2003-07-03
衆議院
英正道
憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会
英正道の発言 (憲法調査会最高法規としての憲法のあり方に関する調査小委員会)
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○英参考人 これは、先ほど申し上げましたように、私は、そういう問題を含めるかどうかという点も含めて一応考えて私の案をつくったので、ですから、その段階でその問題は入れるのは適当でないというふうに考えたわけでございます。ですから、結論的に申し上げますと、今の点については、私はその問題は前文に入れない方がいいんじゃないかなという気持ちがあります。
では、なぜそういうふうに考えるかということでございますけれども、これは本当に残念なことでありますけれども、国際法というものの不完全さ、国際法というのは非常に不完全な法である。法であるためには、法を違反した者に対して処罰がなされなければいけないわけです。それでなければ法体系は成立いたしません。
しかしながら、古典的な国際法のもとでは、それは戦争によって実現したんですね。これは非常に全く残念なことですけれども、力のある人が正義であったんですね。それが戦後の、第一大戦の後の国際連盟、それから、特に第一大戦の後、ケロッグ・ブリアンの二八年の平和の取り決め、ああいうものを経て、武力の行使は自分の国益を伸ばすためには使ってはいけないというところがあるんですけれども、他方、人が攻めてきたらそれに反撃することももちろんできるしというところで、非常に中途半端に国際法がとどまっちゃったというふうに私は考えています。
そういう法体系を具現するものとして国際連合ができたわけですけれども、しかし、それはやはり非常に中途半端であった。つまり、第七章のもとで、平和に対する脅威ないし平和の破壊が行われた場合には、五大国を中心としてそれに対して反撃するというシステムであったわけですね。そのために軍事参謀委員会などもつくったんですが、ただ、冷戦というものがあってそれができなくなってしまった。現在は冷戦が終わったけれども、今度はアメリカ一国が非常に大きくなってしまったために、またできなくなってしまったという非常に不幸なことが続いております。
しかし、結果的には、そういう意味で法を完全に貫徹するために、では国際社会、まずその一つの具現する国際連合が何ができるかというと、これが非常にできない。そこの中で、では、やはり軍事力というものがある役割を果たすということは、どうしても現実論として残らざるを得ない。それにどう対処するかはそれぞれの国の行き方で、アメリカのような行き方をする国もあるし、これまでの日本のような行き方をする国もあると思うんです。しかし、国としては、その極限状況を考えた場合に、核の問題については、では、もし核で攻撃されるというようなことが本当に起こったらどうするんだということは考えなければいけない。
そうしますと、今の日本の政策というのは、それはアメリカの核の傘のもとに入るんだということで一応つじつまは合っているわけでございますが、しかし、一国の安全を他国の核の傘にゆだねるということ自身の持つ問題もまた非常にあります。
私は、それについては、やはりもう少し国際規範を変えていかなければいけないというふうな考え方を持っておりますが、そういうことをあれこれ考えますと、単に核を廃絶したいという希望を述べるのはいいんです、私も賛成であるし、私も祖父が広島から出てきて、親類縁者はみんな広島で死にました。ですから、そのことは痛いほどわかりますけれども、では、さりとて、それを入れておいて金科玉条のごとく神棚に上げて拝んでいれば済むというものではない。私は、そこではもっと日本国が行動しなければいけないと思うんですね。
つまり、核をなるたけ使わせないようにするための国際的なレジームをつくっていく。それはアメリカも巻き込んだ、やはり核をコンテインしていくという努力が必要だと思うんですね。ですから、そういうようなことを考えるべきだと思うのであって、ただ核を廃絶しろというだけでとどまるということには私はちょっと個人的に納得できない点があるものですから、その点を前文に入れないというのが私の結論であったわけでございます。