佐藤行雄の発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)

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○佐藤参考人 旧敵国条項ができた経緯そのものについては、私は余り詳しくは存じません。
 ただ、想像するに、先ほど冒頭にも申し上げましたように、国連憲章というのはしょせん連合国がつくった文章でございますから、その中で、第二次世界大戦中に連合国に対する敵国であった国に対しては云々というのがあったのは、当時の状況としては当然のことだったのだろうと思います。
 それからもう一つ、このいわゆる旧敵国条項については、今日では実際上の意味はないということにはなっております。一九九五年の三月に国連総会で採択されました決議で、議事録の都合で英語で申し上げていいのかあれなんですが、オブソリートという言葉、言うなれば、日本語の訳では時代おくれと外務省は訳しているようですが、今日的意味はない、この三つの条項は今日的な意味はないということが国連加盟国の総意として確認されております。その意味で、法的効果としては、旧敵国条項は事実上の意味を失っているというふうに理解していいのかと思います。
 ただ、なぜ残っているのかという点を先ほど言われましたが、同じ決議の中で、この文言の削除については、次の国連憲章の改正を行う機会に削除のための手続を始めるという趣旨のことが書いてあります。
 なぜそんなことになったかと考えますと、実は、この決議が採択されたのは九五年の三月でございますけれども、その前の年の九四年の一月から、安全保障理事会の改革のための作業が進められていたわけですから、安全保障理事会の改革のための憲章改正の際に敵国条項も削除しよう、そういう理解だったんだろうと思います、加盟国の間で。
 ただ、そこから先は私の個人の考えでありますが、この決議が採択されてから既に七年以上たっております。それから、日本が国連に加盟をいたしましたのは一九五六年の十二月十八日でございます。したがって、二〇〇六年の十二月十八日には日本は国連加盟五十周年を迎えるわけです。したがって、安全保障理事会の改革とは切り離して、日本の国連加盟五十周年までにはこの敵国条項を削除しておくことが適当ではないかと私は個人的には思います。
 ただ、二つ問題があり得ることは覚悟しておかなきゃいけないんだと思います。一つは、日本が安全保障理事会の改革と切り離して旧敵国条項だけ削除しようと言った途端に、安全保障理事会の改革に反対の国から、日本はもう安全保障理事会の改革をあきらめたんじゃないかという意見が出てくるということは、うわさがうわさを呼ぶ国連のことですから想像できます。それからもう一つは、日本は敵国条項の削除を求めていますが、国によっては、その機会にこれもというのが出てくるかもしれません。そういう意味で、やはり本当に削除するためのやり方はよほど慎重にしなきゃいけないという点はあると思います。
 ただ、私の個人の希望といたしましては、削除のための努力をすることが大事じゃないか。現に、昨年の九月、小泉総理が国連総会に行かれたときもこの点に触れられております。そういう意味で、個人的にはぜひ削除のための努力を進めていただきたいと思っております。

発言情報

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発言者: 佐藤行雄

speaker_id: 8964

日付: 2003-05-08

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会