2003-07-03
衆議院
今野東
憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会
今野東の発言 (憲法調査会安全保障及び国際協力等に関する調査小委員会)
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○今野小委員 今の藤井先生の、PKOというのは非常に大事なので、国連のPKOのもとでならば出してもいいのだという発言、これには私も同調するところであります。
以下は私の意見とさせていただきますが、もともと、日本の憲法の根底に流れる思想とアメリカの現政権の思想というのは相入れないものでありまして、アメリカの現政権の思想は力による先制を正当化したホッブズの理論を実践しているものと説明されることがあるわけですね。一方、日本の憲法の流れには、恒久平和のための国際協調主義にそのもとになるところを置いているわけでありまして、これはむしろ、現アメリカ政権がしばしば対立している国連やEUにより近いものではないでしょうか。こういう違いを根本にはらんだままアメリカの政策的な圧力に取り込まれていくということは、決して日本のプラスにはならないと考えます。
今回のイラク特別措置法による自衛隊派遣はその典型であります。大量破壊兵器がいまだ見つかっておりません。アメリカ、イギリス両政府部内において、イラク攻撃前に大量破壊兵器について情報操作が行われた可能性さえも指摘された両国会で調査が行われているときに、なぜ、それらの国が占領していると言える危険な地域に日本の自衛官たちを派遣する必然性、必要があるんでしょうか。
アメリカという国と協調しなければならないということはもちろんであります。アメリカとの協調という点で最も焦点となってくるのは、集団的自衛権の行使の問題です。
集団的自衛権は自然権であるが行使できないという政府解釈は妥当ではないという理由から、集団的自衛権の行使を認めるべきだという議論がありますね。この意見の根底には、日本もアメリカの軍事行動に対して戦力を提供すれば、国際協調の点で評価されるし、より対等な関係をアメリカと持つことができるという考え方があるんでしょう。
しかし、日本は、アメリカ軍に対して、基地の駐留経費として毎年六千億円もの国民の税金を予算として拠出しているわけです。さらに、日米安全保障条約の六条では、「極東における国際の平和及び安全の維持に寄与するため、アメリカ合衆国は、その陸軍、空軍及び海軍が日本国において施設及び区域を使用することを許される。」と、米軍の行動のために、在日駐留軍の使用を認めてもいるわけです。第五条では、日本の領域下への攻撃はアメリカの利益にも反することと明記されておりまして、安全保障条約がアメリカの権益にかなうものであることが認識されているわけです。
したがって、現在の安全保障条約が片務的だと卑屈になる必要は全くないわけであります。そういう中で、これ以上日本がアメリカの国益のために貢献する必要はないとは言いませんが、しかし、そこでは日本という国のより主体的な判断があるべきではないかと考えます。
小泉政権は、立憲主義国家の政権担当者として、日本国憲法の理念と憲法九条をもう一度しっかり胸に刻むべきだと思います。現行憲法が第二次世界大戦での日本の侵略行為と悲惨な結末の深い反省の上に書かれたものであることを決して忘れてはなりませんし、日本の歴史的歩みとしてその経験をしっかり受けとめてこそ、日本の外交、安全保障政策のあり方が見えてくるのだと思います。
憲法九条改正の議論の中には、もちろん安全保障条約を通じたアメリカとの協調を念頭に置いた意見もありますけれども、それとは全く逆に、アメリカの現憲法への影響を断ち切るために改正すべきだという意見もあります。しかし、時の幣原喜重郎首相が非常に強い平和主義的……