長尾龍一の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)

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○長尾参考人 少数者の保護という問題は、これは非常に大きな問題で、私なんかが多少研究しているヨーロッパのユダヤ人問題だとか、昔のオーストリア・ハンガリー帝国の少数民族、チェコ人だとか、そういう問題だとか、アメリカの黒人問題だとか、実に多種多様な問題があって、そういう問題についてどうすべきかということについては、そう簡単に一概には申し上げられない。だけれども、さっきちょっと申しましたように、一時的少数者と永続的少数者という区別はやはり必要ではないか。
 一時的少数者というのは、例えばいろいろな意見が動揺している中で、あるときこの問題について少数意見である、こういう人たちについての意見表明の自由、言論の自由だとか思想の自由だとか集会の自由だとか、こういう基本的人権の保護というのはまず第一のことだと思うんです。その上で多数決によって負けるのはいたし方がないだろう。一応これは、多数決制度と少数者の保護との接点です。その間に、自由な公開の場による討論が行われて、その結果として批判が入れられて少数者が多数者に移っていく、これは一時的少数者に関する問題です。
 永続的少数者に関しては、そういうことを幾らやったって永続的少数者は常に多数決に負ける運命にあるわけですから、この永続的少数者の保護という問題は、ただそういう仕方だけではできないだろう。もちろん、基本的人権という、いろいろなものを保護するという点はありますけれども。やはりそこで、いわゆる集団の自治というんですか、例えば民族自治とか地域自治とか、それから地域が分散しているものについては何らかの仕方でそういうマイノリティーの集団に対する特権の付与だとか、そういうことをせざるを得ないんではないか。
 日本におけるマイノリティーの問題というのももちろんいろいろございますけれども、そういう点で永続的少数者に対する対応をどうするかというのは、やはり自治という概念が一つのキータームになるんじゃないか、そんなことを考えているんです。

発言情報

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発言者: 長尾龍一

speaker_id: 2746

日付: 2003-04-03

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会