2003-04-03
衆議院
長尾龍一
憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会
長尾龍一の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)
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○長尾参考人 私は、この点については憲法学界とも非常に違った考え方というか感じ方を持っていて、ちょっと不穏当な発言になるかもしれないんですけれども。
一つは、法のもとの平等という憲法の十四条の原則は、憲法の非常に重要な基本的な原則であることはわかっております。しかし実際に、また、法律論ではなく一種の社会学的議論としては、近代社会というのはずっとアーバナイゼーションが続いていて、農村の人口がどんどん都市に集中してくる。したがって、都市の一票の価値というのが農村の一票の価値よりも低くなるという現象が、一般的に世界じゅうで、世界のあらゆるところで起こっていることなんです。
このことが非常に悪いことで、何はともあれこれを是正することが最大の正義か、あるいはさまざまな点での最優先事項かどうかということについては私は多少疑問を持っていて、多か少かはちょっと問題ですけれども、やはり何らかの仕方で、都市にいることの魅力というものが農村から人々を都市に動かすということについては、多少はその歯どめをするようなさまざまな考え方も必要で、これを選挙権の一票の価値を低くすることによってやるのが適当かどうかという問題はあります。しかし、そう簡単にすべてを平等にして、今の小泉内閣は非常に都市本位的発想だというふうにして農村の議員さんから批判されているそうですけれども、やはりそんなに言うほど第一の重要事かどうかという点は、私は疑問を持っているんです。
もう少し具体的なこととしては、衆議院はそうかもしれないけれども、参議院については、これは第二院であって、第二院の構成というのは世界各国で実に多種多様な構成があるもので、決してアメリカだって、各州から人口が多かろうと少なかろうと二人ずつ出しているわけですから、したがって、参議院についてまで一票の価値を平等化することが、絶対的な要請で正義だなんというふうには私は思わない方がいいんじゃないかと思っております。