佐藤行雄の発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)

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○佐藤参考人 これは真っ正面からのお答えにならないことになるかもしれませんが、私、国連におりますときに、感じといたしまして、先ほども申し上げましたように、ほとんどの国が安全保障理事会が改革された場合には日本が常任理事国になって当然だという意見を持っているということを申し上げましたが、その関連ですべての百九十、私がおりましたときは百八十九だったんですが、百八十八の相手の全員に聞いたわけではありませんが、機会あるごとにいろいろな国に意見を聞きました。
 なぜあなた方は日本が常任理事国になったらいいと思うのか。幾つかの答えがばらばらに出てくるんですが、やはり一番出てきますのは、日本は経済大国で、グローバルに物を見る能力を持っているという意見が出てきました。日本国内から見て、日本の政府がやっている外交が本当にグローバルな視野を持っているかどうか、これは御批判のあるところだと私は思いますが、少なくとも多くの国連加盟国は、日本はやはりグローバルに物を見ているという意識を持っているということが一つ。
 それから、もう一つはやはりODAです。一九九〇年代十年間、日本はトップドナーだったわけです。量でナンバーワンだったわけです。それで、国連というのは途上国が多いですから、やはりODAについて一生懸命やってくれている国という意味で日本に対する期待感がある。
 三番目、これはちょっとなかなか国際政治の場では言いにくい話ですが、やはり何といっても日本人はアジア人。ですから、途上国から見れば、痛みがわかる、あるいは先進国との格差に苦しんでいる国の苦しみがわかる国だというイメージがあるんだろうと思います。
 もう一つは、日本は核兵器を持っていない国。先ほど菅波さんが言われた、武器を輸出していない国というのは非常に大事な点なんですが、我々の宣伝不足のせいか、なかなかそこまでは言われませんでしたけれども、核兵器を持っていない国、これに対する期待。
 そういうものが折り重なって、日本が安全保障理事会に入ると安全保障理事会に何か変化を与えてくれるんじゃないかという期待がある。そこにこたえられるかどうか、これが、私は日本が常任理事国になった場合に一番試されることだろうと思います。
 軍事力の問題については、現に平和維持活動については随分自衛隊も活躍をされるようになりましたし、まだまだ、これは私個人、一市民の意見として言わせていただけば、今の国内政治の動きであれば、憲法調査会の動きもそうなんでしょうけれども、日本の国際安全保障に対する日本の貢献をいろいろな角度から考えていこう、少なくとも、弱めていこうというよりは広げていく、強くしていこうという方向に動いていると思いますので、帰結点としては、今よりも幅広い活動ができることになっていくんじゃないかという期待が私にはございます、憲法をどうするかどうかは別問題として。
 そういう意味で、日本は安全保障常任理事国になる資格のある国と世界からは認められている、その期待にどうこたえていくかはこれからの日本の覚悟の問題で、決して軍事力だけの問題ではない。
 アメリカとの関係ですが、ちょっと我田引水なことをお話しさせていただきますと、過去において、アメリカが常任理事国問題について態度を変えたことが二度ございます。一回はリチャードソンという大使のときに起きたことで、途上国を常任理事国にすることを考えてもいいということを言ったときです。それからもう一つはホルブルック大使のときに起きたことで、それまで常任理事国の拡大は二十一を超えては絶対だめだとアメリカが非常にかたくなだったときに、アメリカは、二十一を若干上回る数まで考えてもいいということを公式に表明した。
 この後者は、日本がアメリカを説得したんです。間違いなくこれは、私、自分でやりましたから。ほかの国が驚く、まさかと思ったようです。アメリカが、当時オルブライト国務長官で、国連大使をなさった経験もあって、安保理事会というのは数が多くちゃいけないということで、二十一を超える数は絶対だめだと言っていたんです。多くの国は、まさかアメリカが態度を変えると思わなかった。しかし、変えたんですね。国連の場ではかなり衝撃が走ったんです。
 ただ、日本ではほとんど報道されなかったんです。なぜかと申しますと、二〇〇〇年四月三日に発表したんですが、ちょうど小渕総理が倒れられた……

発言情報

speech_id: 115604185X00420030508_019

発言者: 佐藤行雄

speaker_id: 8964

日付: 2003-05-08

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会