坂野潤治の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)

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○坂野参考人 答えたいですけれども、よろしいですか。
 私がここで言いたかったのは、元首という言葉を明治、大正、昭和の人たちが使ったときは、基本的にいわば天皇の独走とか軍部の独走を抑えるためなんです。その言葉を今持ってきて、何らか天皇の権限を今よりも強くするというのは、少なくとも、よしあしは皆様の議論ですけれども、戦前の人々が元首という言葉に込めたものと方向は反対ではないか。
 例えば、美濃部さんが昭和五年に一生懸命苦労したのは、天皇には三つがある、国家の元首と大元帥と皇室の長だと。美濃部さんが言ったのは、その中で一番偉いのは元首だと。同じ天皇ですよ、天皇を三つに分けまして、元首と大元帥と皇室の長と分けて、一番偉いのは元首だ、だから軍部は元首に従え、こういう文脈で使われている言葉でして、だから、元首だから軍隊を率いて戦争をしていいという文脈と正反対に使っている。だから、使い方としては、少なくとも戦前、元首という言葉はなるべく天皇や軍隊の権限を抑える方向に使っていたということだけは、戦後の話をする場合も記憶しておいていただきたい。

発言情報

speech_id: 115604189X00420030508_016

発言者: 坂野潤治

speaker_id: 1018

日付: 2003-05-08

院: 衆議院

会議名: 憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会