水島広子の発言 (憲法調査会基本的人権の保障に関する調査小委員会)
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○水島小委員 答えにくい質問だったと思いますけれども、ありがとうございました。
次に、二十五条、どうしてもやはり生存権ということになりますと、生活保護を初めとした制度との関係が深くなるということは中村参考人もるるお話しになったとおりなんですけれども、私自身も精神科医をやっておりましたので、病気を機に家族から縁を切られてしまった患者さん、生活保護からまた社会復帰へと、そのようなプロセスを一緒にたどった経験を持っております。
生活保護を受けるというのはやはりまだまだ偏見もございますし、また役所の窓口での対応というのも非常に厳しいものがありまして、本当にもうぎりぎりのところまで身をはがれてやっと生活保護が受けられる。その時点では、人間としての尊厳も奪われるような、そんな発言を聞かされることもあるわけでございます。私は、生活保護を受ける際に嫌みを言うエネルギーがあるのであれば、そのエネルギーをもっと就労支援とか自立支援に向けていくべきだと思っておりまして、この生存権という権利はもう権利としてきちんと確保した上で、そのほかに例えば働く権利であるとかいろいろな権利があるわけですから、それらをもっとプラスの方向に発揮していくべきだと思っております。
そうやって考えてみると、非常に現行の制度にはまだまだいろいろな制度間の隔たりがあるなと感じておりまして、例えば母子家庭の方たちに対する児童扶養手当の問題を見ましても、これから削減される方向に行く。今どうにか働いていて、勤労収入と児童扶養手当で何とかぎりぎりの生活をしている母子家庭の方たちが、児童扶養手当を失うことによってそのトータルの収入を確保できなくなって結局生活保護世帯になっていくというふうに、そこの間にはかなり生活の大きな隔たりがあって、その制度間を非常に弱い立場の方たちが右往左往しながら振り回されているというような印象を持っているわけです。
やはりそのあたり、もう少しこの二十五条の精神を前向きに生かして、憲法二十五条だけではなくて勤労の権利もあるわけですけれども、そのようないろいろな権利をきちんと享受できるように現行制度をもう少しスムーズなものに変える必要があるのではないかと立法府として感じているわけですけれども、そのあたりは中村参考人はいかがお考えでいらっしゃいますでしょうか。