしょうか。
また、NGOの役割についても話をしてみたいと思います。
これまでのODAのあり方が非効率であったこと、重債務貧困国及びそこで深刻な貧困層にいる人々の問題がさらに大きくなっていることから、途上国の政府、地域を含む行政機関をパートナーとした従来の援助アプローチから、NGOを通じて草の根レベルの最も援助を必要とする部分に届くようなアプローチへと変換していくべきだと考えております。
ただし、その際にも、NGOが外務省や関係省庁の監督に縛られ、民間固有のオリジナリティーや機動性を縛らないこと、またNGOが公的資金に過度に依存してしまうことなくアカウンタビリティーを果たせるような仕掛けが必要であるというふうに考えております。
時間が参りましたので、今回はこれぐらいにいたしまして、次の発言の機会を待ちたいと思います。ありがとうございました。